「岡山ラーメン★エクスプローラーズ」が大復活。
ラーメンが大好きな大盛りアニキとバリカタ姐さんがコンビを結成。毎月気になるテーマを掲げ、無理やり独断で3選します! そして再び岡山のラーメン界に参戦!←ダジャレ
アニキがチョイスし、姐さんがお店に突撃取材! 選びますとも、行きますとも、聴きますとも!
店主やスタッフが普段は話さないようなことをインタビューで引き出して、岡山のラーメンのさらなる魅力に迫ります!
《連載第10回》今回のテーマは「岡山市中区のラーメン店 その①」
皆さま、1カ月ぶりぶり。ご無沙汰でした。
今回のテーマは「岡山市中区のラーメン店 その①」です。ディープでマニアックな諸兄姉はお気づきかと存じますが、実は月に一度連載のこのコーナーのテーマは、「ジャンル(メニューや味わいなど)しばり」と「エリア(地域)しばり」を交互でお届けしています。
前回は「サービス精神旺盛」でジャンルしばり(というか、これはきっと店の特徴だ)。その前はエリアで「児島&玉野」でした。で、次なるエリアは…と考えまして。
「岡山市の中区にしよう!」というのは、意外と早くに思い浮かんだんです。しかし、中区もわりかし広い。住んでいる人も多くて、お店も多い。
なので、以前の「倉敷美観地区周辺」「岡山市役所界隈」のように「岡山市中区」の中でもエリアを絞ってピンポイントに攻めようと思い、往復ビンタを無限にされ続ける人のごとく、店舗リストと中区の地図を並べて置きまして、左右を交互に何度も何度も見返し続けたのです。
脳内のほっぺたを無駄に腫らしながら「ここは、次の○○のジャンルに入れたいな」「でも、そうするとこのエリアでしばれない。1件足りなくなる…」などなど。パズルゲームのような地味なシミュレーションにトライです。
結果、今回は姐さんとも相談し、ワタクシ&姐さんが日常生活で主によく利用する主要道路沿いのお店を選んでみました。
我らがよく利用する岡山市中区の主要道路とは、道が広い順(ざっくりイメージ)で言うと、一般的に「旧2号」と呼ばれる「国道250号線」、西大寺・牛窓線の名で知られる「県道28号線」、そして高島あたりの高架沿いを走る「県道384号線」です。
ほら、3線とも皆さんよく利用するでしょ? しませんか?
「中区」というエリアの中で、位置こそバラバラになってしまいましたが、「そのなかで新旧の店舗を取り混ぜ、メインラーメンの種類を多彩にする。そして、今回は第1弾の位置づけとして、続きをまたやります!多分」ということで決定。
だって中区には、紹介したいお店がまだまだいっぱいあるんですよ! ぶっちゃけ、姐さんにコンタクトを取ってもらったものの諸事情で今回は取材ができなかったケースもあったりもします。なので、機会を改めて第2弾を実施したいと思っています!
なんせ、このタイミングでご紹介したいお店がそろいました。現在3代目になるお店のネーミングの秘密とか、老舗多店舗系列店内の関係性とか、ド派手な外観が目を引く新店についてとか…。個人的興味も多数なので、取材担当の姐さんにはその辺しっかり聞き出していただきたいと!
それでは姐さん、行ってらっしゃい!
こんにちは。現場のバリカタ姐さんです。
市街地からもほど近く、飲食店も多数の岡山市中区。当然、人気ラーメン店も多いエリアとのことで、こりゃ紹介のし甲斐がありますね。
大盛アニキの更なる引き出しを期待しつつ、中区をシリーズ化できるようにせっせとリサーチ中でございます(アニキが)。
今回選んだのは、進化を続けるトンコツラーメンの評判店、ラヲタな皆様が何度も足を運んだであろう老舗の名店、そして、家系の看板をひっさげた岡山初進出のお店、この3店をご紹介します!
くわん屋evolution
コクがあるのにサッパリ。ハートに染みるまろやかなトンコツラーメン。
JR高島駅から徒歩12分、山陽新幹線の高架沿いにある『くわん屋evolution(エボリューション)』。両隣に飲食店が並ぶビルの1階にあります。
「くわん屋」の歴史は結構長く、現在は3代目の長尾宏一さんがオーナーを務めています。長尾さんがお店を引き継いだのは20年ほど前。
そのタイミングで店名に「進化」を意味する「evolution」を加え、岡山のラーメンファンにはすっかりおなじみとなったインパクトのある『くわん屋evolution』の名称が誕生しました。
先代から続く味を守りながらも、更なるおいしさとサービスを追求しています。
こちらのウリは、何と言ってもまろやかな味わいのトンコツラーメン。コクがあるのにクセのない白濁スープは、トンコツマニアからの熱い支持を受けているとか。
「おすすめは、定番の『くわん屋ラーメン』にごはん物が付いた、『お得な夜だけセット』(1100円)かな?」(長尾さん)
セットで選べるごはん物3種は「やきめし(小)」「とりめし」「チャーシュー丼」。そのほかにもライス系のメニューが充実しています。せっかくなのでセットを注文。
こちらが「くわん屋ラーメン(単品)」720円。スープに浮かぶのは、細麺とチャーシュー3枚、そしてネギ。具材はシンプルですが、ひと口スープをすするとマイルドかつ深い味わいに唸ります。うーん、旨い!
豚骨を8時間以上かけて炊き込んだスープは、豚骨そのもののダシがたっぷり出ています。甘みがあるのに後口はサッパリした絶妙なバランス。トンコツラーメンの本場・博多から仕入れる細麺は、トロミのあるスープと相性抜群です。
充実のごはん物や、大人も堂々と頼める「学生ラーメン」も必食!
「スープに満足したら、残りはトッピングで『味変』してみてね」
そう言って長尾オーナーが差し出してくれたのは、自家製の「辛子高菜」。入れてみると結構パンチの利いたピリ辛スープに変身! ただ辛いだけではなく、味に奥行きが出て、ラーメンの味を2度楽しめます。
セットのライスには「やきめし(小)」をチョイス。昔ながらのシンプルな焼き飯にはとろとろの温玉をオン。潰しながら混ぜて食べると、玉子の優しい風味が溶け合い、香ばしさと濃厚な黄味の2層の味わいに。
メニューには「学生ラーメン」620円なる一品もあり、リーズナブルな価格設定も人気です。
「チャーシューを切る時に出る『ヘタ』(端切れ)を有効活用したのが「学生ラーメン」。その角切りチャーシューを増量して炙ったのが「炙り学生ラーメン」820円。これが大人にウケて、毎回これを頼む常連さんもいらっしゃいます。学生じゃなくても堂々と注文できますよ(笑)」
ラーメンもサイドメニューも、肩肘はらないホッコリしたおいしさ。長年愛されてきた理由が分かる、そんな納得の味でした!
マルバン 東岡山店
ラーメン好きの舌に刻まれた「伴」の味。昔懐かしい一杯を求めて本店へ!
国道250線沿いにある『マルバン東岡山店』は、岡山で30年以上続くラーメン店「マルバングループ」の本店です。
豚骨しょうゆとストレートな中細麺の王道的な組み合わせは、昔懐かしい「岡山の味」としてずっと親しまれています。
『マルバン』は『下中野店』や『中央町店』など岡山県内に5店舗を展開するほか、自社製麺工場も構えています。
こちらが『東岡山店』。器型の立体看板が、ラーメン店であることを熱く主張しています。力強い「伴」の文字に惹かれて店内へ。
ワンフロアの店内はカウンター席とイス席が設けられ、一人でもグループでも気軽に食事できるカジュアルな雰囲気です。奥に漫画本があるのも、昔ながらの大衆的な感じがあってよいですね!
こちらの店長を務めるのは、『マルバン』を創業した矢吹さん。なんと御年72歳。
頭にタオルを巻いたラフな姿と気さくな人柄に、店長というよりも「大将!」と呼ぶのが似合いそうです。
失礼ながら大将! おすすめは何ですか?
「定番の『中華そば』や『生醤油そば』もいいんじゃけど、今日はこちらを味わってみてください」
テーブルに出されたのは、『マルバン』の中でも重量級の「肉ニラもやし炒めそば」850円。ニンニクとニラがたっぷりと入ったスタミナ満点の一杯です。
スープは地味深い味わいの豚骨しょうゆ。ニンニクの風味でスープのコクがより一層増してます。チャーシューはもちろん、ニラとモヤシのシャキシャキ感を思う存分楽しめる一杯です。なかなかのボリュームですが、女性の注文も増えているそうですよ。
自社で製麺工場を持つだけに、使う麺には強いこだわりがあります。材料の小麦粉は品質を重視し、バランスのとれた細さや茹で加減もお店の味に合うよう開発。
無添加で防腐剤をいっさい使わないため、作り置きをせずに毎日麺を製造しているそうです。
カレーに麻婆豆腐? 大衆食堂的な魅力で、世代を超えて愛される店。
「実は洋食も得意なんよ(笑)」と、意外なエピソードを話してくれた矢吹さん。
24歳頃に『マルバン』を始めるまでは洋食屋で働いていたそうで、メニューの中にはその名残を感じさせる「カレーライス」や「デミカツ丼」がありました。
ラーメン後の締めにと、矢吹さんおすすめの「カツカレーライス(ミニサラダ付)」810円を頼んでみました。
これもまた懐かしい味わい。ラーメンとの組み合わせは異種格闘技的な感じですがいろんな料理が味わえるので大衆食堂的な魅力があります。チャーハンや麻婆豆腐、餃子など中華系のメニューも豊富です。
矢吹さんは、地域で愛されるお店を目指して、着々と店舗を拡大されてきました。現在、『下中野店』と系列の『まるや長船店』は息子さん、『中央町店』はご友人の息子さん、『邑久店』はお弟子さんが、それぞれ切り盛りしているそうです。
「基本的にどの店も同じ味とメニューじゃけど、それぞれ個性があってもいいと思う。どんな違いがあるのかは、ほかの店舗に行かんから全然知らんけど(笑)」
身近な人たちに囲まれながら、親子二代で大切な味を守り継いできた矢吹さん。「ぼちぼちやるよ」と言いつつ、まだまだ現役感バリバリですよ!
もはやレジェンドとなった『マルバン』の第一号店。次は他の店舗もチェックしてみたいです。
横浜家系ラーメン 鶴乃家 岡山円山店
「横浜家系」のおいしさを岡山に伝えたい。期待の新星が中区に降臨!
県道西大寺・牛窓線沿い、富山小学校の向かいにある『鶴乃家 岡山円山店』。2020年の4月24日にオープンしたばかりの新店です。
思わず目がとまるド派手な外観。交通量の多い通りに面しているため、オープン当初から注目を集めていました。家系の特徴のひとつだそうですね。
『鶴乃家』は、2019年4月に第1号店を広島県内にオープン。『岡山円山店』は、『鶴乃家』の2店目にして記念すべき岡山初進出のお店となります。
ちなみに「横浜家系」とは、濃厚な豚骨ダシとしょうゆダレのスープ、コシのある中太麺の組み合わせが特徴的なラーメンのこと。「鶴乃家」も横浜家系の味を基本としながら、独自のメニューやサービスを提供しています。
私ことバリカタ姐さん、何と横浜家系のラーメンは初体験。記念すべき「ファースト家系ラーメン」に胸を弾ませながら店に入ると、いきなり謎の掛け声が。
「あがってぃっ!」
厨房の中では、店員さん達がテキパキと麺を茹で上げ、ジャッジャと湯切りを行い、華麗に盛り付けを行っていました。
厨房はライブ感にあふれ、ラーメンが作られる一連の動きが丸わかり。抜群の連携プレーにより、次々とラーメンが出来上がっていきます。ところで「あがってぃ」ってなんの掛け声ですか?
「これは、麺が茹で上がった時の合図なんです。どんな方でも落ち着いてゆっくり食事していただけるお店ですが、挨拶や掛け声は『大きな声で、元気よく』を心がけています」
そう答えてくれたのは『岡山円山店』の店長、三宅さん。早速、推しメニューを作っていただきましょう。
濃厚な豚骨醤油を、好みのトッピングや味付けでカスタマイズ!
こちらが大人気の『豚骨醤油MAXラーメン』950円(並)。定番の『豚骨醤油ラーメン』700円(並)をベースに、チャーシュー3枚、海苔6枚、自家製味玉、ホウレンソウが乗ったボリューム満点の一杯です。
豚骨のダシと醤油ダレのコクが濃厚に絡み合ったスープは、とてもクリーミィな舌触り。豚骨をしっかり煮込んでいるので、白濁の豚骨ラーメンに近い柔らかな旨みがあります。
トロトロなのに最後の一滴までスッと飲める軽さも不思議。太麺がスープに絡み、最後までスープの旨みを堪能できます。
「『鶴乃家』は、お好きなラーメンを好みの味にカスタマイズできるのが特徴です。麺の茹で加減、脂の量、味の濃さを調整できます。トッピングもたくさんありますよ」(三宅さん)
聞くと、卓上調味料はすべて無料で、ニンニク、ショウガ、酢、コショウ、ゴマなど種類も豊富。そのほか具材の追加や、モヤシとキャベツをタレでからめた「もやキャベ」100円、ネギなどのお得なトッピングや、ごはん物、サイドメニューもかなり充実しています。
店内にはおいしく味わうアイデアがたくさん紹介されていました。組み合わせによって味のバリエーションは無限大。「お客様に美味しく食べてほしい」という想いがあふれまくっています。
大人気の「ネギチャ丼」280円。角切りチャーシューとタレ、ネギのピリリとした辛さが白飯に合いますね。濃厚な豚骨醤油スープはごはんとの相性も完璧なので、セットで味変しながら楽しむのがおすすめです。
「当店で家系デビュー、というお客さんって意外と多いんです。ありがたいのと同時に、もっと岡山の方に家系の味わいだけでなく『鶴乃家』ならではのおいしさも伝えていきたいです」(三宅店長)
『岡山円山店』では、トンカツのトッピングや細麺との組み合わせなど独自のメニューがあり、「岡山の味」もさりげなくプラスされていました。
地元で愛される家系ラーメンを目指す『鶴乃家 岡山円山店』。今後の展開も見逃せません!
まとめ
いかがでしたか? 各店自慢のラーメンに加えて、一緒に食べたいこだわりのごはんメニューもご紹介しました。糖質なんか気にするな! まだまだ紹介したいお店がいっぱいの中区特集、次回もお楽しみに。
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