「岡山ラーメン★エクスプローラーズ」が大復活。
ラーメンが大好きな大盛りアニキとバリカタ姐さんがコンビを結成。毎月気になるテーマを掲げ、無理やり独断で3選します! そして再び岡山のラーメン界に参戦!←ダジャレ
アニキがチョイスし、姐さんがお店に突撃取材! 選びますとも、行きますとも、聴きますとも!
店主やスタッフが普段は話さないようなことをインタビューで引き出して、岡山のラーメンのさらなる魅力に迫ります!
《連載第29回》今回のテーマは「倉敷市の二郎(インスパイア)系ラーメン」
こんちは!大盛アニキです。
今回は、ここ数年で局地的に増加している「倉敷の二郎系ラーメン」を紹介したいと思います(今回「二郎系」には「インスパイア系」なども含めさせてもらいますね)。
ワタクシが初めて二郎系と呼ばれる一杯を食したのは、岡山駅前におそらく岡山最初となる二郎インスパイアのお店ができたときでした。
忘れもしない2008年。
きっかけは「岡山ラーメン★エクスプローラーズ」の最高顧問であらせられる「ビッグボス」(シンジョーというよりかは、マイケル・コルレオーネ的なオーラをまとう御仁)。
そんなゴッドファーザー氏が「母校(大学)の前にあった伝説のお店にそっくりの店が、岡山駅前にできたんだよ!」と、かなりの興奮をもって教えてくれたのが、ワタクシと二郎系との出合い。もう14年も前になるのが驚きですね。
今思えばそれまでも、これと似たような一杯はあったんです。
たとえば、武田鉄矢的レジェンド店の豚と野菜のラーメンや、最近再オープンして話題のお店の役満的ネーミングで有名なニンニクがっちょりな一杯、ワタクシたちが毎日のように食べていた中華料理店(昭和町の『遊プラザ』にありました)のモヤシラーメンなどなど。
しかし、それらとは明らかに別モノだったのです。味わいもかなり個性的でしたが、「原点」と言われるお店の逸話も素敵すぎ。
『慶應義塾大学 三田キャンパス』東南の角にあった(現在は西へ移転)『ラーメン二郎 三田店』は、ビッグボスが通っていた90年代前半の時点で歴史あるお店。その時すでに「リビングレジェンド」的な存在だったそうです。
三田通りに面した立地にある古いお店で、三田キャンパスへ通う学生のほとんどは、店の前を通っていたとか。「その存在を知らない学生は、まずいなかったね」。慶應ボーイの認知度、ほぼ100%と!
ご承知の通りインパクトありすぎなルックス&ボリューム感と、「呪文」と呼ばれる独自すぎるオーダー手法。店内は15~20席のカウンターのみで、体育会系や応援指導部(応援団?)などバンカラな学生たちの聖域のような立ち位置を確立しており 、一種独特なオーラを放っていたとか。
カウンターに立つ、今や「総帥」として知られるご店主・山田拓美さんの存在感もハンパなく、「オーダーはスピーディに」「全員ひたすら黙食」「何かに怯えるかのようにビクビクしながら食べていた」そうです(昔の話ね)。
「最初は4回生の先輩とかに通過儀礼みたいに連れて行かれる。先輩は鬼だし、親父さんも怖い、ラーメンは残しちゃいけないし。いまだかつてあんなに緊張してラーメンを食べたことない」って(昔の話!)。
慶應学生たちのなかには、開店時間を目指して並ぶ「オープン二郎」や、閉店間際に滑り込む「シャッター二郎」を成し遂げることを栄誉としている人も多数いて、「9時に田町駅に集合して昼前の開店まで並んで『オープン二郎』したら、エネルギーを使い果たして学校に行けなかった」とか。
その後、三田通りの拡張工事に伴う閉店話がもちあがった際には、学生有志が当時改装が予定されていた学生食堂への誘致活動を行い、かなりの署名が集まって実際に塾長(学長)に手渡されたとか…。
あと、応援指導部のOBの人がのれん分けをしてもらって『目黒二郎(通称:めぐじろう)』をオープンしたとかの話もあるなど逸話がいちいち面白すぎ。みんな『二郎』を愛しすぎだろ!
そんな風にウチのビッグボスをはじめ、多くの人に愛された『二郎』に触発されたお店は、今や全国的に存在します。今回はそのなかでも、倉敷に飛び火した『二郎(インスパイア)系』のお店を紹介します。
それでは姐さん、お腹を空かせて行ってらっしゃい!
はーい! 現場のバリカタ姐さんです。
今回ご紹介するのは、エリア(倉敷)&ジャンル(二郎系)のダブルテーマ。なぜかここにきて二郎系ラーメン店の出店が相次いでいる倉敷エリアですが、それぞれどんな魅力があるのでしょうか?
今回は、個性も両立させた倉敷の「二郎(インスパイア)系」の実力店をクルーズ。気合入れて味わってみたいと思います!
らーめん 食楽(くら)
やみつきになる人多数。旨辛&激辛ミックスの「魔王」に挑む!
2009年にオープンし、根強いファンを集める『食楽(くら)』。場所は国道2号線の笹沖交差点から南に向かい、クルマで3分ほどの道路沿いにあります。
白と赤のポップな外観には、真っ赤な唐辛子のイラスト入り。愛らしさたっぷりの店構えについ油断してしまいますが、もちろん中身はボリューム満点、濃厚スープがウリの、まぎれもない「二郎系インスパイア」店です。
こちらは基本の「ラーメン」に加え、唐辛子入りの辛みそスープを使った旨辛な味の「魔王」がとにかく大人気だとか。外観で唐辛子を匂わせていた通り、多くの常連客を虜にしている支持率No.1メニューなのだそうです。
奥行きのある店内には漫画本がズラリと並んでいて、つい手にとって読みふけってしまいそう。ひとりでもグループでも、ゆったりと食事を楽しめる雰囲気があります。
訪れるお客さんの中にはカップルや家族連れがちらほら。男女問わず小気味のよい食べっぷりで、ストイックな二郎系ファンから辛い物好きの女性客まで、幅広いファンの心を掴んでいるのを感じますね。
今回は「魔王」の「並盛り」880円を注文。
辛いスープの二郎系は初体験ということで、ひとまず野菜、ニンニク、背脂のトッピングをはじめ、麺の硬さやスープの濃さも増減なしのスタンダードな一杯を選びました。
「魔王」は辛さが6段階から選べるので、激辛好きも自分仕立てにアレンジ可能。具材と味をとことんカスタマイズできるのが魅力です。
見た目・味・コスパも圧巻! 人気餃子店のコラボ餃子もセット。
ほどなくして衝撃的なビジュアルの「魔王」が到着~! 赤いスープに野菜、チャーシュー、ニンニクが山盛りで、名前通りのラスボス感を漂わせますね。
まずは見た目からして辛そうなスープをひと口。ん? 結構飲みやすい! しっかり煮込んだ豚骨スープとコクのある辛みそが調和し、はしが止まらない旨辛風味に仕上がっているのがお見事。
濃厚スープにニンニクと背脂がなめらかに溶けて、さらに深い味わいへと変化していくのがたまりません。
半分食べたところで、これまたピリ辛の「どろラー油」をちょっぴり足して味変。オイリーな旨辛さが野菜やモチモチの極太麺に絡み、あっという間に胃の中へと消えていきました。
この一杯でも十分満たされるのですが、サービスで「替え玉」か「煮玉子」のどちらかが無料で付くというサービスっぷり。これはコスパがよすぎます!
「もう満腹」という限界量に到達しつつも、餃子は別腹としてカウントするのが食いしん坊の性。
追加注文したのは、岡山発の人気餃子店『岡山餃子製作所』とのコラボ企画による餃子です。
バリカタ姐さんの頼んだ「岡山黄ニラぎょうざ」は、パリッとした皮の食感と黄ニラをたっぷり含んだ餃子餡がやみつきになる味わいでした。
このほかにも「岡山パクチー」「チーズ」の3種類があり、どれも6個で390円。ラーメンだけ頼むのはもったいない、これまた満足感を得られる推しの一品なのです。
辛みのアクセントによって、濃厚なのに食べやすさは抜群。味覚、嗅覚、視覚をとことん刺激される『食楽』のラーメンは、一度食べると心を奪われること間違いなしです!
麺ノ虎次郎Z
間借り営業でほれ込むファンが続出。迷わず行きたい、裏路地の注目店。
2021年7月にオープンした『麺ノ虎次郎Z』は、間借り営業から始めた話題の店。系列の飲食店で振舞ったラーメンが好評を博し、「倉敷センター街」の一角に実店舗を構えました。
間借り時代からの固定ファンを抱え、中には週3日も通う「猛者」もいるとか。JR倉敷駅から徒歩2分ほどという立地のよさも相まって、早くも人気店の仲間入りを果たしています。
お店はアーケードから1本入った裏路地にあります。センター街入口のパチンコ店の脇を入ると、ビビッドな黄色い暖簾を発見! この穴場的な感じもいいですね。
この日もお客さんが続々と来店し、調理場を切り盛りするスタッフの片山さんのオペレーションも徐々にスピードアップ。
定番の「虎次郎ラーメン」や「まぜそば」など、お客さん好みにカスタマイズした重量系の一杯が手際よく作られていきます。
まずは食券機でラーメンの種類と麺量を選び、テーブルの注文用紙にトッピングの有無や好みの量を書いて渡すのがルール。お店では半セルフサービスを導入し、いち早く出来立ての一杯を提供できるようにしています。
ほのかに甘い濃厚スープ、ホロっと柔らかい豚、ムチッとした極太麺が美味!
バリカタ姐さんが注文したのは、「虎次郎ラーメン」の並盛り(麺200g)830円。そこに通常量の野菜と背脂を入れて、種類豊富なトッピングから「チーズ」と「うずらの燻製玉子」各100円を選びました。
特徴的なのは、やや甘みのあるマイルドなスープ。豚骨に鶏ガラ、豚足、鶏皮などを煮込んだダシに醤油ダレ、マー油、ラードを加えていて、濃く深い味わいながら飲みやすいのがポイントです。
ムチっとした食感のちぢれ麺とも好相性。麺本来の旨みがガツンと伝わり、スープに負けないパワフルな食べ応え。麺の旨さも主役級!
ニンニクは摺りおろしたものを風味付けにしていて、追加トッピングは卓上に用意。風味が引き立つ「刻みニンニク」と、ラー油を加えたピリ辛の「ニントン」の2種類を好みで入れれば、パンチの効いたスタミナ感あふれる一杯に。
はしで持つとホロっと崩れるチャーシューは、「肉増し」150円のほか「ほぐし豚」100円としてトッピングできます。
そのほぐし豚を使った「ミニ焼豚丼」300円もいただきました。煮込んだタレと肉の旨みで白飯が進みまくり!
スープは素材を変えつつ改良を重ねているそうで、マイルドな味わいに個性が光ります。このとき来店していた女性の常連さんは、このお店で二郎系の美味しさに開眼したとか。
新たな二郎系フリークを生み出す『麺ノ虎次郎Z』。調味料や多彩なトッピングで、ガツ盛りの一杯を最後まで堪能してください!
ダントツラーメン 倉敷玉島店
岡山の「二郎インスパイア系」の草分け的存在は、倉敷エリアでも大人気!
岡山市内に2008年にオープンして以来、「行列のできる二郎インスパイア店」としてファンのお腹と心を満たし続けてきた『ダントツラーメン』。
高松市内に2店舗を構え、2020年には岡山県内で2店舗目となる『倉敷玉島店』をオープンしました。主張の強い「ラーメン」の文字が眩しい!
岡山市北区岩田町にあった『岡山店』は、同区の幸町に移転オープンしたばかり。こちらの『倉敷玉島店』もオープンから1年半と新しいお店で、新展開と共にファン層も拡大中です。
『倉敷玉島店』はカウンター席とボックス席があり、グループや家族連れでも気兼ねなく食事できます。
タッチパネルで注文できるので、二郎系のルールに慣れてなくても安心。焦らずにカスタマイズを楽しめますよ。
『ダントツラーメン』の美味しさを作る上で重要なポイント、それは継ぎ足しながらじっくり煮込む豚骨スープと自家製の極太麺にあります。
『倉敷玉島店』は製麺所があり、ここで専用粉を使った『ダントツラーメン』オリジナルの平打ち麺が作られるのだとか。毎朝打ち立ての麺をすぐに調理できるのも、同店ならではの強みです。
醤油をキリッと効かせた芳醇スープ、コクと旨みが絡む自家製麺に満たされる!
今回は老若男女問わずオススメの組合せ、「ラーメン小」680円に「野菜2倍増し」&「味玉」130円のトッピングにチャレンジしました。
背脂&ニンニクも入れて、この量で「味玉」を付けても810円というからお得。しかも野菜の増量は6倍まで無料という懐の深さがスバラシイ!
こちらのスープは、ひと口目からキレのある醤油の風味が際立ちます。塩味、甘み、酸味がバランスよく混ざり合い、芳醇な豚骨醤油の旨みを堪能できる絶妙な味わい。
自家製麺は平打ち麺で、口当たりは程よくなめらか。スープをまとった麺の旨みと食べ心地のよさが絶品です。スープはしょうゆの濃さを調整できるので、麺や野菜を増しても濃密な味わいをキープできますよ。
店舗ごとの特色も見逃せません。コンビニチキン並みのビッグな「からあげ」は、岡山では『倉敷玉島店』のみの限定メニュー。サクッとした皮で、肉感と味付けはしっかりジューシー。2枚で240円という価格も頼みやすいですね。
濃厚ながらクセが出すぎず、岡山人の舌にもなじむ味わいの『ダントツラーメン』。
高松出店の際はよりマイルドな味に進化させたそうで、二郎系ラーメンのよさを守りながら地域に合わせた独自の美味しさを追求しています。
家族連れも大歓迎の『倉敷玉島店』には、何と半額の「お子様ラーメン」もあるんです! これなら女性やお子さんと一緒でも二郎系ラーメンを思う存分楽しめます。誰もが行きやすいお店作りも、人気の理由ですね。
まとめ
いかがでしたか? それぞれに個性を持つ3軒ですが、特筆すべきはスープの味わい。同じ濃厚スープでも甘さや辛さ、醤油のキレと、三者三様で味に違いがあるのも面白いですね!
倉敷の実力店をハシゴしてみて、改めて二郎系ラーメンの奥深さを感じた回でした!
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