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編集者にまかせてちょ~査団スペシャル

《玉野市/岡山県立玉野高校 モデルロケットチーム》「ロケットを飛ばしまくるJKがいる」と噂の『岡山県立玉野高校』を訪問。全国大会で好成績をおさめる、女子ロケットチームの活動を直撃!【PR】

気になる岡山の街ネタ調べます!まかせてちょ~査団スペシャル

  • 情報掲載日:2020.01.11
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

Mission_44/ガールズパワーでロケット開発にチャレンジ。岡山県の高校生が取組むモデルロケットの魅力を調査せよ!

岡山で話題のスポットやイベント、知る人ぞ知るレアな情報など、誰もが気になる地元のモノ、ヒト、コトを『タウン情報おかやま』が徹底調査するこの企画。スタッフが実際に現地を訪れ、体験したとっておきの情報をリポートして、「岡山の魅力を再発見できる、よりディープでフレッシュな街ネタ」をお届けします!

紙や樹脂でつくるロケット「モデルロケット」って何?

岡山県民おなじみのアノ店・アノ場所の知られざるネタや旬の話題を求めて、日々情報収集にあけくれる『まかせてちょー査団スペシャル』編集部。

忙しい中でも常に情報のアンテナを張り巡らせることが、魅力ある記事づくりには欠かせません。

時には、読者のみなさんから寄せられる口コミ情報の中に、面白いお宝ネタがひそんでいることがあるんです。

そんなある日、編集部に一通の興味深い依頼メールが届きました。

メールの送り主は、『岡山県立玉野高校』の藤田先生。その内容は、「本校と『岡山県立倉敷天城高等学校』の女子生徒たちが、モデルロケットの開発に取組んでいる」というもの。

しかも、ロケット競技の全国大会で3位という好成績を収めたとか。

「本校にはガールズロケットチームがあるんです。ぜひちょ~査をしてください!」

全国大会上位という実績はもちろんですが、「女子高生×ロケット」という組合せが興味深いですね。

科学や工学の知識が必要なロケットを制作できるなんて、もしかして相当なリケジョ(理系女子)集団なのでは? そもそも「モデルロケット」って一体なに?

理系の勉強はサッパリの『まかせてちょ~査団』の団長M。

「よく分からないけど面白そう」という直感を頼りに、まずは直接聞いてみるのが一番だということで『玉野高校』におじゃましました。

玉野市築港にある『岡山県立玉野高校』。創立80周年を迎えた歴史のある普通科高校です。早速教室におじゃますると、メールをくれた藤田先生と女子ロケットチームのみなさんが集まってくださいました。

JKがズラリ。笑顔がキラキラしてまぶしいです。もちろん先生の笑顔も。

みなさんが手にしているのは自作のモデルロケット。藤田先生、モデルロケットってなんですか?

「モデルロケットは、木や樹脂、紙などの素材を用いて制作した模型ロケットのことで、火薬のエンジン使って飛ばします。本校では、2018年度から10数名の生徒によるモデルロケットの制作・開発活動を行っています」

モデルロケットは十数年前にブームが起きたものの、時代とともにブームは沈静化。しかし、毎年全国大会が行われるなど、今でも根強い人気があります。

そのモデルロケットに再び光を当てたのが、2015年にスタートした「Girls’ Rocketry Challenge」という女子学生を対象にしたモデルロケット開発プロジェクト。

理科担当の藤田先生はこれに着目し、「ぜひ物理の研究テーマに生かしたい」と、参加してくれる生徒を集めてチームを結成。大会出場に向けて活動を開始しました。

全国のリケジョが競う『Girls’ Rocketry Challenge』

「Girls’ Rocketry Challenge(GRC)」は、アメリカ合衆国で航空機や宇宙船の開発製造を行う「ロッキード マーティン」と、科学技術の発展と地球貢献に向けた研究活動や事業を行う「リバネス社」が支援する、女子生徒対象のSTEM(科学・技術・工学・数学)教育プログラム。

各期で3校ずつがロケット開発プロジェクトに参加し、モデルロケットの全国大会出場を目指します。

なんと、西日本では『玉野高校』が初めてこのプロジェクトに選出されたのだそう。プログラムを通じて科学技術分野におけるダイバーシティの推進や、女性のキャリアアップにつながることを目的とする、素晴らしいプロジェクトです。

「2019年の大会では、3年生を中心に女子生徒8名、『倉敷天城高校』は1年生3名が参加しました。今は別の企業から支援を受けて、開発を継続しています」

モデルロケットは火薬を使うため、まずは取扱いのためのライセンスが必須。ライセンスを取得した後は、全国大会出場に向けてチームで協力しながらロケット制作に取組みます。

©ミヨグラフィ

こちらは2019年10月に「筑波宇宙センター」で開催された第35回モデルロケット全国大会の様子。大会は以下の3競技に分かれ、記録を競い合います。

①滞空競技…パラシュートが上空で開いてから、地面に落下するまでの時間を競う
②高度競技…ロケットの飛び上がった高さを競う
③定点着地競技…キットのロケットとパラシュートを改造せずに使い、目標地点近くに着地させる

『玉野高校』&『倉敷天城高校』のメンバーは、最初の滞空競技で全選手163名中15位、続く高度競技では47m98cmの記録で全選手中24位、さらに、定点着地競技で2位、7位、10位に入りポイントを獲得するなど好成績を収めました。

女子部門では1位ロッキード マーティン賞を、中高生部門では3位を獲得し、念願の表彰台に上がりました。全国を代表するロケット女子が誕生した瞬間です!

「大会の前夜まで熱心に取り組んだおかげで、よい成績につながりました」と目を細める藤田先生。

初参加となった前年の2018年10月の大会では、行きの列車が事故で遅れるというトラブルもあったそう。ロケット開発を通じて、授業や部活だけでは得られない仲間との濃い体験ができるのも魅力です。

「JAXA(宇宙航空研究開発機構)に行けたのもうれしかった! なかなか入れない場所なのでしっかり目に焼き付けました(笑)」

そう語るのは向かって左側のコトちゃん。2年生メンバーの中で一番最初にチームに加わりました。

コトちゃんは、ロケットチームの募集案内を見て、「面白そうだな」と思い参加を決めたそうです。

右は、追って参加した同級生のトモちゃん。3年生&2年生計8人の女子が、学年やクラスの枠を超えて、協力し合いながら楽しく活動しています。

3年生でチームのリーダー的存在のカナミさんは、「大会参加で県外に行けたことは、高校生活のいい思い出になりました。ロケット開発を含めた体験すべてが楽しいです」と語ります。

カナミさんは所属する放送部の課題で、全国大会の様子をテーマにドキュメンタリー動画を制作。競技に負けた時の悔しい姿もリアルに収めました。貴重な体験を部活動にも生かしていますね。

ここで、藤田先生から「せっかくならロケットを打ち上げてみましょうか?」と提案が。

百聞は一見にしかず。ぜひ空高く飛ぶロケットが見たいものです。早速準備に取りかかってもらいました!

玉野高校女子チームによる、ロケット打ち上げ実演を見学!

モデルロケットには、火薬のエンジンやショックコードをつないだパラシュート、パラシュートが火薬で溶けないように仕切るワディング(難燃紙)、パウダーなどを仕込みます。

エンジンは市販ものを使いますが、ボディやパラシュートは自作し、より高く飛ぶよう軽量化を図っています。といっても、ただ軽くすればよいわけじゃないのが難しいところ。

「ロケットは3Dプリンターで設計し、樹脂の入った紙粘土を型に巻き付けボディを成形します。ボディは柿渋を塗ってコーティングし、軽量かつ耐水性、耐熱性を強化しています。軽さや丈夫さ、重心の位置など、ちょっとしたことがロケットの高度や開傘に影響します。何度も検証や試作を行い、試行錯誤を重ねながら開発に取組んでいます」

飛ばす際はコントローラーをスイッチオン。エンジンに電流が流れて点火します。

20分ほどで4基のロケットを準備し、グランドに出て打ち上げ開始。果たしてうまく飛ぶでしょうか?

まずは3年生のロケットを発射台に設置。初のロケット打ち上げに若干緊張ぎみの団長M。怖いというよりも、ちゃんと写真が撮れるのかどうかの心配で頭の中がいっぱいです。打ち上げの合図とともに、いよいよカウントダウンがはじまります。

「発射準備完了、低空飛行物体なし、秒読み開始、3、2、1、発射!!」

「シュッ!!!!!!」

勢いのある発射音とともに、アッという間に打ちあがるモデルロケット。は、早い。全然追いつかない。みなさんの顔がブレブレですが、なんとか発射の瞬間はとらえました。ロケットの勢いは伝わるでしょうか?

本来なら数秒後に「ポンッ」と音がしてパラシュートが開くものの、残念ながらここでは開かず。なかなか難しいものですね。

目指せ日本一! ロケットの中には夢とロマンがつまっている

続いて、2年生のハルちゃんのロケットを打ち上げます。2人がかりで念入りにセッティング。先生も心配そうにのぞき込みます。無事に打ちあがりますように!

「プシュッー!!!!!!」
おーっ、パラシュートも開きました! 打ち上げ成功!

しかし、団長Mが感動している間にパラシュートはゆっくり落下。慌ててシャッターを切ったものの、まったく写真に収められず。情けない。これでは「全然仕事できてないじゃん!」と編集部に叱られてしまうに違いない。怖い。

「パラシュートが開くとこんな感じですよ」と、自作ロケットのパラシュートを手に持ち、開いた様子を再現してくれたカナミさん。女子高生の気遣いと優しさが心に染みます。

「やっぱり、思い通りに打ちあがった瞬間が一番うれしい」と笑顔で語るチームメンバー。
この一瞬にかけて、日々ロケット開発に情熱を注いでいます。

玉野高校が目指しているのは、大会での記録向上はもちろん、女子らしく美しいロケットをつくること。

今後も全国大会ナンバーワンを目指して、ガールズパワー全開で活動を続けていってほしいです。

元気で明るいロケット女子たちの話を聞いていると、自分の力で飛ばす小さなロケットにも、大きな夢とロマンが詰まっているのだなあと感じました。

ちなみに、モデルロケットは市販のキットが販売されているので、ライセンスを取得して正しい使い方を守れば、安全に楽しむことができるものだそうです。

気になる人は、詳しい情報を調べて、ロケット制作に挑戦してみてくださいね。

Information

Information
岡山県立玉野高等学校
住所
玉野市築港3-11-1[MAP]
電話番号
0863-31-4321
HP
http://www.tamano.okayama-c.ed.jp/
参考
特定非営利活動法人 日本モデルロケット協会
https://www.ja-r.net/index.html

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