出会いはイベントだった…。『コンベックス岡山』に出店していた、とあるラーメン店の味わいに衝撃を感じたワタクシ。笠岡に店舗があるのに『尾道風ラーメン』? これは是が非でも現地に出向いて食べねばなりますまい。今回は笠岡市にあって、いわゆる『笠岡ラーメン』を提供しない、反骨精神あふれるラーメン店に突撃しました!
聞けばオープンは今年の2月だという『せとちゃんらーめん 笠岡店』は、笠岡市の北部に位置する。中心部ではないのも、「穴場」的なにおいがプンプンとする。早速「せとちゃんらーめん」と「半チャーハン」のセット(800円)が登場!(単品は「らーめん」600円、「半チャーハン」450円) これ、これ! この背脂に会いたかった! 濃い色なのに塩辛くないスープは鶏&魚介ベース。これが中細麺によく絡む! 平麺が多い尾道風ともまた違った味わいは、独自の旨みとコクで満足中枢?を刺激してくれる! 一緒に頼んだ「ぎょうざ」300円(ラーメンとセットで+200円、ご飯付)も手作りで、旨い!
まだまだ暑い日が続くこの季節に食べたいのが、季節限定メニューの「ざるらーめん」600円。しっかりと冷えた麺の傍らには、チクワの磯辺揚げがトッピングされ、薬味としてネギやメンマ、ゴマなどが投入されるのをスタンバっている。特筆すべきは付けダシで、ラーメンの返しをベースにして、魚介ダシで割っているという。ありきたりな表現だが、濃厚ではあるがしつこくない。まさに暑くて食欲のない日にはうってつけなのである。追加のザルが1枚200円と、ワンコそば的な発想の麺増量展開も面白い。うん。
「鶏と魚介がベースですが『笠岡ラーメン』とは違うものにしたい」と店長の高山さん。横浜出身で、家系ラーメンを食べて育ち、趣味のラーメン行脚を続けているうちに今の味わいにたどり着いたのだという。「おっしゃる通り、尾道風ではあるんですが、それとも違いますね。もっと違うものを創り出したいですよ」と笑う。オーナーの意見や、1号店である久世店の味わいも参考にしながらも、独自のスープの採り方を工夫をするなど、取り組みの姿勢には余念がない。そのバックボーンには「家系」を食べて育ち、「レストラン」で修行を重ねたという、なんとも意外なスタイルが見え隠れしていた!
この高山店長。実は岡山市内の有名レストランで料理長をしていた腕前を持ち、オーナーに見込まれて店を任されているのだという。その証拠に、この店の名物「手作りデザート」各250円は、すべて店長が自らの経験をベースに生み出したもの。これはちょっと普通のラーメン店で味わえる代物ではない! 手前の杏仁豆腐はフルーティな味わいが評判で、奥のクリームブリュレは数量限定の希少品。これに手作りヨーグルトとコーヒーを加えた「手作りデザートセット」は400円。女性客が多いのも納得だ!
この週末は、少し足を伸ばして笠岡まで出かけてみては? また、「久世店」は違った味わいだというので、是が非でも、エクスプロールを敢行してみたい所存であります。
「シェフ」が腕を振るう、笠岡の穴場的な本格ラーメン店。
真庭市久世に1号店を持ち、2号店として開店し約半年。確かな料理人の腕前と味わいで、その実力を知らしめてきている1軒。スープ作りには特にこだわり、鶏ガラを6時間炊き出したあと、5種類の野菜や干しシイタケに魚介を加えるという。雑味を取るための丁寧な作業は、生粋の料理人ならではの業だと言えるだろう。店内には感じのよい「お姉さんスタッフ」たちの笑顔と声であふれており、居心地がいい。フロアはテーブル席がメインだが、奥には広い座敷席もあり、家族連れも気軽に立ち寄れるほか、なんと事前予約で宴会も可能。焼肉用の無煙ロースターや、鉄板が付いている席もあるなど、多彩なニーズに答えてくれる…ってここ、本当にラーメン店?
Information
せとちゃんらーめん 笠岡店
- 住所
- 笠岡市吉田67‐2
- 電話番号
- 0865-69-5454
- 営業時間
- 11:00~OS20:00
- 休み
- 火曜
- 席数
- 38席
- 駐車場
- 12台