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《特集・インタビュー・岡山大学病院》無理せず、自分のペースで、生活習慣を見直し!【睡眠障害】 【PR】

おかやまの病院2022[全県版]

  • 情報掲載日:2022.03.25
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

岡山大学病院

岡山大学病院
(写真左)
総合内科・総合診療科医員
櫻田泰江 先生
■専門医:日本精神神経学会精神科専門医
(写真右)
副病院長/総合内科・総合診療科長/教授
大塚文男 先生
■専門分野:内科学一般、内分泌学、下垂体、甲状腺、リウマチなど

コロナ禍で増える睡眠障害と後遺症による睡眠障害。

 不眠症とは、睡眠に対する不足感から身体的・精神的・社会的な支障を来している状態のことです。症状は寝つきが悪い「入眠障害」、途中で何度も目が覚める「中途覚醒」、朝早く目が覚める「早朝覚醒」、深く眠れない「熟眠障害」の4つのタイプに分類されますが、原因は実にさまざまです。特にコロナ禍ではストレスや孤立感、長引く外出自粛による生活リズムの乱れが睡眠障害を引き起こすケースも増えています。「ただ眠れないだけ」と軽く考える人もいるかもしれませんが、不眠はさまざまな病気のリスクファクターとなるため注意が必要です。糖尿病や高血圧、肥満といった生活習慣病のほか、一部のがんが出やすくなるという報告もあります。また、逆に生活習慣病などの疾患が不眠を引き起こすこともあるため、睡眠障害は、別の疾患の「原因」にも「結果」にもなり得ると言えるでしょう。いっぽう、コロナ感染後の後遺症状として出現する睡眠障害の発症率も比較的高く、症状もやや長く続く傾向があります。適切な治療で大抵は3カ月程度で改善していきます。

原因と症状に応じたきめ細やかな治療が不可欠。

 不眠症の治療は、他の疾患を伴っていないか、どのタイプなのか、コロナ感染後の後遺症によるものなのかによって、個別に対応していく必要があります。比較的軽度な不眠であれば生活習慣を正しく導くことで改善につながることもありますし、睡眠導入剤などの投薬が効果的なケースもあります。ただ、睡眠障害は他の疾患とのかかわりが深いため、睡眠障害だけを診ても本質的な治療にはつながりません。疾患のひとつとして睡眠障害の治療をしっかりと行いながら、同時に内科疾患や精神疾患など他の疾患の治療も行い、総合的に症状の改善を図ることが大切です。睡眠薬に抵抗感を持つ人もおられますが、適切に服用すれば他の疾患によい影響を及ぼすことも少なくありません。精神科を受診する患者さんの中には「くよくよしがちだったけど、薬を飲んでひと晩ぐっすり寝たらすっきりしました」とおっしゃる人もいらっしゃいます。

内科・総合診療科、またはコロナ後遺症外来へ相談を。

 睡眠障害はどの科に相談すればいいか迷われる人も多いのですが、まずはかかりつけの内科や総合診療科へご相談いただくとよいと思います。そこで他の疾患が隠れていないか注意深く診療し、症状に応じて生活指導や投薬を行った上で、必要ならば精神科や心療内科へつなぐこともあります。あるいはコロナ感染後の後遺症で脱毛や嗅覚・味覚障害などを伴う場合は、皮膚科や耳鼻咽喉科と連携することもあります。他の診療科や専門の医師と密に連携してより効果的な治療を行えるのも、大学病院である当院ならではです。また、昨年2月には全国に先駆けて「コロナ・アフターケア外来」を開設し、今年で1年を迎えました。同外来の受診は地域の病院・クリニックからの紹介を主体としていますが、一部、岡山市保健所からの予約も受け付けています。

日々の生活リズムや食事、服薬にも注意が必要。

 睡眠障害を回避するために家庭でできることもいくつかあるので、気になる人はぜひ取り組んでみてください。特に毎日定時に起きて朝日を浴びることはとても重要で、メラトニンと呼ばれるホルモンの分泌が正常化され、夜になると心身を睡眠に適した状態に導いてくれます。睡眠前のカフェインや刺激物の摂取を避けるのはもちろんのこと、常用薬にも注意が必要です。市販の風邪薬を含め睡眠に影響する成分が入った薬は案外多いので、不明な場合は医師や薬剤師に確認しておきましょう。それでも「最近よく眠れないな」、「寝つきが悪いな」という日が続くようなら、無理に我慢したりお酒でやり過ごしたりしないこと、放置して慢性化すれば他の疾患や心の病気を誘発する恐れもあるので、早めに医師に相談することが大切です。

岡山大学病院

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