71♥パンめ 『nid sand』の「塩大福」
朝ごはんに、おやつに、食事に添えて…まいにちのいろんなシーンで登場する「パン」。岡山にもたくさんのパン屋さんがあり、「この店のこのパンが好き!」という自分だけのお気に入りがある人も多いのでは? パンに恋したTJ女性スタッフが、とっておきの「惚れパン」を心ゆくまで語ります!
[ナビゲーター]しょこ
TJスタッフ暦13年目のアラサー女子。パンを買いに行くために遠征し、自分でも家で焼くほどのパン好き。朝ごはんは必ずパンと決めており、なかでも一番好きなのはベーグル! パンシェルジュ1級にめでたく合格し、「マスター」の称号を手に入れる。子どものころの将来の夢は、パン職人の旦那さんと結婚すること。
これまでたくさんの「パン専門店」を紹介してきましたが、パン好きの私は当然「サンドウィッチ専門店」も大好き。サンドウィッチ専門店にも「食パンの三角サンド」、「コッペパンサンド」、「バゲットサンド」とさまざまありますよね。
また昨今では、特定のパンだけを販売するショップや「トースト専門店」などもお目見えしています。
そのなかでも、今回取り上げるのは女子受けしそうな「フルーツサンド」!
というより、お店の方いわく「スウィーツサンド」だそうで。その理由は店頭ショーケースにずらりと並ぶ品を見ればよくわかりますよ。
オーソドックスな三角サンドではなく、四角いタイプ。ぶ厚すぎて、もうちょっとで正方形になりそうなボリューム感にもびっくりです。
「スウィーツサンド」とはなんぞや?
やってきたのは北区柳町、せせらぐ川の音に癒やされる西川沿い。ビビットブルーの外観が印象的で小さなかわいいお店です。
不思議な店名の『nid sand』とはフランス語で「鳥の巣」を意味する「nid」とサンドウィッチの「サンド」を合わせた造語で、日本語の「二度、三度」来てほしいという想いをかけているんだとか。
営業時間は11時からですが、あまりの人気っぷりに数時間もしないうちに売り切れてしまうこともあるそう。せっかく来ても泣く泣く帰る…なんてことも。
なにより、ほしい種類のサンドを確実に手に入れたいなら、オープンめがけての来店がおすすめですよ。
入り口を入ると、店内はお客さんふたりでいっぱいの広さ。大きなショーケースには、思わず目移りしてしまうくらいカラフルでキュートなサンドが多彩にそろいます。
ビジュアルの華やかさには、学生時代にデザインを学んでいたという店主さんの経歴も生かされているのかもしれませんね。
サンドウィッチであり和菓子でもあり?!
みずみずしいフルーツが主体だけに、季節に合わせてラインナップは替わります。
四季折々の味を求めて来るファンが多いいっぽう、私が激推ししたいのはフルーツじゃない「スウィーツサンド」。
もとより大の和菓子派なので、「塩大福」400円をチョイス!
ほかのものに比べると、若干見た目は地味かもしれませんが…。
味はもちろん最高。
塩気をプラスしちょっぴりしょっぱいテイストに仕上げたクリーム、つぶ感を残した上品な甘さのあんこ、さらにもちもちの求肥まで入っています。
それぞれをじゃますることなく引き立て、うまく包み込む食パンがナイスアシスト!
これはやみつき間違いなし、店主さんもイチオシの太鼓判です。
一期一会のめぐり合いもお楽しみのうち
まずは左から、「カマンベールオレンジ」400円を。オレンジのさわやかで刺激ある酸味が、カマンベールチーズのまろみとぴったり。あえて同系統のオレンジペコーの紅茶といただくとお互いの華やかな香りがかけ合わさって、何倍にもおいしさが広がりますよ。
次は定番テイストの「チョコバナナ」390円をピックアップ。
クレープ屋さんに行くと必ずある、超王道の品ですね。フルーツサンドでもバナナはメジャーですが、こちらのポイントはホイップクリームとチョコクリームのダブルクリームを採用している点にあります。
バランスの素晴らしさもさることながら、ねっとりしたバナナの甘みを上手に引き立てる甘さ加減が絶妙です。
クリームやフルーツの種類も多彩なんですが、私のお気に入りはチーズもの。
先ほどはカマンベールチーズでしたが、こちらは誰もが好きなクリームチーズ!
ちょっぴりオトナなテイストに心ときめく「はちみつナッツとクリームチーズ」430円です。
濃厚なハチミツ、クラッシュしたアーモンドとクルミの風味、クリームチーズのまろやかな塩っけもよきかな。甘いだけじゃない、このおいしさがわかるようになったのは大人になってからかも。
私が男性への手みやげにするなら、これを選びますね~。こんなのもらったら、センスのよさに高評価、株が上がるのは間違いありません。
最後は、これぞスウィーツサンドの真骨頂ともいえる「クッキークリームブルーベリー」420円。
ほろ苦いココアクッキーは粗くくだいてたっぷりと。ブルーベリージャムの果肉感とすっぱみもあいまって、案外と軽く食べられるのもいいですね。
ブラックコーヒーともよく合いそうな味わいだし、3時のティータイムに添えたいかも。ブルーベリーフレーバーを食べると「初夏が来た!」って感じがします。
突き抜けたこだわりと無限のアイデア力
インパクト抜群、迫力の断面に命をかけるユニークな店主・宮脇さんが営む『nid sand』。
店頭に飾られた「断面命」の看板が示すとおり、どんな風に並べたらきれいな切り口になるかをいつも意識して作っているのだとか。間近で見ると本当に圧巻で、SNS映えも抜群です!
もちろん見た目だけじゃなく、使うフルーツとクリームへのこだわりも人一倍。とりわけパンにはさんだときのトータルバランスには細心の注意を払っているんですって。
赤磐の人気店『麦のひげ』の食パンをチョイスしたのも、シンプルなのに天然酵母の味わい深さがあるからなんだそう。そのパンは、歯切れのよさを重視して厚みを調節しスライス。
そのおかげで、食べすすめていくうちにパンとフルーツ、クリームが同時になくなるという、まるで魔法のような黄金比率に仕上がっています。
また、特製の甘さひかえめホイップはとっても軽いのが特長で、フルーツはじめほかのパーツのおいしさをまるまる引き出してくれているんです。ちょっと固めにしているのも、断面がキレイに切れるように…。
ちなみにフルーツは店主さんの地元・赤磐の農家さんから直接仕入れているとな。
ひと切れのスウィーツサンドに、どれだけのこだわりを詰め込んでいるのか、恐ろしいくらいですね。。おひとりでされているお店なので、一日に並ぶ数はしぼり込んでいますが、それだけに何度も通ってすべてのテイストを食べてみたくなっちゃいます。
自分らしさいっぱいの小さなお店から、「好き」を発信し続ける宮脇さん。キラキラした瞳でスウィーツサンドへの愛を語る姿を見れば、おいしいのは間違いないと確信できます。
お話しているだけで元気がもらえて、サンドを食べてまた元気になれて。だからみんな『nid sand』に通い続けるのかなぁ、なんてあらためて思いました。
『nid sand』の店舗データ
Information
nid sand
- 住所
- 岡山市北区柳町2-9-13 [MAP]
- 電話番号
- 086-233-0802
- 営業時間
- 11:00~売切れ次第終了
- 休み
- 水曜 ※不定休あり
- 駐車場
- なし
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