Mission_74/クリーム、ジャム、アイスにディップ。『café BISCUIT(カフェ ビスキュイ)』でシガーフライの名バイプレイヤーを探せ!
岡山っ子のソウル菓子、『梶谷のシガーフライ』の魅力を再認識。
こんにちは。『まかせてちょ~査団』の団長Mです。
お菓子市場も百花繚乱で、今やドラッグストアに書店、雑貨店にまでお菓子売り場がある時代。メーカーからは毎年多くの新商品が登場していますが、その一方で、発売当時から変わらず売れ続けているロングセラー商品もたくさんあります。
中でも、岡山県民にとってのロングセラーといえば、このお菓子ではないでしょうか?
こちら、「梶谷のシガーフライ」です。岡山っ子にとってはおなじみですよね。
シガーフライは、岡山の老舗企業『梶谷食品』が製造・販売するビスケット菓子です。
昭和レトロなパッケージに包まれているのは、褐色の焼き色が美しいスティック状のビスケット。中身が見える透明袋は、封を空けずとも商品の本質がそのまま伝わります。
一度でもシガーフライを味わったことがある人なら、写真を通じてあの食感と風味がよみがえってくるはず!
そう、シガーフライといえばサクサクの軽やかな食感に、甘味と塩気、香ばしさが程よくミックスされた素朴な味わいが特徴です。「食べ始めると止まらない」というやみつき感で、岡山のソウルフードとして愛され続けています。
もうひとつ、もうひとつと手が伸びて、いつの間にか袋の中が空っぽになっている…そんな依存度高めの魔力を持つ「シガーフライ」。そのまま食べても十分においしいお菓子なんですが、シンプルなだけにいろんな味わい方ができるのも大きな魅力です。
団長Mも、シガーフライをこよなく愛する岡山県民のひとり。最近はいろいろなものにディップする食べ方にハマっています。
写真はピーナツクリームとクリームチーズ、そして、いちごヨーグルト。
ピーナツクリームは甘味がなじんで生地のサクサク感が引き立ち、クリームチーズはおつまみにもなるハズレなしのおいしさ。ヨーグルトはプレーンかフルーツソース入りを選び、香ばしさと爽やかさの味変を楽しんでいます。
昭和、平成、令和の時代を超えて愛されてきたシガーフライ。その魅力を再認識している今日この頃ですが、数十年も食べていながらシガーフライについて何も知らないことに気づかされました。
そもそもあの味はどうやって生まれるの? もっとおいしい味の組み合せがあるんじゃないの?
というわけで、シガーフライのおいしさの秘密と知られざるストーリーを求めて、倉敷美観地区にある『梶谷食品』のアンテナショップを訪ねてみることにしました。
絶妙な甘さと塩味、サクサクの食感。止まらない秘密は製法とサイズにあった!
お話をお聞きしたのは、『梶谷食品』の事業本部長を務める角南さんと、『café BISCUIT(カフェ ビスキュイ)』店長の喜種さん。シガーフライの魅力を知り尽くすおふたりです!
まずは角南さん、シガーフライが誕生したきっかけを教えてください。
「『梶谷食品』の前身は、戦争が終わる1年前の1944 年に創業した『梶谷乾パン工場』です」
元々は乾パンを製造する会社だったんですね!
「将来的なビスケットの需要を見越したと思われますが、1950年に『梶谷ビスケット』に変更し、1957年に今の『梶谷食品』の社名になりました。
『シガーフライ』が誕生したのは 1950年代初頭頃と言われています。販売されてから 65 年以上は経ちますね」
そんなに長い歴史があったとは! 「シガーフライ」という名前の由来が気になります。
「『シガー』は葉巻きタバコのことですが、開発当時は『シガレットチョコ』というタバコ風のお菓子が人気を集めていました。そこからヒントを得て作った焼菓子なので、『シガーフライ』という名前になったそうです」
確かに、子どもの頃は大人の真似をして、シガーフライをタバコ持ちして食べていた記憶があります。
「ちなみに、フライと言っても揚げていないんです」
シガーフライの軽い口当たりと香ばしさは、ほんのり油っぽさがあるからこそ。てっきり揚げていると思い込んでました。
「揚げるのではなく、オーブンで焼き上げた熱々の生地に高温の油をかけています。カリっとした食感を出すためには焼き方も重要で、焦げる一歩手前のギリギリの状態を攻めていますね」
なるほど! 高温でしっかりと焼き上げているからこそ、あの香ばしさと食感に仕上がるのですね。
「こねた生地は薄く伸ばし、折りたたんで4層の生地にします。重ね合わせることで生地の風味が引き立ち、サクサクとした軽快な食感が生まれます。元の生地は一つひとつ型抜きして作るので、両端がへこんで丸い形になるんです」
型抜きした生地はオーブンで焼かれ、余った生地は元の工程へ逆戻り。次の生地にまとめなおして無駄なく使われていくそうです。
「1個の大きさも重要です。小さいと食感が物足りませんし、大きすぎると食べにくくて生地がぽろぽろと落ち、1個で満足してしまう。ちょうどよいサイズ感も、手が止まらない理由のひとつですね」
こちらは『café BISCUIT(カフェ ビスキュイ)』で販売されているビスケットの製造風景。『梶谷食品』では、薄焼きビスケットやバタークラッカーなどいろいろな焼菓子を作っています。
「独自の製法以外にも、できるだけ在庫を抱えず新しい商品を出荷できる生産体制を心がけています。せっかくなら、焼き立ての味を楽しんでいただきたいですから」
シガーフライは内容量ごとに4サイズの商品を展開していますが、スーパーでよく見かけるのは174g入り。実は岡山県警とコラボした「詐欺被害防止パッケージ」というレアなパッケージも作っているんです。
「詐欺にだまされちゃーおえんよ!」という岡山弁のキャッチコピーで、シガーフライのファンが多いシニア層に向けて啓発を行っています。現在も少数ながら販売されているそうですよ。見つけたらぜひ手に入れたいですね!
変わらぬ味がオシャレに進化。アンテナショップ『café BISCUIT(カフェ ビスキュイ)』の商品をチェック。
シガーフライについてのお話を聞いた後は、喜種店長に『café BISCUIT(カフェ ビスキュイ)』をご案内していただきました。
倉敷美観地区にある『café BISCUIT(カフェ ビスキュイ)』は、『梶谷食品』が初めて手掛けたアンテナショップです。倉敷川沿いにある町家をリノベーションした複合施設『クラシキ庭苑』の入口にあり、観光の立ち寄りスポットとして人気を集めています。
店内もパッケージもオシャレ! 直売店ならではのオリジナル商品がそろい、カフェやランチにぴったりのメニューも充実しています。
喜種店長、おすすめの商品を教えてください。
「店内には、シガーフライをはじめ『梶谷食品』のビスケット4種類をさまざまなパッケージで展開しています。手ごろな値段とサイズのクラフト袋入りは人気が高いですね。シガーフライはもちろん、岡山県産蒜山ジャージー牛乳を使用した『ミルクビスケット(300円)』もおすすめですよ」
ミルクビスケットには油と塩を使わず、シガーフライとは異なる口どけが魅力。ジャージー牛乳の甘さが溶け込んだ優しい味わいは、お子さんのおやつとしても大人気だそう。
「瓶入りは密閉できるので保存に最適です。大容量なのでご自宅用に買われる方も多いですよ」
『梶谷食品』のビスケット専用ボトルとして常備しておけば、袋入りを移し替えて無限にリピートできるわけですね。飾るとシガーフライがオシャレなアイテムに早変わり。保存といいながら、あっという間になくなってしまいそう。
中身が割れにくい缶入りや、持ちやすいキャリーパック、4種類のビスケットがそろった「桃太郎パッケージ」などもありました。特別感のあるデザインは贈り物に喜ばれますね。身近なシガーフライやビスケットが進化したような印象を感じます。
つけて、乗せて、塗って味わう。おいしさ広がる魅惑のアレンジメニュー。
団長Mが注目したのはこちら。なぜか『岡山木村屋』の名物、バナナクリームがあるではないですか! 横にあるのは見たことのない清水白桃クリーム。もしかして、これをディップして食べられるんですか?
「そうなんです。『梶谷食品』と『岡山木村屋』はグループ会社なので、お互いの商品を組み合わせて、よりおいしく味わえるようディップメニューとして提供しています。『岡山木村屋』のトーストを使ったサンドイッチメニューもありますよ」
今から4年ほど前には、『岡山木村屋』のバナナロールにシガーフライを挟んで食べる「バナシガ」を発案。地元を震撼(?)させた魅惑のコラボは、グループ会社という関係性から生まれていたんですね。
「『café BISCUIT(カフェ ビスキュイ)』では、ビスケット商品に数種のジャムやクリームをつけて味わえるセットメニューを用意しています。お好みのディップを選べるので、ぜひいかがですか?」
シガーフライの新たな食べ方を開拓できるチャンス! さっそく注文してみました。
選んでみたのは、4種のディップと3種のビスケットを組み合わせる「BISCUITセット」(370円)。10種のディップメニューから好きなものを選べるのがうれしいですね。
団長Mが選んだのは、バナナクリームと清水白桃クリーム、マスカットジャムとオリーブオイル。ビスケットにはシガーフライとバタークラッカー、そしてショップ限定のキャラメルシガーフライをチョイスしました。
清水白桃&バナナの風味豊かなクリームが、サクサク食感と見事にマッチ。シガーフライの塩味がディップの甘さを引き立てます。
ナッツやオリーブ、ブラックペッパーが入った具だくさんのオリーブオイルは、ワインのお供にもなりそうな贅沢な味わい。岡山県産のマスカットを使ったジャムも含めて、岡山らしいオリジナルディップが堪能できました!
ディップソースは意外と量があるので、最初からたっぷり付けるのがおすすめですよ。
キャラメルシガーフライやリンゴバターはお店限定なので、家では真似のできない特別感が楽しめます。その他のビスケットやオリーブオイル、クリームなどの多くは商品として購入できるので、ぜひ買ってお家でも楽しみたいですね。
ちなみに、喜種店長と角南さんのお好きな「マイレシピ」は何ですか?
「メニューの中では、冷たいバニラアイスと一緒に食べるのが好きで、塩スイーツのような感覚で止まらないおいしさにハマってます」(喜種店長)
「私は『バナシガ』がおすすめですね。シガーフライをスープに付けて食べたり、牛乳と一緒に味わうという話も結構聞きます」(角南さん)
「シガーフライ」は塩味と甘みが両方あるので、かなり広範囲で味の組み合せが楽しめそうですね。
袋から出して食べる、ただそれだけではないシガーフライのおいしさ、みなさんもぜひ楽しんでみませんか?
身近な場所で買える、昔と変わらない懐かしい味。新たな味変を開拓すれば、またおいしさにドはまりするかもしれませんよ!
Information
Information
梶谷食品株式会社
- 住所
- 岡山県倉敷市中庄2261-2 [MAP]
- 電話番号
- 086-462-3500
- HP
- http://www.kajitani-shokuhin.co.jp/
café BISCUIT(カフェ ビスキュイ) カフェビスキュイ
- 住所
- 倉敷市本町5-27 クラシキ庭苑 [MAP]
- 電話番号
- 086-427-5515
- 営業時間
- 8:30~17:00
- 休み
- なし
- HP
- http://www.cafe-biscuit.jp/index.html
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