製塩を中心に、化成品製造、不動産事業も展開。

創業は文政12（１８２９）年、児島郡味野村（現・倉敷市）の商人、野﨑武左衛門が拓いた塩田から。当初は潮の干満差と自然の日照を利用した「入浜式塩田」、昭和20年代後半には動力を用いて生産効率を高めた「流下式塩田」、そして現在の、電気エネルギーを用いて工業的に製造する「イオン膜濃縮製塩法」に至るまで、常に新しい製塩技術の研究・導入に努め事業を拡大させてきた。食用や工業用の塩だけでなく、高い純度が求められる医薬品原料塩についても、いち早くニーズをつかんでハイレベルな生産体制を整え、より高品質・高付加価値な製品づくりを行っている。
昭和16年からは、製塩技術を基に、海水のさらなる利用価値を求めて化成品事業に進出。肥料や工業薬品・医薬品・食品添加物等に用いられる各種マグネシウム製品を製造している。さらには本社周辺の広大な塩田跡地を利用して不動産開発事業も行う。現在はこの『ナイカイ塩業』を中核に、総合建設業・機械プラント事業・製袋・製品包装及び輸送などさまざまな事業を担うグループ企業を加えた『ナイカイグループ』を形成し、幅広い方面から地域の人々の暮らしを支えている。

穏やかで安定した職場環境が最大の魅力。

「『働き方改革』という言葉が生まれて久しいですが、当社は改革するまでもなく、昔から当たり前に定時退社が根付いているんですよ」と語るのは、管理部の國西課長。３交代勤務の製造職を除き、ほとんどの社員が定時の17時に業務を終える。土・日曜、祝日の休みはもちろん、お盆と年末年始には１週間程度のまとまった休暇があり、有給休暇も非常に取りやすい。また本社工場の広大な敷地内には、体育館や野球場を完備。トレーニングジムもあり、昼休みや退勤後にひと汗かいてリフレッシュする社員も多い。転勤がなく、希望者は社宅や独身寮に低額で入居できる。オフタイムも充実させながら長く安心して働ける環境が整っており、社員の平均年齢は41歳、平均勤続年齢21年で、離職者がきわめて少なく、ほとんどの社員が定年まで勤務を続けられている。
社内の雰囲気も伝統的に穏やかで、部署や年代を超えて良好な人間関係が築かれている。「昔はほとんどの社員が地元出身で、親戚や知り合いが社内に大勢いる状態だったからか、お互いに自然と助け合う家族的な社風が生まれています。今でも家族２代、３代でここの社員という人は珍しくなく、子どもや孫を入社させたいと思える職場であるということが、何よりも働く環境のよさを物語っていますよね」と、國西課長はにこやかに話す。
人々の暮らしに欠かすことのできない「塩」。２００年近くにわたり途切れることなくこれを供給し続けてきた歴史が、揺るぎない安定した企業風土を作っている。

会社の魅力 Pick up!

Topics! 旧野﨑家住宅

創業地の倉敷市児島に創業者・野﨑武左衛門が江戸期に築いた邸宅は、国指定重要文化財『旧野﨑家住宅』として往時のまま保存されている。約3000坪の敷地にある書院や座敷などの建築物と、美しい庭園は見もの。展示館では製塩業の歴史を学べる。