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WELCOME TO HALLEWOOD ~ハレウッドへようこそ~

《連載第35回》令和5年度の岡山ロケを振り返る

岡山映画ロケの仕掛け人・妹尾真由子の WELCOME TO HALLEWOOD

  • 情報掲載日:2024.03.29
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

降水量1mm未満の日が日本で一番多く、災害も非常に少ないことから、映画やドラマの撮影スポットとして注目されている岡山県。市街地からクルマで30分圏内に、海、山、古い街並みなどがあり、田舎の風景や島、高原など豊富なロケーションがそろっています。

「晴れの国岡山は、日本のハリウッドだね!」

そんな声が高まって、誰が呼んだか「HALLE WOOD(ハレウッド)!」。

「HALLEWOOD」の立役者であり、全国の映像制作会社が頼りにするというすご腕コーディネイターの妹尾真由子さんが、知られざるロケの裏側やさまざまなエピソードを通じて、岡山の魅力を紹介していく連載です。

《連載第35回》令和5年度の岡山ロケを振り返る

みなさん、こんにちは。

岡山県フィルムコミッション協議会の妹尾真由子です。

令和5年度も残りわずかとなりました。

3月に入って少し仕事が落ち着いていたので、プライベートで母や姪と一緒に、映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』を観てきました。

久々に映画鑑賞を楽しみましたが、この道や丘はどこなんだろう、岡山に置き換えられる場所があるかなぁ…など、感動して涙を流しながらも、ロケーションが気になってしまっている自分がいました…。

岡山ロケの作品であれば、もっと多くのことが気になり、一度では「作品を楽しむ」までいきません。今回はそうではなかったので、鑑賞後にランチしながら母や姪と作品の感想を語り合うなど、楽しい時間を過ごすことができました。

さて今回は、あっという間に過ぎ去ったように感じた今年度を、ざっくり振り返りたいと思います。

今年度は、岡山県内で撮影された映画が4本、ドラマが3本公開、放送され、岡山のロケーションが多くの方々の目に触れたのではないかと思います。

5月に映画『リゾートバイト』の撮影と、映画『推しが武道館いってくれたら死ぬ』の公開が決まっていたので、撮影やPRに向けた準備のため、年度初めは慌ただしくスタートしたことを覚えています。

表町商店街で開催した『推しが武道館いってくれたら死ぬ』のプロモーション

映画『推しが武道館いってくれたら死ぬ』のプロモーションでは、ロケ地となった岡山市北区の表町商店街にレッドカーペットを敷いて、劇中の夏祭りを再現した舞台でキャストや監督の凱旋を歓迎しました。

▲『推しが武道館いってくれたら死ぬ』のイベント会場。レッドカーペットでの警備はIPU環太平洋大学の学生さんがサポート

これは昨年度実施した映画『とんび』の舞台挨拶イベントに続き、当協議会主催の2度目のイベントでした。

初回はコロナ禍だったので、ロケ地となった金光町大谷地区で人数制限とエリアを封鎖してのイベント実施でした。

でも今回は、オープンスペースでエリア規制もない状態での実施だったため勝手がまったく違い、現場が混乱する恐れも…。

そのような中、配給側の宣伝部の担当者と地元の協力のおかげで、大きな混乱もなく無事に開催することができました。

前日から現場の下見に来る熱心なファンの方々も多く、なかには「初めて岡山に来ました」と話してくださる方もいらっしゃいました。

好きなキャストや好きな作品がきっかけで岡山へ来たり、岡山を好きになってもらえたりするだけでも本当にうれしく感じます。

このイベントでは、350名の定員に対して600名以上の方々が詰めかけました。

岡山市やおかやま観光コンベンション協会、県観光課のFC担当者だけではなく、IPU環太平洋大学の学生さんが運営や警備のサポートで応援に駆けつけてくれ、盛大に開催できて、商店街の活気にも繋がったと思っています。

白石島でオールロケ。映画『リゾートバイト』

続いて、映画『リゾートバイト』の撮影では、笠岡市・白石島でオールロケを実施しました。

私が携わってきた中では初めてのホラー作品のロケ。
ホラー作品の舞台になるということについて、まずは島の住民の方々が受け入れて下さるかどうか、意向を確認するところからのスタートとなりました。

私も腹をくくって、理解を求めるために地元の会合に参加し、作品について一生懸命説明しました。

▲白石島の「はと岩」で撮影を行う撮影隊の皆さん

映画『リゾートバイト』はホラーエンターテインメント作品で子どもから大人まで楽しめる内容、と監督がおっしゃられていた通り、完成した映画は、最後まで楽しむことができる作品でした。

ホラーが苦手な私も少し成長したかなぁと思います(笑)。

『リゾートバイト』は、2024年3月6日にDVDも発売されました。

白石島の風光明媚な風景や、穏やかな瀬戸内海の雰囲気もギュウギュウに詰まっています。

映画を見たら、きっと一度は行ってみたいなぁと思うはずです。ぜひご覧ください。

県内4カ所で撮影した映画『ミステリと言う勿れ』

そして9月には、2023年12月に県内4カ所で撮影を実施した、映画『ミステリと言う勿れ』が公開。ロケ地となった『旧野﨑家住宅』には、多くのファンの方が詰めかけたそうです。

旧野﨑家の広大かつ趣のある建物をいかしつつ、ほかのロケーションと組み合わせたり、CGでより広大な敷地に見せたりと、一般公開の範囲では見ることのできない角度からの『旧野﨑家住宅』を楽しめるのも見どころのひとつです。

▲裏山から見た野﨑家住宅。劇中では奥に映る町並みがCGで描き換えられています

舞台が「広島」という設定ではありましたが、印象的なロケーションとして、岡山の魅力がしっかりと伝わったと自信を持っておすすめします。

こちらの作品も2024年3月8日よりDVDが販売開始となっています。まだ観ていないという方は、ぜひ一度ご覧ください。

ほかにも、さまざまなドラマロケが

ほかにも、2023年4月以降に放送されたドラマ『犬神家の一族』『遺留捜査』『ハルさんの休日』といったインパクトのある3作品が岡山で撮影されており、岡山のロケーションの引き出しの多さに驚かれた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今後も、岡山の魅力あるロケーションの映像が、作品を通じて皆さんの元へ届くよう日々精進してまいります。

▲『犬神家の一族』では、一般公開前の『井上家住宅』など9施設ほどを組み合わせて撮影しました

ぜひ岡山ロケの作品をご覧になっていただき、地元の魅力を再発見したり、新たな可能性を見つけたりしてください。

ロケのご相談で、皆さんの元を訪ねることもあるかもしれません。その際は、温かく迎えていただけるとうれしいです。

令和5年度も1年間ありがとうございました。

新年度も引き続きよろしくお願いいたします。

【Profile】

岡山県フィルムコミッション協議会
妹尾真由子

矢掛町出身。2013年に矢掛町入庁。産業観光課での勤務時代には、ご当地キャラ・やかっぴーとともに町の観光PRを担当。2016年より岡山県観光連盟に出向。2018年より岡山県フィルムコミッション協議会の専任スタッフに

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