今回、「雑貨ぶらり散歩」でおじゃましたのは、玉野市に移住してきた五十嵐夫妻が宇野港近くの通りに約3年前に店をオープンした『bollard』。店主夫妻が実際に使った観点から、長年使って愛着がわき、より長く大事に使いたくなるような品々をセレクトして販売されているお店です。取り扱っているのは、タオル、器から洋服、食品まで･･･。売るだけでなく、大切使ってほしいからこそ、商品を購入してからの扱い方、向き合い方まで伝えいたいという思いがあるそうです。

岡山に移住して3年。「岡山でもいいなと思うものに出合いましたか？」と店主の五十嵐勝成さんに尋ねると、「早島町に工房を構える吹きガラスの石川昌浩さん（石川硝子工藝舎）とは岡山に移住してすぐに知り合い、コップなどを何度かいただいて使っているうちに毎日使う器になりました。こちらに来ていいなと思って店に置くようになったのは、井原市に工房を構える漆作家の仁城逸景さんの器。お父さんの仁城義勝さんは漆の世界ではよく知られた方です。漆器の制作はたいていの場合、木地作りと漆塗りは分業なのですが、仁城さんたちは木地作りから塗りまでひとりでされていて、それを1年の中で計画を立てて制作をされています。そんな『必要なものだけ作って生活する』という信念にも共感を覚えますね」と語ってくれました。

実際に2年使っている器を見せてくれました。「漆といっても、意外に扱いやすいんですよ」という五十嵐さん。普通に水洗いして使っていると聞き、漆は水分は大敵と考えていたので、その話に驚きました。

左側が仁城さん制作の新品の器（6480円～）で、右が2年使いこんだもの。いい感じに色が落ちあめ色のツヤを帯びた器は、使っている人にとっては確かに愛着がわき、使っていくほどに表情を変えていくのが楽しみになりそうですね。

また、「これも岡山で出合い、今おすすめしているものです」と見せてくれたのが、玉野市にある『3sun』というブランドで手掛けられたバケツ型布製バッグ「BAILER」（10Lサイズ5940円～）。

製造は熊本の工場で作られているものの、布は倉敷の『タケヤリ』の帆布を使用。丈夫で汚れに強いので、気軽に物をどかどかっと入れやすいので、自宅でランドリーバッグとして、また外出するときにビーチバッグやピクニックバッグとして使う人も多いそうですよ。

ほかにこちらでは金工のアクセサリーや、使うほどに肌触りのよくなるタオルなども販売。また五十嵐さんが岡山にきてほれこんだ岡山発のパンツブランド『TUKI』のパンツも取り扱われています。

物販以外にも、ドリップしたてのスペシャルティコーヒー（300円～）も販売。これも「毎日飲んでいるし、これからも飲んでいたいものだから、皆さんにも紹介したい」という思いから。長年愛用してるものをおすすめするという姿勢は一貫してますね～。

「いつかは海沿いで、このコーヒーを販売する場所を作りたかったんです」。そう語る五十嵐さんは、それを3月に実現させました！

場所は、宇野港フェリー乗り場にある宿泊施設『Uno Port INN』の1階にあるカフェの敷地内。写真の右端の木製のスタンドが「BOLLARD COFFEE at Uno Port INN」です。

注文したら、エスプレッソマシーンで、オーダーごとに作ってくれます。できたら、こんな感じで手渡ししてくれます。

写真のような、ラテアート仕上げの「カフェラテ」400円（手前）や「アメリカーノ」400円（奥）などを販売。夏にはアイスにエスプレッソをかけて味わう「アフォガート」550円も登場するようですよ。

テイクアウトのほか、宿泊施設『Uno Port INN』の1階にあるカフェでイートインもできます。カフェではサンドイッチやチョップド・サラダなどのフードも販売しているので、ランチがてら訪れるのもいいですね。五十嵐さんいわく、「港を訪れた観光客はもちろん、地元の人にも日々使ってもらえる店にしたいです。ここに立っていると日々の人の動きも分かって楽しいですよ」とのこと。港の新しい交流場所になりそうです。

港すぐ近くの道に面しているので、宇野港周辺に立ち寄りの際に、また宇野港から直島や豊島などのフェリー旅のおともにコーヒーをテイクアウトで楽しむのもいいですね。

この夏、いいものを探しに、雑貨とコーヒーが楽しめる『bollard』の2軒を回って、港さんぽを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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