岡山県内も緊急事態宣言が出され、4月27日(月)に県内のすべての映画館が一時休館となりました。現時点での再開は未定。映画好きにとってはとても残念なことですが、また再び楽しく映画を鑑賞できる日を待ちましょう!
そんな中、岡山にゆかりのある映画作家・想田和弘さんの最新作『精神0』(岡山市が舞台)が、公開延期の報のあとに、「仮設の映画館」というプロジェクトで鑑賞できるニュースが届きました。
この「仮設の映画館」、いわゆるネットでのストリーミング配信なのですが、通常と異なるのは鑑賞料金が、製作者と配給会社に加え、映画館にも分配されるということ。かつ、料金分配先の映画館は、公開延期前に上映予定だった全国の映画館から自由に選択できるのです。
『精神0』の場合ですと、岡山県の『シネマ・クレール丸の内』に鑑賞料金の支払いを選択することが可能となります。
映画館が休館に追いこまれピンチの今、自宅から映画鑑賞を兼ねて応援ができるという、素敵なこのプロジェクト。どうせおこもりがちになるGW。自宅で珠玉の映画作品をじっくり鑑賞&地元映画館を応援してみませんか? 詳しくは、下記公式HPよりアクセスを。
最後に、
今回、プロジェクトを主導された想田さんからのメッセージを一部抜粋して、ご紹介します。
映画作家・想田和弘さんからのメッセージ(一部抜粋)
コロナ禍が収束したあかつきには、本物の劇場で『精神0』を改めて公開することを目指しています。
そのときはぜひ、「仮設の映画館」でご覧いただいた皆さんも、お近くの劇場に足をお運びいただきたい。そしてオンラインで観るのとは全く別の経験をして、改めて「映画館っていいもんだなあ」と、実感していただきたい。
感染リスクを気にすることなく、トークイベントなども思い切りふんだんに実施したいと考えています。やはり人間には「集う」ことが必要なのだと、集うことが自由にできなくなった今、切実に感じています。
コロナ禍が終わり、皆さんと実際に安心してお会いできる日が来ることを、楽しみにしております。みんなで一緒に乗り切っていきましょう!
text by あい
※『精神0』のほかに、現時点で9作品を配信予定。
おすすめ公開作品 『精神0』
岡山が舞台の「観察映画」。精神医療に人生を捧げた医師の物語。
台本やナレーション、BGMを排した「観察映画」を撮り続ける想田和弘の最新作。
『精神』(08年)では、岡山市にある精神科診療所『こらーる岡山』で、「こころの病」とともに生きる人々を鮮烈に映し出し、話題を呼んだ。
今回は、前作でも登場した山本昌知医師にフォーカス。82歳にして突然「引退」することになった山本氏。彼を慕う患者たちは、妻・芳子さんは…。精神医療に人生を捧げたひとりの医師の引退後を、慈しみと尊敬の念をもって描く。
本作は、第70回ベルリン国際映画祭 フォーラム部門エキュメニカル審査員賞受賞した。