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岡山魅力再発見!!

《出雲街道を歩いてみた。》歴史に紅葉スポットと、実際に歩くとさまざまな見どころ発見!

  • 情報掲載日:2021.11.27
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

あたりまえにある身近なあんなものやこんなものに、実はこんな歴史や理由があるのです…。
そんな身近にある何? なぜ?を調べます。

出雲街道を歩いてみた。

9月号で紹介した「法事パン」という食文化のルーツをはじめ、人、物、文化などを運んできた出雲街道。岡山県内では美作市から勝央町、津山市、真庭市、新庄村までを通っています。紅葉が美しい場所も多い出雲街道歩きを、秋にいかがですか?

出雲街道を歩いてみたくて。

まずは、街道の魅力を発信している「出雲街道 勝山宿の会」を訪ねてみる。

今回の取材のために同行いただいた「出雲街道 勝山宿の会」の皆さん。中央が会長の石川さん。平均年齢80歳以上というから驚き!

 出雲街道がそもそもどこにあるか、みなさん知っていますか? 国道181号線沿いをクルマで走らせていると「出雲街道」を記す木製の道しるべを見ることはありますが、実際はどこにあるか知らない私…。そこで詳しい人がいないかと調べてみると、いらっしゃいました、「出雲街道 勝山宿の会」という団体が! さっそく真庭市を訪れ、話を聞いてみることに。

 訪れたのは、勝山町並み保存地区にも近い、「出雲街道 勝山宿の会」の会長・石川さんのご自宅。おじゃますると、なんと5名もの会員の皆さんが集まってくださってました。結成されたのは2011年3月。地元にありながらよく知らない出雲街道を知ろうと、当初は3名で出雲街道のルートを調べることから始まったそうです。現場を歩いて調べていると、保存がうまくいってない場所や、なかには通れない道もあり、「この歴史遺産を後世に残していかなければ!」と、まずはルートを記した地図を作成。その後、春と秋に出雲街道を案内するツアー「出雲街道を歩く会」を企画し、現在も案内人として活動されています。時には藪に埋もれていた道の草刈りをし、整備することも。一般の人にも目印にしてもらえるよう、道しるべも設置。こつこつと出雲街道沿いの史跡を見つけて調べ、2015年には「出雲街道(1)ガイドブック」を刊行するほど探究を続けられています。ガイドブックを資料としていただきましたが、史跡のほか、出雲街道ゆかりの小説の話もあり、読み応えがある内容。そんな精力的な皆さんから、これから紅葉も楽しめそうな勝山宿から美甘宿の間でおすすめの場所を案内してもらいました。

会の皆さんで作成した「出雲街道(1)ガイドブック」と、街道の行程を動画で収録したDVD。撮影にはドローンも使用したとか。真庭市中央図書館で見ることができます

勝山から美甘まで歩いてみた。

街道沿いに残る貴重な史跡を探して。

本郷地区の住宅街の間を通る街道があった道に、「出雲街道」と書かれたマンホールを発見!

 聞くと、出雲街道の旧道がそのまま残っている場所は少なく、集落の間を通るアスファルトで舗装された生活道路になっていたり、消失している場所も多いよう。旧道はクルマ1台がやっと通れるくらいの細い道なので、すぐ近くにクルマが行き交える太い道が造られている場合が多くみられます。

 改めて旧道を案内してもらうと、人里離れた山の中を通っていたり、国道の脇にある山の崖の上に道があったりと、普段はお目にかかれない真庭の
風景を見ることができました。勝山から、次の大きな集落である神代に抜ける道も、初めて通る道ばかりで新鮮に感じました。途中には平成になって「出雲街道 勝山宿の会」が建立したという道しるべのほか、大日如来が刻まれた岩や石仏などを見ることができ、ここが出雲街道であることを実感。

 またアスファルトで舗装されている道には「出雲街道」の銘が刻まれたマンホールを見つけることもできますので、もし通る機会があったら探してみてくださいね。

道中には紅葉も美しい渓谷スポットが2つ。

 道中でおすすめのスポットをいくつか紹介してもらいました。まずは、神代にある「神代四季桜」。出雲街道は後醍醐天皇が隠岐に流される際に通った道なので、街道には後醍醐天皇に関する逸話が数多く残っていますが、この四季桜もゆかりの場所です。ここにあった茶屋の庭先のサクラの木に馬をつないだ際に馬があばれて咲いていたサクラが散り、おばあさんが怒ったので「四季に咲かせるようにしよう」と後醍醐天皇が言い、秋にも咲くようになったと伝えられています。

 その先には「竜宮岩」といわれる石灰岩が川の水によって浸食された渓谷があり、その道向かいにはうわさによると洞窟の穴が神庭の滝のあたりまでつながっているという「鬼の穴」があります。このあたりも紅葉スポット。もうひとつすすめられたのが、さらに先にある美甘渓谷。国道から逸れて寄水発電所に向かう途中の道の渓谷がおすすめで、発電所の横には、出雲街道が行き交っていた当時をしのばせる大日如来と供養塚、牛馬安全碑も残っています。

神代地内には広がる空と田園風景を眺めながら歩くことができる街道も
周りの木々が色づくとまた絶景な美甘渓谷も街道沿いに

旧街道らしい山道を少し歩いてみた。

 と、ここまで挙げたスポットは国道181号線沿いからでも行きやすい、出雲街道ゆかりの地。もっと「出雲街道を歩いた感」が欲しくて、「昔の面影が残っている旧道を教えてください!」と聞くと、湯谷から寄水をつなぐ山道を教えてくれました。国道181号線から「出雲街道出入口」と書いてある真庭市八反から山道へ入る道も気になるのですが、今は道が崩れている場所があるとのこと。なので、湯谷から寄水を「出雲街道 勝山宿の会」の皆さんに案内いただき、歩いてみることにしました。

 国道から逸れて坂道を少し上ると…ここにもありました、大日如来が刻まれた岩や石仏やほこら。その先を歩くと林道に入ります。「やっと森を歩ける…!」と思ったのもつかの間、崩落の場所があるので5分ほどで国道へ下りていくのですが、それでも当時の面影を残す道を歩けただけでも感激しました。

「湯谷」の案内板があるところから上っていくと、まず見つかるのが石仏たち。その先には待望の森が!

首切トンネルの上にも街道が!

 また、国道181号線を美甘方向へ走っているといつも気になっていた「首切トンネル」というちょっと怖い名前のトンネル。この上の首切峠にも街道が通っていたと聞き、歩いてみることに。途中は落石が多く、慎重に歩いていると、ここにも大日如来と供養塚。また牛馬の安全、つまり交通安全を祈念する牛滝明王塚もあるのが街道っぽいですね。ちなみにこの場所は古戦場でもあり、捕りょや罪人の首を切った地とされています。そういった歴史を知るのも街道歩きの魅力ですね。

「牛瀧明王牛馬安全」と書かれた石碑を発見!

「出雲街道を歩く会」を11月に開催。

街道を歩いてみたい人に朗報!

 今回は勝山から美甘までの街道の一部に立ち寄ったり歩いたりしましたが、「出雲街道 勝山宿の会」では一定の区間を通して歩く「出雲街道を歩く会」を定期的に企画されています。これを読んで、出雲街道歩きに興味がわいた人はぜひ参加してみてはいかがでしょうか。

Information

出雲街道を歩く会
問合せ
出雲街道 勝山宿の会(石川)
電話番号
090-7779-5776 ※要申込み。詳細はお問合せを

<消費税率の変更にともなう表記価格についてのご注意>

画像素材:PIXTA

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