岡山メルパ 福武 孝之館長
映画業界20年、老舗映画館を切り盛りする名物館長。映画が持つ「観ることで、自分の世界が広がる」魅力を広めるべく、多彩なイベントを展開。ジャンルや制作者にこだわらない、テキトーな鑑賞が映画愛を高める秘けつだとか。
Blank13
コメディからシリアス、そしてアクション、ラブストーリーなどあらゆるジャンルの作品に出演し、振り幅の広い演技と溢れ出る大人の色気で観る者を虜にする稀有な俳優・斎藤工。クリエーターとしては”齊藤工”名義で、映画監督、写真家、映画情報番組のMC、コラムニストなど精力的に活動を展開。映画愛溢れる齊藤監督が初めて放つ長編作品、それが本作、家族の物語『blank13』である。
<STORY>
ギャンブルに溺れ、借金を残して蒸発し、13年間音信不通だった父が余命3カ月で見つかった。母と兄は見舞いを拒否したが、コウジは子供の頃キャッチボールをしてくれた優しい父を思い、入院先を訪ねる。しかし金を工面している父の姿に失望し、家族の溝は埋まらないまま、父はこの世を去った。葬式に参列するのは、数少ない友人たち。彼らが語る父のエピソードによってコウジは家族の誰も知らなかった父の真実を知り、13年間の空白が少しずつ埋まっていく……。
齊藤監督は役者陣に「セリフの丸暗記は不要」と伝え、役者陣はそれぞれの役を理解したうえで、アドリブ演技を披露。回想シーンを多用しつつ、家族の歴史が紐解かれていく前半パートに対し、ライブ感あふれ、何が飛び出すかわからないアドリブ全開の後半パート。そのふたつを見事に融合させた齊藤監督には、すでに熟練味すら感じさせる確かな手腕があり、さらに役者を大胆なまでに信じる演出、登場人物たちを見つめる温かい目線には映画愛を感じる。そして何よりも、映画はもちろん観客への愛とリスペクト精神が、この映画をとびきり魅力的で奥深いものにし、忘れがたい余韻を残す。真摯に丁寧に、ユーモアと想像力を忘れずに作られたこの珠玉の作品は、あなたの人生を、家族との関係を、ほんの少し変えるかもしれない――。
<公開情報>
ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル
謎のボードゲーム(すごろく)をはじめたら、ゲームの中の出来事が現実に起る! あがる(ゴール)までやめることはできない! ロビン・ウィリアムズらが出演した奇想天外な前シリーズ『ジュマンジ』(1996年)に続く物語が展開するアドベンチャー。今回は学校の地下室で見つけた奇妙なビデオゲームの世界に入り込んでしまった高校生たちの運命を描く。
<STORY>
学校の地下室で居残りをさせられていた高校生4人。『ジュマンジ』という名前のソフトが入った古いテレビゲーム機を偶然にも発見する。プレイするキャラクターを選択した途端、4人はそれぞれのキャラクターの体=アバターとなってゲームの中の世界に入り込んでしまったぁぁぁぁ!!! しかも、そこはジャングル! しかも、現実世界の自分とは性格も体格も性別までも違う自分にボディ・スイッチングしてしまう! このゲームを攻略しなければ、永遠にゲームの中に閉じ込められる。果たして彼らは、生きて現実世界に帰ることができるのか―!?
今回はテレビゲームの世界へという設定がちょっと遅れた現代的で面白い! 自分が別人キャラになってライフは3つ! まさにテレビゲーム世代にはツボ!キャストは『カリフォルニア・ダウン』『ワイルド・スピード』などのドウェイン・ジョンソン、『スクール・オブ・ロック』などのジャック・ブラックと超一流!!
さあ、迷わずスタートボタンを押そう!
<公開情報>
ダウンサイズ
一度しかない人生、もし大金持ちで大豪邸に住めるチャンスがあるとしたらあなたはどうする? そんな全人類の『夢』を、ユニークなアイデアと圧倒的なリアリティで描く本作は、全世界が賞賛した傑作となった。
<STORY>
人口が増え続け、住みづらくなってしまった地球。科学の進化によって、なんと人間を14分の1に縮小する技術が発見された。ネブラスカ州オマハに住む、いたって平凡な夫婦、ポール(マット・デイモン)と妻オードリー(クリステン・ウィグ)。低収入でストレスの多い日々を送るふたりは、大金持ちで、大豪邸に住めるダウンサイズされた世界に希望を抱き、13cmになる決意をする。
しかし、ミニチュア化したポールに待ち受けるのは予想外の人生だった…。
主演は、”普通の男”を演じさせたら世界一のマット・デイモン。『オデッセイ』(15)で火星からの奇跡的生還を果たした彼が次に挑むのは、13㎝の手のひらサイズになって、ミニチュアの世界に飛び込んでいくこと! 誰もがこの窮屈な時代の生きづらさを痛感しているのではないか!? そんな現代社会に苦しむ”あなた”にこそ観てほしい。
自分だけの幸せの価値を教えてくれる傑作がここに誕生した。