暮らしのいいものをセレクトしている『ハレマチ特区365』と『オセラ』が、岡山をはじめとする瀬戸内の企業・団体・職人・作家など「ひと」に着目し、そこから生まれる魅力あふれる商品とその思いをご紹介します。
「作り手」たちの意外な視点や温かい思いを知ると見えてくる、商品の魅力、新しい世界。
笠岡市で創業70年を超える、日本茶の老舗『青山茶舗』。2010年、倉敷美観地区に、日本茶カフェ『互茶』をオープンし、そこで和小物のひとつとして手ぬぐいの販売を始めた。「一番最初に作ったのは、カブトガニの手ぬぐいです」と教えてくれたのは、企画を担当している青山典雅代表。「地元・笠岡にゆかりがあることももちろんですが、カブトガニは夫婦仲がよい生物として有名なんです。カブトガニのつがいをデザインし、夫婦の『愛』にかけて『藍』色で染めました。縁起がいいし、プレゼントしたときに話がはずみそうでしょう」とにっこり。その次に作ったというヒマワリ畑の手ぬぐいは、たくさんの花の中に「笑顔のヒマワリ」が隠れていたり、空の雲で「Smile」と書いてあったり、遊び心が随所に感じられる。「『ものづくり』とは、ものに付加価値やストーリーを吹き込むことだと思うんです。たとえばカブトガニのモチーフの意味や、隠れた「笑顔のヒマワリ」のことで、話が弾んで、愉しんでもらったとき、初めて僕の手ぬぐいは『完成』するんだと考えています」。
その後も、地元をモチーフにしたオリジナル手ぬぐいを数多く企画・製作。そのアイデアは、町を散歩中にひらめくことが多いという。たとえば定番人気シリーズ「クラシキチェック」は倉敷美観地区に立ち並ぶ町家の格子窓をデザイン化したもの。また「クラシキノソラ」は、店の近くの阿智神社へのお参り途中、石段でふと振り返ったときに眼下に広がっていた、美観地区の町並みと空の景色に感動し、生まれたという。2015年には、岡山県立大学デザイン学部の学生と連携した、ご当地手ぬぐい「おかてぬ」の販売を開始。また2017年には、手仕事がテーマの複合施設「クラシキクラフトワークビレッジ」を誕生させ『Gocha』としてリニューアル。倉敷美観地区が絵柄の手ぬぐい「くらしきさんぽ」に、ハンコを押してオリジナルの一枚を完成させるワークショップもスタートさせた。
「遊び心のある手ぬぐいを通じて、まずは使う人が笑顔になってほしい。そこから岡山に興味を持ち、魅力を知ってもらえたら…」。そんな思いが尽きないからこそ、青山代表の頭の中には、いつも新しい手ぬぐいの構想が生まれ続けるのだ。
青山典雅/くらし 器 てぬぐい Gocha
代表
青山典雅
あおやまのりまさ/1968年笠岡市生まれ、笠岡市在住
笠岡市で70年以上続く『青山茶舗』の4代目。2010年、倉敷美観地区に日本茶と和雑貨の『互茶』をオープン。手仕事をはじめとする、倉敷、岡山、日本の魅力的な「モノ」や「コト」を伝えたいとの思いから、2017年『くらし 器 てぬぐい Gocha』としてリニューアル。オリジナル手ぬぐい作り体験や、茶室でのお抹茶体験なども展開。
Information
くらし 器 てぬぐい Gocha
- 住所
- 倉敷市本町1-30『クラシキクラフトワークビレッジ』1階
- 電話番号
- 086-697-6515
- HP
- https://kurashiki-gocha.com/
ハレマチ特区365
『イオンモール岡山』の5階にある、晴れの国おかやまに息づく、ものづくりのスピリットを体感・体験できる空間。岡山県内を中心に、せとうちエリアの作家や職人、企業による雑貨、ウェア、ストックフード&器など、1000種類以上のアイテムをラインナップ。作家によるワークショップをほぼ毎日行なうスペースも常設。
Information
ハレマチ特区365
- 住所
- 岡山市北区下石井1-2-1 イオンモール岡山5階
- 電話番号
- 086-206-7204
- 営業時間
- 10:00~21:00
- 休み
- なし
- 駐車場
- 約2500台(有料)
- HP
- https://hare365.com/