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つまんない映画なんてない!

つまんない映画なんてない! vol.36

拝啓、岡田准一 様

  • 情報掲載日:2016.11.30
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

岡山メルパ 福武 孝之館長
映画業界20年、老舗映画館を切り盛りする名物館長。映画が持つ「観ることで、自分の世界が広がる」魅力を広めるべく、多彩なイベントを展開。ジャンルや制作者にこだわらない、テキトーな鑑賞が映画愛を高める秘訣。映画が好き過ぎて、あこがれのターミネーターに変身。特殊メイクがんばりました!

「拝啓、岡田准一 様」

今回は俳優:岡田准一さんの素晴らしさを語るコラムを書こうと思う。

しかしこれは同時にこのコラムの打ち切りを覚悟しなければいけないのだ。
なぜなら、俳優:岡田准一を褒めれば褒めるほど、「他は何やってんだ!」ということになる。
それはつまり、あのネット上に画像を載せてはいけない巨大事務所を怒らせてしまうかもしれないからである。

だから再度言いたい!
このコラムは俳優:岡田准一が素晴らしい!ということを書きたいのである。

12月10日(土)から待ちに待った新作『海賊とよばれた男』が公開される。
主演が岡田くんなら絶対に面白いと思ってしまう。観たい作品を役者で選ぶ方も多いと思うが、彼は今、役者の人気で観客を呼べる数少ないスターのひとりである。
もちろんアイドルの顔を持つ彼は、アイドルとしての人気で集客していると思われがちだが、映画はそれほど甘くはない。私は人気アイドルの映画が大コケしているのを大量に目撃してきた。出演者の力で映画館に足を運ばせることがいかに大変かを思い知らされてきたのである。私はアイドルでも歌手でもお笑い芸人でも、映画に俳優として出演することを否定しない。要は俳優として評価されるかどうかが重要で、何が本業かは関係ないのである。

その点で俳優:岡田准一はスゴイ! 確かな芝居や容姿の良さだけではない。プラスアルファがある。そのひとつは『SP』シリーズで見せたアクションだ。ハリウッドで使われる特殊な方式を採用し、本格的なアクションが展開された『SP』では、アクションスターとしての“本物”が要求された。そのための肉体改造たるや、もはやアイドルではなく、どこに向かっているのかわからない程の仕上がりだった。これは並大抵の努力ではない。きっと岡田くんは俳優業に目覚めたのだ! そして才能もあった。

なにより作品に向き合う真剣な姿勢が評価されているのだろう。真剣な人には真剣な人々が集まる。映画製作ではこれが最も重要と言っていいと思うのだが、ひとりで作れない映画では、素晴らしいスタッフをどれだけ集められるかが問題なのである。
最高のスタッフが結集して大ヒットした映画『永遠の0』、そしてそのスタッフが再結集して作られた映画『海賊とよばれた男』。もうひとつのプラスアルファの力は、この“再結集”というワードに隠されている。再結集すると言うことは、信頼関係があると言うことである。岡田くんは最高の映画スタッフに好かれているのだ!

私は、成功する俳優はプラスアルファの勝負だと常々思っている。 もちろん運が必要だが、幸運を呼び寄せるのはプラスアルファの力である。逆に言えば、プラスアルファがない俳優が成功するのは難しい。そしてアイドルとか芸人の肩書はプラスアルファにはカウントされないのである。なぜなら、俳優は劇中で役を演じるため、本人の持つ肩書は関係ないからだ。
必要なのは俳優としての+αと人柄である。

おっと! まるで岡田くん以外は現場でわがままを言っているみたいになっているが、そうではない。他にもたくさん俳優として評価されているアイドルはいる・・・はず。
さらに今の問題は、アイドル事務所ではなく、間取りみたいな社名の劇団の進出である。ある意味、見どころとなっている演技力は何を目指しているのだろう? こんな中での俳優:岡田准一の活躍を見逃してはいけない。

というわけで、このコラムもこれで最終回になるかもしれないが(編集部注:最終回ではありません)、“海賊とよばれたコラム”が最後に紹介した映画が『海賊とよばれた男』だったのは運命だったのかもしれない。


上映情報
『海賊とよばれた男』
原作:百田尚樹
監督・脚本・VFX:山崎貴
出演:岡田准一 吉岡秀隆 染谷将太 鈴木亮平 綾瀬はるか 堤真一 小林薫 ほか
12月10日(土)岡山メルパほかにてROADSHOW!!

岡山メルパ館長 福武孝之

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