「岡山ラーメン★エクスプローラーズ」が大復活。
ラーメンが大好きな大盛りアニキとバリカタ姐さんがコンビを結成。毎月気になるテーマを掲げ、無理やり独断で3選します! そして再び岡山のラーメン界に参戦!←ダジャレ
アニキがチョイスし、姐さんがお店に突撃取材! 選びますとも、行きますとも、聴きますとも!
店主やスタッフが普段は話さないようなことをインタビューで引き出して、岡山のラーメンのさらなる魅力に迫ります!
《連載第7回》今回のテーマは「巷で近ごろ話題の店」
お元気ですか?大盛りアニキです。今回のテーマは「ひらがな店名のお店!」。ウソです。そんな縛りは存在しません。皆さんお待ちかね「巷で近ごろ話題の店」ですよ!
しかも今回ご紹介する3店は、この連載や前身である本誌掲載やブログでもご紹介できていない「岡山ラーメン☆エクスプローラーズ」初取材&初登場のお店ばかりです! いずれのお店も比較的最近オープンされてますからね。
2020年4月現在、コロナウィルスの影響で心を痛めるニュースも多いですが、一日も早く平穏な毎日が訪れることを願って、元気にお届けしていきたいと思います。
常々、「物事には必ず理由(わけ)がある」と思っています。←至極当然、当たり前のことをドヤ顔で言いましたよ、ワタクシ。
つまりは、多くの人に支持されるお店には、それだけの魅力や、それに見合うだけの価値があるということなんですね。お店が繁盛して人が集まれば集まるほど、いろんな反応があるものなのですが、往々にして正当な評価の方が多いという印象です。アンチが出るのも認知度が高い証で。
「人が人を呼び、話題が話題を呼ぶ」連鎖のメカニズムも含め、そこには何かしら、人々の心をひきつけるチカラがあるに違いないと。評判はSNSやクチコミであっという間に広まるし。
ラーメンは嗜好品で好き好きのある食べもの。評判店の味わいが必ずしも自分の口にジャストミートするとは限りませんが、溢れ出す心のワクワクを押さえながら入店待ちの最後尾に立ち、入り口や座席が段々と近づいてくる高揚感たるや、あーた。ヤミツキになっちゃうのも理解できるというものです。その時間を含めての楽しさかと!
そうなんです。人気店では待つこともしばしば。並んでまで食べることを敬遠される方もおられるでしょう。「俺っちはねえ。ラーメンとかスピーディに食べたい人なんで…」とか言っちゃう方の気分もよーく分かります。昼休みとか60分しかなかったりしますからね。
でも、ラーメンはほかの飲食に比べると回転も早いほうで、繁盛店とはいえ日時によって状況は違うので。空いてそうなタイミングを狙って行くのも楽しいですよ。最近はツイッターとかで簡単に情報入手できるし。
あと、今回ご紹介の3店に共通するのは、「お店の味わいのルーツが東京(関東圏)にある」ということ。いずれも若いご店主ですが、「自らが惚れぬいた味わいを岡山のみんなに食べて欲しい!」という部分でつながっていたのは、ちょっとした驚きですね。
てなわけで。今回もバリカタ姐さんが、そのあたりしっかりと深堀りしてくれることでしょう。それでは姐さんはりきって! 行ってらっしゃい!
どもっ! 現場担当のバリカタ姐さんです。
美味しいもののためなら並ぶ時間を惜しまない、その気持ち、すごく分かります!
お店の前で待ち焦がれたり、タイミングを計って足をはこんでみたりと、たまにはそんなゆとりを持ってラーメンを味わってみてもいいんじゃないかと。
今回は、巷で話題の3軒をご紹介。多くの人を虜にするラーメンの味、体験してきます!
らぁ麺 はんにゃ
岡ビルの名店が味をリニューアル。さらに美味いラーメンへと進化中。
JR岡山駅から歩いて数分、「岡ビル」の北側に店を構える「らぁ麺 はんにゃ」。店名が書かれた大きな赤提灯が目印です。
店内はカウンターと待合いのベンチのみの空間で、ピーク時には入店待ちの列ができるという盛況ぶり。2018年のオープンから2年余りで、早くも名店との呼び声もあるお店です。
店主の河中さんは、「最も敬愛するラーメン店」と自らが推す東京の名店『麺処 ほん田』で修業し、その味を受け継ぎました。
元々は飲食店を営む家に育ち、長年培ってきた自身の料理経験と食のセンスを生かして、「長岡生姜醤油ラーメン」にヒントを得た独自のラーメンを創作。
しょうゆ、塩、つけ麺など多彩なメニューを提供してきました。
河中さんが大切にしているのは、常に進化し続ける美味しさ。
「レシピの味を守るだけでは、お客さんも自分も飽きてしまう。常に足し引きしながら味を進化させることが、美味しいラーメンづくりには必要不可欠です」。
そのポリシーを裏付けるかのごとく、2020年3月19日からメニューをガラリと一新。今までとはひと味違うしょうゆラーメンで舵を切りました。
磨かれた美しい一杯。旨み際立つ「しょうゆ中華そば」
新たな『はんにゃ』の看板となる「しょうゆ中華そば」800円。澄んだスープの上に浮かぶのは、レアチャーシューと穂先メンマ、三つ葉。思わず背筋が伸びる上品な見た目です。
シンプルな分、使う材料は良質なものに限定。スープは岡山・湯原の湯けむり地鶏の丸鶏と徳島産阿波尾鶏のガラを使い、地鶏と水だけで豊かな旨みを引き出しています。
しょうゆダレは、伝統製法で作る生揚げ(きあげ)しょうゆや、再仕込みしょうゆなど6種をブレンド。雑味のないスープと深いしょうゆのコクが合わさり、キレのある旨さに。
油の芳醇な味と香りをアクセントに、軽やかながら口に残る余韻を楽しめるのも魅力です。
具材や麺とのバランスも好相性。しっとり柔らかい三元豚のレアチャーシュー、東京・菅野製麺所の細麺など、具材も一つひとつが良質です。
ファンの期待を裏切らないクオリティで、旨さを大胆にアップデートさせた河中さん。今後は徐々にメニューを増やす予定とのことで、新たな味の展開にも大注目です!
ラーメンきずな
二郎系ラーメンのレジェンド、「富士丸」の味を受け継ぐ店
先に紹介した『らぁ麺 はんにゃ』からほど近く、「岡ビル」の南側の通り沿いにあるのが『ラーメンきずな』。
お店の前にはパテーションが置かれてあり、お客さんはここに整列してお店に入ります。店の左隣には自販機のある待ち合い室もあります。人気ぶりが伺えますね。
『ラーメンきずな』は、ラーメン好きにはおなじみであろう「二郎系」のお店。
東京三田発祥のチェーン店『ラーメン二郎』を典型とする、濃厚でボリューム満点のラーメンが爆発的な人気を呼び、本家の味を受け継ぐ「二郎系」、「二郎インスパイア系」の店は全国に拡大しています。
『きずな』の店主の神達さんは、東京にある二郎系の人気店『富士丸』で10年修業し、店長まで登り詰めた実力派。『富士丸』の味と魂を受け継ぐ形で独立し、地元の岡山でこの店をオープンさせました。
本格派の二郎系ラーメンが岡山で食べられるとあって、岡山の二郎好きから熱く支持されています。
厨房を囲むように席を配した店内。昔ながらのラーメン店を思わせる真っ赤なカウンター、厨房から伝わる香りや音に、思わず血が騒ぎます。
『きずな』では事前に食券を買い、食券を渡す際に麺の量を伝えるシステムをとっています。ここで注意したいのが、お店ならではの麺のボリューム設定。
「普通」350g、「少なめ」280g、「半分」180g、「3分の1」120gと分かれていますが、一般的なラーメンの麺量は120~150g。
それをふまえた上で選ばないと、想像以上のドカ盛りラーメンがやってきて苦戦するはめになります。初めての人は適量を見極めながら注文しましょう。
ボリュームの多さは二郎系の特徴ですが、麺やトッピングを細かく選んで注文できるのも魅力のひとつ。
麺の量を抑えて具材を足したり、ニンニク増しでパンチを利かせたりと、自分好みにアレンジしやすいのがうれしいですね。
ニンニク、野菜、アブラのトッピング、辛みの調整は無料なので、かなりお得感があります。
無性に食べたくなる美味しさ。明日への元気をくれる一杯
今回オーダーしたのは、「半分」の麺に野菜増し、ニンニク・アブラを足した定番の「ラーメン」860円。麺の量が「少な目」以下の場合は生卵が付きます。
国産豚のチャーシューを使って8時間以上煮込んだスープは、トロミがあってこってりと濃厚。トンコツとしょうゆダシ、ニンニクとアブラの風味が混ざり合い、力強い旨みが口いっぱいに広がります。
クタクタに煮込まれた野菜の甘さもスープの旨みにひと役買い、柔らかい太ちぢれ麺がしっかりなじみます。中盤で生卵を投入し、よりまろやかに味変されたスープをぐいっと飲み干し完食。食べた瞬間から元気になれる一杯でした!
「無性に食べたくなる」という声も多い『きずな』のラーメン。一度食べると虜になる、魔性の美味しさを味わえます!
二代目麺処 くるり
オープン直後から話題沸騰。伝説の味噌ラーメン、ここにあり。
2019年の秋、岡山市北区伊島北町の県道沿いにオープンした『二代目麺処 くるり』。新店ながら、早くも行列店の仲間入りを果たした話題のお店です。
同店の味のルーツとなるのは、2015年まで東京・市ヶ谷にあった『麺処 くるり』の濃厚味噌ラーメン。
現在は辛味噌ラーメン専門店『大塚屋』としてリニューアルを果たしているため、前身の『麺処 くるり』は幻の名店としてファンの間で語り継がれています。
その初代『麺処 くるり』から味を受け継ぎ、二代目として屋号を継承したのがこのお店。「約5年ぶりにあの味が岡山で復活した!」と、東京のラーメンマニアからも熱い注目が注がれました。
写真はお店を切り盛りする店主の原さん(写真中央)と奥さま、スタッフの葭谷(よしたに)さん。
元々、初代『麺処 くるり』の常連だったという店主の原さんは、ラーメン好きが高じて約2年前に脱サラ。先に紹介した『らぁ麺 はんにゃ』でラーメン職人としての腕を磨きました。
初代の味をそのまま継承し、忠実に再現したというファン垂涎の味噌ラーメン、その中から人気のメニューを作っていだだきました。
口の中でとろける濃厚味噌ラーメン。一度食べるとやみつきに!
定番の「みそらぁめん」にトッピングを加えた「味玉みそらぁめん」980円。一見して濃いビジュアルながら、食べてみるとダシの旨みと味噌の甘みが溶け合い、まろやかな風味を感じられます。
味噌は信州の白味噌のみ1種類を使用。豚骨、鶏ガラ、モミジでスープを濃厚に仕立てて、味噌は引き算でシンプルに味を添える。この絶妙なバランスが美味しさの決め手となっています。
こんがりした焼き目のチャーシュー、味玉、モヤシもスープと調和。東京の老舗『菅野製麺所』の太麺もモチモチと心地よい食感です。
テーブルには花椒(ホアジャオ)やカレー粉など数種の調味料を用意。好みに合わせて味の変化を楽しめます。締めに出てくるジャスミン茶は、お客さん全体の4割を占めるという女性からも好評です。
『二代目麺処 くるり』の人気が思わぬ形で爆発したのが、オープンして1カ月
を迎えた2019年のクリスマス。某人気You Tuberが来店したことで知名度が急上昇し、動画再生の翌日は40人が店頭に並ぶ事態に。
さらに、年末は120人も並んだというから驚きです。You Tuber効果、恐るべし。
現在は緩やかに落ち着きを取り戻しつつ、相変わらず人気は高い『二代目麺処 くるり』。オペレーションを改善したことで回転率もグンと上がりました。
店主の原さんも、予想以上の人気にうれしい悲鳴を上げています。「お客様の協力なくしては、地域に愛されるお店が成り立ちません。列や駐車場、撮影などのマナーをぜひ守っていただき、お客様と一緒によりよいお店づくりをしていきたいです」。
写真は、売り切れ終了のお知らせ看板。なんと最後のタイミングに当たったお客さんが移動させる、というシステムが定着しているそうです。お客さんとの協力体制がしっかり築かれていますね。
オープンから数か月、どんどん魅力を増している『麺処 くるり』。並ぶ価値大!のお店です。
まとめ
いかがでしたか? 今回大盛アニキが選んだ3軒は、ここ数年のうちにオープンした実力店。年数は浅めながらも、名店の味を岡山に伝えて確実にファンを増やしています。
もちろん、訪ねる時間によってはスムーズに入れることもあり、決していつも並んで入りにくい、というケースばかりではありませんよ。
価値あるおいしさ、ぜひ体験してみてください!