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岡山魅力再発見!!

《今年50周年!! 水島臨海鉄道》記念の年に、改めて水島臨海鉄道について深堀り!【PR】

  • 情報掲載日:2020.10.22
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

あたりまえにある身近なあんなものやこんなものに、実はこんな歴史や理由があるのです…。
そんな身近にある何? なぜ?を調べます。

今年50周年!! 水島臨海鉄道

倉敷市民の通勤・通学の足となっている水島臨海鉄道。今年、営業開始50周年という記念の年でもあります。近くに住んでいる人も住んでいない人も「あまり水島臨海鉄道のこと知らない…」という人が多いのでは。そこで記念の年に、改めて水島臨海鉄道について深堀り!

もとは、水島の工場へ物資と労働者を運ぶために作られた鉄道だった。

今年営業開始50周年…。でも鉄道が敷かれたのは実は77年前。

昭和45年(1970年)に、国鉄(現JR)、倉敷市、岡山県、水島地区関係企業が出資し、第三セクターとして誕生した「水島臨海鉄道」。今年50周年という記念の年を迎えています。といっても、実はこの地に鉄道が敷かれたのはそれより前の昭和18年(1943年)。水島にあった旧三菱重工の工場に、従業員や工場で使う資材などを運ぶ専用鉄道として、今ある倉敷市駅から南西へ300mの場所より工場のある水島まで鉄道が敷かれました。なので、鉄道としての歴史は77年にもなります。臨海鉄道とは、その名のとおり海に臨む場所を終着地にする鉄道のことで、その名を有するほとんどが海沿いの工業地帯への資材の輸送を目的に作られています。乗客も輸送しているのは、全国では、我らが水島臨海鉄道と、茨城県の鹿島臨海鉄道の2つのみ。今でも売上比率は旅客4割強と貨物6割弱。全長10・4kmという短い路線ながら、70年以上にわたり地元の人の足として愛され続けている、貴重な鉄道なんですね。

なぜ愛称が「ピーポー」か。

「飛躍への情熱」を表す赤、「安全への決意」が込められた紺の2色が印象的な50周年記念車両

地元の人には「ピーポー」という愛称で呼ばれることが多い水島臨海鉄道。現在走っている汽車(ちなみにここの車両は電車ではなく、気動車なので汽車なのです)から「ピーポー」という音が出ている印象はありません…。話を聞くと、昭和21年から30年頃に小型の蒸気機関車が車両をけん引していて、その汽笛の音が「ピーポー」と実際に鳴っていたのだとか。そんな50年以上前の前の印象が今の愛称に受け継がれているんですね。社員の方に伺うと、今でも電車好きの小さな子どもにお母さんが「あれがピーポーだよ~」と声をかけている姿を見ることがあるとか。きっと子どもが親しみやすく呼びやすいということも、長く愛称が受け継がれている理由のひとつでしょうね。

知ってる? 水島臨海鉄道トリビア。

現在の場所から南西に300mの位置にあったという旧倉敷市駅の様子

ほかにも、聞くと「なるほど!」なトリビアを広報担当の方に聞きましたよ。たとえば駅名。「弥生」駅、「栄」駅、「常盤」駅と、名古屋の地名由来の駅名が多いのはご存じでしょうか。これは、水島臨海鉄道の前身である専用鉄道を敷設するきっかけになった旧三菱重工が水島にできたとき、名古屋の工場から転勤してきた社員が多かったからといわれています。故郷の名前を駅名にと、望郷の思いがこもった駅名なんですね。

また、線路が敷かれた場所は高梁川にゆかりが。もともと、高梁川には西高梁川と東高梁川の2つの流れがあり、水害が多かったため治水工事をした際、東高梁川が埋め立てられたのですが、その堤防があった位置に水島臨海鉄道が敷かれたといわれています。なぜなら周辺の埋め立て地と比べて、堤防があった場所は昔から土が盛られ地盤が比較的しっかりしていたから。なので、球場前駅から水島駅辺りまでの間では「この辺りに東高梁川が流れてたんだな…」と思いをはせてみてください。

全国の鉄道マニアも注目する車両や記念グッズをチェック!!

貴重なレトロ車両にも注目してみて。

扉が外側に付いている「キハ30」。気候のよい時期に使用されるので、この秋にも登場するかも

周辺住民でないとなかなか乗る機会がないかもしれない水島臨海鉄道。でもせっかく乗ったなら、特徴的な車両もぜひチェックしてみてください。ヒマワリの絵が描かれているオリジナル車両「MRT300」は、より多くの旅客を乗せられるよう通常より長い造り。そのほか、JRから譲り受けた年代物の車両が活用されています。中でも扉が外付けの「キハ30」は、今ではなかなか見られない車両。古いのでエアコンが付いておらず、気候のよい春秋時期に限定運行されています。

さらにもっと貴重なのが、貨物駅に保管されている車両「キハ205」。現存するのは全国でこの車両だけで、10月に開催される「鉄道の日」(今年は開催未定)をはじめとしたイベント時のみ公開され、全国から鉄道ファンが見学にやってくるといいます。特別に今回取材のために見学させていただきましたが、昔ながらのタバコ用灰皿、栓抜き、扇風機などが残っていて、昔の車両を知る人には懐かしい姿ですね。

50周年記念グッズもマニア垂ぜんの品。

保存されている「キハ205」の車内には、オルゴール付き車内放送マイク、旧国鉄ロゴ付き扇風機や灰皿、栓抜きなど、今では見られない貴重な付属品が残っている

今年は今の会社での営業開始50周年ということで、記念車両が登場し、記念グッズも販売されています。これが、マニアの心をくすぐるアイテムぞろいなんです!

まず、倉敷市と連携して制作された絵柄付きマンホール。今年7月から倉敷市駅付近、栄駅付近、水島駅付近の3カ所に設置されており、水島工業地帯を表す工場の絵とともに、それぞれ使用している気動車や機関車の柄が描かれています。栄駅の近くのマンホールには機関車の柄が描かれているのですが、それが現在使われていない機関車の型だったため、お披露目前に鉄道マニアに導入する機関車がばれてしまったという裏話も…。マニア恐るべし。水島駅付近のマンホールは、マンホールカードにもなっていて、月~土曜は水島駅で、日曜は倉敷市駅で配布されています。すでに2000枚以上配布された人気のマンホールカード。興味のある方はぜひGETしてみては。もちろん列車に乗ってですよ!

写真の栄駅付近のマンホールには、これから導入される機関車の図柄が。倉敷市駅付近にはオリジナル車両MRT、水島駅付近には旧国鉄車両「キハ205」が描かれたマンホールが。水島駅のマンホール柄はカードになって水島駅で配布中(日曜は倉敷市駅で配布)

また、昔のピーポーを知る人、そして鉄道マニアの心をくすぐるのが、50周年記念切符セット! セット内容は、路線で廃駅になった旅客駅、貨物駅の切符を含む硬券入場券16枚(硬券とは、昔改札ばさみでカットしてもらっていた時代のあれです)。一般の人が立ち入ることのできなかった、川鉄前駅や水島港駅などの今はなき貨物駅の入場券もセットなのが、マニアにはぐっとくるはず。さらに昔ながらの改札ばさみも付いたデラックスバージョンには、現役運転区長のサイン付き手袋も付いてくるとか。ファン度がすごい…! こちらは郵送販売もしているので、県外在住のマニアから注文が続々きているそう。いずれも倉敷市駅で販売しています。

貨物駅の貴重な硬券入場券もセットになった「営業開始50周年記念硬券入場券セット」1500円は倉敷市駅で販売

地元愛感じる土産品も気になる!

水島臨海鉄道「認定商品」は現在6種類。手前の『清正堂』の「ピーポーようかん」1個135円のほか、もなかや焼き菓子など、4店舗が認定されている。購入はそれぞれの店にて

沿線の飲食店では「ピーポー」をモチーフにした土産品が続々と開発され、販売されています。自社開発のほか、地元の小学校や高校との共同開発の品もあり、地元の人の思いが込められた品ばかりです。その先駆けともいえるのが、和菓子店『清正堂』が2009年から販売している水島臨海鉄道の車両を模した「ピーポーようかん」。店主にその思いを聞くと、「実際僕も高校時代に通学に使っていたなじみの列車。特に、パッケージにも使っている『キハ20』の朱色と黄色のツートンカラーが好きで、約70年前の創業当時から受け継がれる濃厚なようかんを使って土産に仕立てました」とのこと。常盤駅から徒歩2分という近さも魅力です。ほかの店でも列車をもなかにプリントした「みずりん最中」や、車両がパッケージに描かれた「懐かしい ピーポーぷりん」、おむすびを列車に見立てた「ピーポー弁当」などが販売されています。今年6月からは水島臨海鉄道からの認定制度もスタート。地元の人はもちろん、県外から来た鉄道マニアの土産として人気を博しているそうですよ。

取材をしていくと、水島臨海鉄道は鉄道マニアも満足させる奥深さと、地元の人による深い愛着が感じられる鉄道だと知ることができました。これからの水島臨海鉄道にも注目です!

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