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WELCOME TO HALLEWOOD ~ハレウッドへようこそ~

《連載第38回》「フィルムコミッション(FC)担当者研修会」を開催しました

岡山映画ロケの仕掛け人・妹尾真由子の WELCOME TO HALLEWOOD

  • 情報掲載日:2024.06.28
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

降水量1mm未満の日が日本で一番多く、災害も非常に少ないことから、映画やドラマの撮影スポットとして注目されている岡山県。市街地からクルマで30分圏内に、海、山、古い街並みなどがあり、田舎の風景や島、高原など豊富なロケーションがそろっています。

「晴れの国岡山は、日本のハリウッドだね!」

そんな声が高まって、誰が呼んだか「HALLE WOOD(ハレウッド)!」。

「HALLEWOOD」の立役者であり、全国の映像制作会社が頼りにするというすご腕コーディネイターの妹尾真由子さんが、知られざるロケの裏側やさまざまなエピソードを通じて、岡山の魅力を紹介していく連載です。

《連載第38回》「フィルムコミッション(FC)担当者研修会」を開催しました

みなさん、こんにちは。

岡山県フィルムコミッション協議会の妹尾真由子です。

新年度が始まって、早3カ月が過ぎようとしています。2024年も折り返し地点ですね! あっという間な感じがしています。

今回は、我々協議会の活動の一環で、フィルムコミッション(FC)担当者研修会を開催した時のことを、振り返りながらお話をさせていただきます。

当協議会では、年に一回、当協議会の各自治体や地域FCの担当者を対象にした研修会を開催しています。

研修では、我々の取組みに反映させたり現場の士気を高めるために、映像制作関係者や他地域で実績が豊富、または先進的な取り組みをされているフィルムコミッションの方を講師に招き、講演していただいています。

コロナの感染が広まって以降、中止していた研修会を昨年度より再開し、新たな取り組みとして、初めてFC担当になった方を対象に「フィルムコミッションとは何か」「なぜこのような活動をしているのか」「問い合わせが来た際の対応術」といったことを説明する初任者研修実施することにしました。

普段は役所でお仕事をされている方々がほとんどですので、「初めて担当になって何をどうすればよいのか分からない」といった不安やFCに対する理解を深めてもらうことが目的です。

担当者の皆さんは行政の方が多いため、イレギュラーな対応が求められることが多いFC業務では普段の仕事とのギャップに戸惑う方や、「実績がないのでできません」といった風に、寄せられた相談に対して否定的な言葉ひとつで片づける方もいらっしゃいます。

そういう状況のなかで、「どうやったら出来るかを一緒に考えて欲しい」ということと、日々多忙な業務の中で視点や考え方を少し変化させてみて、「ついで」に出来ることなどはないかなど、可能な範囲で準備をしておいていただきたいことをお願いしました。

そして初任者研修後にはFC担当者全員を対象とした全体研修を開催。今年度は講師にNHK大阪放送局の堀之内礼二郎氏をお招きして「朝ドラ『カムカムエヴリバディ』プロデューサーが語る・ドラマ制作の舞台裏と岡山の魅力」と題した講演をおこなって頂きました。

▲講師:堀之内礼二郎氏

堀之内さんは2021年に岡山が舞台になり一部ロケも実施した、NHK連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」の制作にプロデューサーとして携わられていたご縁があり、今回お声がけをしました。

堀之内さんには事前に、「NHK朝の連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』の制作から見る岡山の魅力」「制作現場の実情を交えたロケ地選定」「NHK作品を活用したプロモーション」の観点からお話を頂きたいということだけお伝えし、講話時間90分・質疑応答20分程度の枠をご用意しました。

▲講演の様子

まず、朝ドラは企画から放送終了まで3年かかり、企画検討や事前取材などにすごく時間をかけていることを話してくださいました。

「『幕府』という言葉は幕末までは現代とは違う別な意味で使われていた」「江戸時代に出してはいけない食材は『白菜』」といった時代考証などについてもクイズ形式で説明。

加えて「雨天後の撮影現場で地面を乾かすためにスタッフ総出で、水たまりにたまった水をスポンジで吸収させてバケツに移す作業を繰り返す」「俳優に気持ちよくお芝居してもらうためのドラマ部秘伝の技」といった撮影の苦労話など、撮影現場の裏側についてお話し頂いて、参加者の興味を引きこみながら話が進んでいきました。

そのほか「カムカム」のロケを通じて、岡山の魅力は「人」「ロケーション」「天気」で、中でも「人」は、「地元愛が強く、岡山の人と触れ合うことで、県外の人も岡山を好きになる」のが最大の魅力だと語って頂き、普段あまり意識していなかったことだったからか、その言葉が凄く心に響いてうれしくなりました。

私もよくロケ地交渉をする際に地元の方々とお話をするのですが、多くの方が「地域の為になるなら」「地元が活性化するなら」と言ってくださいます。

その言葉にいつも救われ「この地域の方々のために」と毎回思わせてもらえていることを思い出し、堀之内さんが言ってくれた言葉通り「人」こそが岡山の大きな魅力のひとつであると再認識することができました。

講演の最後には、スタッフや地域の皆さんと作品を繋ぐのは「共通の願い」であるということを熱く語っていただきました。これは、FCに関わらず、日常生活や違う仕事でも言えることだと思います。

「こうしたい」「実現したい」といった人々の切なる願いが相手に伝わることが人を動かしていくことに繋がるのだと、深く感銘を受けました。

堀之内さんの講話は、終始ワクワクする内容で、あっという間に時間が過ぎたような感覚でした。

参加者からは、「『カムカム』を毎朝見ていたので、いろんな気づきがあって非常におもしろかった。」「講話の内容もすごくよかったけど、プレゼン資料もよかった。情報を詰め込むのではなく、言いたいことを一言シンプルに伝えるための空白をうまく使っていて、わかりやすく目を引かせていてとても勉強になった」といった声も頂戴しました。

今後も、「願い」を共有して地域と撮影隊が一丸となり、作品の制作、作品を通じた魅力発信につなげていけたらと思います。

最後に、皆様にお知らせです。

講師の堀之内さんがプロデューサーとして携わられている映画「港に灯がともる」が現在クラウドファンディングを実施中です。

この作品は、阪神・淡路大震災から30年を迎える2025年1月の公開を目指して制作されており、阪神・淡路大震災の発生直後に生まれた主人公「灯(あかり)」を通して震災後30年の神戸と人々の心の復興を描いています。

阪神・淡路大震災の発生後も多くの震災が全国各地で起こるなか、苦しみと共に生きるすべての方々のそばにそっと寄り添うような作品にしたいという「願い」を込めて制作されています。

本作品への願いが詰まったコメントが掲載されていますので、ご興味のある方はぜひ一度下記のリンクをご覧ください。

【Profile】

岡山県フィルムコミッション協議会
妹尾真由子

矢掛町出身。2013年に矢掛町入庁。産業観光課での勤務時代には、ご当地キャラ・やかっぴーとともに町の観光PRを担当。2016年より岡山県観光連盟に出向。2018年より岡山県フィルムコミッション協議会の専任スタッフに

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