

手間暇を惜しまず、「麹造り」から自社で一貫生産。
江戸末期の1866年より、160年にわたる歴史をもつ『キミセ醤油』。本醸造・自社一貫生産にこだわり、手間暇かけた「醤油造り」を続けるメーカーだ。今では県内でも自社で麹を造るメーカーはほとんど残っていないが、同社では希少な国産丸大豆を挽き、蒸して麹を造るところから手がける。「うちは材料も工程もすべて、社員全員が胸を張ってお客さまに説明できるもの。隠すところは何もないですよ」と、5代目社長を務める永原琢朗さんは語る。
屋号の「キミセ」は「木の店」から来ており、創業当初は材木商だったという。2代目が「醤油醸造」へと事業を転換し、戦中戦後を耐え抜いた3代目を経て、現在の会社の礎を築いたのは4代目(現会長)の永原國夫氏である。國夫氏は、60年代当時の主流であったアミノ酸液で造る製造法をやめ、麹を使う本醸造へと回帰。一軒一軒、一般家庭を訪ね歩いて魅力を伝える営業手法で、遠く県外にまで販路を拡大した。
時代も国境も超えて伝わる、ものづくりへの真摯な姿勢。
その後、時代とともに消費者の生活スタイルも変化したが、今でも基本は昔ながらの戸別配達と、直営店『五穀蔵』による「顔の見える」直接販売だ。永原社長は「お客さまの声を直接聞くというのは、造り手にとって大切なこと。営業社員の日報を読んでいると、次にやるべきことが自然と見えてくるんです」と、その意義を話す。加えて今は、ネット販売も拡大。大々的な宣伝はしていないにも関わらず、注文は全国各地から入ってくるという。
また最近では、台湾やヨーロッパなどへの輸出も始めている。社長も社員も派手なアピールは得意でないというが、誠実なものづくりを貫くという事実が何よりの説得力となり、価値は確実に伝わっている。「うちの強みは、とにかくまじめに。それだけですから」と永原社長は語る。この言葉には奥に息づく、確かな誇りを感じる。目まぐるしく移り変わる時代のなかで、その芯は揺るぎない。




Information
キミセ醤油株式会社
- 住所
- 岡山市南区妹尾217 map
- 電話番号
- 086-282-0275
- 公式HP
- https://www.kimise.co.jp/


