「やみつきになる一杯」という表現は、使い古された常套句すぎて普段使わないワタクシですが、ここに限っては別っ! 本当に「やみつき」にも程があり過ぎな味なのです。
出合いは2008年。敬愛する方より「知り合いがオープンさせた店だよ!」と紹介されて、当時セントラルビルの地下2階にあった店舗へ足を運んだのですが、そのときの衝撃たるや! すでに広島で「汁なし担担麺」は食べたことはありましたが、辛いのが苦手なので、そのときはさほどでもなかったのです。なので余計に感動しましたね。そのうち北区田中に店舗ができ、ほどなく完全移転。向かいのパン屋さんとともに、駐車場から車があふれる人気店へと成長されました。あるレビュアーさんの発言によると「数多(あまた)の『ラーメンラヴァー』が集う店」とか。「ラヴァー」て何? 卓球用語ですか? でも確かに熱狂的「ラヴァー」が多いことは事実。この味わいの前には最初、店名に感じた違和感も消え去り、「『虎ぼるた』以外の名前はイメージできない」ほどに定着しました。ハリウッドセレブなチャーリー・○ーンが食せばたちまち、「タイガァー・ブラァァァッド!」と絶叫すること確実の「毎秒ごとに勝ち続けている店」と言えるでしょう(意味は各自調査)。とにかく久々にお話を聞くためにお店にお邪魔してきましたよ。
お店に到着。「いらっしゃいませ!」と元気のいいかわいらしい声が。向かって左が石浦さん。店長を補佐する頼もしいベテランさんです。そして右が香川さん。まだ入ったばかりで「研修中」の名札が初々しいです。ところで「女子が人生で一度は言ってみたいセリフランキング」第1位が「あーあ。なんでこんなヤツ好きになっちゃったんだろう…」に決定したように(大盛りアニキ調べ&認定)、「何でこんなに好きになっちゃったんだろう」と思わせてくれるのがここの味だと思うんですが、石浦さんはこのお店のどこがオススメですか? 「全部ですね」。さすがはベテラン。模範的回答です。新人の香川さんは? 「オシャレな雰囲気ですかねー」。そうですねー。「あ!」なんでしょうか、石浦さん。「私は『和え麺』650円が好きなんです」。気が合いますね、ワタクシもそうなんです。「辛くない汁なし和え麺」をあえて「辛口」+50円にするのがたまらんのんです。よね? 「た、たまにいらっしゃいます。そういう方」。少数派ですか。分かりました(笑)
看板の「汁なし担担麺」650円に、「温玉」100円をトッピングですね。ワイルドに混ぜちゃってください。この黄味の具合がたまりませんね。しっかり混ざったのでいただきます。これは「冷」ですね、香川さん。「これからの季節は特にですが、私は絶対に『冷』がおすすめです。いつもこればかりオーダーされる方も多くて」。ワタクシはいつも「温」なので新鮮です。麺が引き締まっていて印象がまったく違いますね。「やみつきの素」と勝手に呼んでいる、辛味の「麻」と「辣」(いずれも中国の香辛料)も引き立ってる感じです。「『冷』と『温』には大きな違いがあるんですよ」。え? 冷やすか、そのままかだけの違いでしょ? 「『冷』には自家製のトマトソースを底に加えてあるんです」。本当だ。これ、ずっとですか?(遠くでうなずく店長とベテラン石浦さん) 皆さんこれって気付かれてました? しっかり混ぜ込むからか、意識しませんでした。でも、言われてみると風味がきいている気がします。「辛さは『辛口』+50円、『大辛』+100円、『激辛』+150円があって、料金同じで『辛さ控えめ』もできるんですよ」。それも初耳でした!
「こちらは『汁なしパーコー担担麺』950円です」。石浦さん、いわゆるデラックスバージョンですね。「豚肉の中華風天ぷらの『パーコー』が上に載っているんです」。これまた大きくて肉厚ですね。ロース肉ですか? 「まあ、食べてみてください」。衣にしっかり味がついていて、パリッパリじゃないですか。中のお肉がさらにおいしいですね。上の肉に夢中で麺を混ぜるタイミングがつかめせんよ(笑)。これは「温」にしてもらいましたけど、やっぱり「別物か!」ってくらいに「冷」とは違いますね。パーコーがあつあつなので「温」のみですか? 「いえ、こちらも『冷』もご用意しています」。パーコーとトマトソースの相性がよさそうですね。「どちらかというと『ガッツリ系』です。男性の方がよく召し上がられますね」。そうでしょうね。ガッツリ系といえば、いつもワタクシは「大盛り」+150円を頼みます。「『麺の大盛』のほかにも、『肉大盛』+100円とか、『ネギ大盛』+100円。あと『タレ多め(1.5倍)』+100円もご用意していますから、お好みの盛り付けにしていただきたいですね」。カスタマイズできるんですね。「俺仕様」的な(笑)。
引き続いて石浦さん。サイドメニューも人気が高いですね。「はい、これは『黒酢の酢豚』450円です。セットにすると、『汁なし担担麺』に『ライス』がついて1150円です」。セットものが多いですね。「そうですね。から揚げにユーリンチー(油林鶏)ソースをかけた『鶏の唐揚げ 油林鶏ソース』は単品が350円で、セットが1050円です。香川さんがこれが大好きで」。なるほど香川さん推しと。「ほかに、先ほどのパーコーをご飯の上に載せてデミソースをかけた『デミパーコー丼』というのもあって、こちらは500円です」。これまたおいしそうですね。ご飯には絶対に合うと思いますよ。そういえば、今でこそこのお店のおかげで岡山でも一般的になりましたけど、「汁なし」の担担麺って当初は珍しかったんですよ。「そうみたいですね。発祥の中国では元々担担麺には汁がなかったそうで。その発想に様々な香辛料や薬味、具材を加えて完成させたんです」。あと、この店名については? ジョン…。「レノンですか?」。そうですよね。世代がバレますね。最後におふたりで声を合わせてお願いします。「ご来店お待ちしてまーす」。
「一度食べるとやみつきになる担担麺」は、色んなバリエーションやトッピングで、今日も大人気でした。食べたことのない方。辛くないのもあるのでぜひ足を運んでください。
目指せ「備前国名物」の座! 倉庫を改装した「汁なし担担麺」の店。
岡山で最初に「汁なし担担麺の専門店」としてオープンしたといわれる繁盛店。住宅街の分かりにくい場所にあるが、お店を探すところから楽しみが始まっていると言える。自慢の「汁なし担担麺」をおいしく食べるコツは、とにかくよく混ぜることだという。底に入っているタレとその上の麺、さらに上に載せられたミンチやネギと絡まって、素敵なアンサンブルが奏でられることうけあいだ。会計時には次回使えるクーポン券が配られており(2017年6月現在)、次回これを持参すれば注文時に提示で「ミニ杏仁豆富」または「温玉」もしくは「ミニアイス」のいずれかをひとりひとつ。1枚でなんと4名までサービスされる。しかも、初来店でクーポンを持っていない場合も、テーブルに置いてあるポップのバーコードをスマホなどで読み込ませてLINEに登録すると同じサービスが受けられる太っ腹ぶりだ。ファミリーでも来れるように辛くないメニューや、チャイルドシートが用意してあるのもうれしいサービスだ。もちろん、カップルや会社&学校の仲間、おひとりさまでも立ち寄りやすい。
Information
備前 汁なし担担麺 虎ぼるた
- 住所
- 岡山市北区田中111-107 [MAP]
- 電話番号
- 086-238-0970
- 営業時間
- 11:00~15:00/17:30~22:00(OS21:30) ※土、日曜・祝日は11:00~22:00(OS21:30)
- 休み
- 水曜
- 席数
- 40席
- 駐車場
- 14台