※閉店しました。

本拠地は福岡市博多区。トンコツラーメン専門店として福岡県下を中心に国内各地はもちろん、海外にも精力的に展開している『博多一幸舎』の名前は聞いていました。

日本はおろか、世界を視野にトンコツ文化を広めるべく店舗を拡大している店が、ついに岡山にも…と聞いてワタクシは狂喜乱舞。財布に貯まったラーメンの割引券を、皆に一方的に振舞うなどの「ひとりまつり」を敢行。なんせ「博多のオピニオン・リーダー」が満を持しての岡山登場ですぜ、旦那。しかも交通の要衝・岡山の心臓部的なＪＲ岡山駅への出店とは！ジャカルタやシンガポールまで進出したラーメンとは一体どんなものか？　ワールドワイド店舗の岡山登場に幻想は高まる一方です。まじで。

JR岡山駅に降り立ち1Fにある店を訪ねて驚愕！「店舗と呼ぶには開放的過ぎ、屋台と呼ぶには形状との辻褄が合わない」のです！早速15歳で入社し青春時代をこの店でトンコツラーメンに賭けてきたという、生粋の博多っ子・西村店長に話を伺うことに。「あのう、このお店、壁がないんですけど…」。「本場の活気を、オープンに出して行きたいんですよ」。なるほど、確かに来客のたびに「いらっしゃいませ！」の声がフロアに響き渡ってます。にしてもすごい格好ですね。聞けば国内外全店舗で唯一、特注の真紅の作務衣だとか。まさに「灼熱の紅い店長」。人柄も気さくで「この店の宝です」と同席した橋本エリアマネージャーも目を細め「こんな21歳いないですよ！」と。2、21歳!?

豚骨の「ラーメン」750円。乳化が強い絶妙なバランスで成り立ったスープは、濃厚でクリーミー。油に頼らず、素材である骨の味を押し出しているので、後味がスッキリするそうです。継ぎ足しを重ねる「呼び戻し」という独自の製法で、素材本来が持つ旨みを引き出して、甘みすら感じることが出来るとか。う、うん、確かにほの甘い感じがします。いまやラーメン界のカリスマとも称される、吉村幸助氏が試行錯誤を重ねて生み出した一杯は、日本だけにとどまらず、世界でも評価が高いそう。「世界でも評価される秘訣は何ですか？」「必ず博多から店舗に人財を配置して、現地任せにしないことでしょう。経営理念も日本語で唱和しますから」。『一幸舎イズム』が海を渡ったと！

「あ、これを食べて欲しいんですよ。創業者の吉村は餃子職人だったんですから」。あ、これは見覚えがある。博多のもうひとつの名物「一口餃子」5個250円。「本場の専門店にも負けないですよ」という自信たっぷりの視線を浴びながら一口。う、なんじゃこりゃ。パリッパリの皮の中は、ジュワーっとジューシー。これを毎日毎日、手作りしてるんですか？そして博多といえばの「明太子ご飯」300円。名店「ふくや」から直送される明太子を丸くして贅沢に盛った一品です。それにしても、店長。服装も真紅ですけど、心の中も激アツですね？さっきから、しきりにお客さんへの目配りを忘れないし。「目配り、気配り、心配りですね。岡山の人に、とにかく愛して欲しいですから」やっぱ熱いわ。

ほかのスタッフの対応もいい！今どき、14席の店でこれだけの人数はなかなかないですよ。しかもレベルが高い！「博多からスタッフが来てますし、地元のスタッフにも『博多の心意気』を伝えています」。博多の心意気って何？「郷土の誇りです。それは岡山の人も同じでしょうけど、博多は特に意識が強いんです！また博多弁で『のぼせる』って言うんですが、集中するとか、手を抜かないとか、そういうことですかね」。なるほど。「逆に岡山のことは我々は分からないから教わることが多いですね。岡山人の好みとか。ニオイについてとかね。すごく参考になるんです。カウンターだけで対面式ですから、お客さんにも気軽に声をかけてもらって、いろいろお話を聞きたいですね」。

岡山で多くの人と親交を深め、「岡山にある本場博多のラーメン店」になっていくのでしょう。ビリー・ザ・キッドと同い年のヤングガン、「紅い店長」とお店の将来に期待大！

「岡山の人にも愛してもらいたい」。博多モンの心意気を感じるばい！

発祥は福岡市の「大名本家」。九州発のラーメン店が、シンガポール、中国、オーストラリア、アメリカなど世界8カ国を舞台に、熱い一杯を毎日多くの人々に届けている。麺は歯ごたえのある細平麺を使用。自社工場による自家製麺のため、スープとの相性は疑いようがない。博多でもラーメン界を牽引するオピニオン・リーダー的な存在として認知度も高く、「岡山駅前店」にも出張がてら立ち寄る人も多いとか。気軽に入れる、オープンスペースの強みを生かした店作りを心がけており、「人・店・味と、岡山の人に愛される店を目指してやっていきたい。そういう気持ちだけはスタッフ全員がブレてはいけない」と、やっぱり紅い店長はやたらと熱い。博多っ子万歳！

＜消費税率の変更にともなう表記価格についてのご注意＞