岡山発の魅力的なアイテムを集めた、イオンモール岡山5階の『ハレマチ特区365』。
ものづくりのへのこだわりストーリーを紹介します。
ものづくりSTORY|平井宏明[ひらいひろあき]
耐熱ガラスは、透明度が高い、軽い、温度ショックに強いなどの利点があるいっぽう、作り手としては扱いづらい素材だ。酸素バーナーの炎でガラスを溶かして成形する「バーナーワーク」という技法を用いるが、炎の温度は2000度を超えるという。さらに溶かしたガラスはあっという間に冷めてしまう。制作は、熱さや時間との戦いなのだ。そんな耐熱ガラスの作家が、平井宏明さんである。
高校で美術に親しみ、進学した倉敷芸術科学大学ではガラスを専攻。吹きガラスやコールドガラス、トンボ玉などざまざまな形のガラス作品を経験した後、耐熱ガラスにたどり着いた平井さん。「実は独学なんです。インターネット動画も普及していませんでしたし、最初は海外の指導書などを取り寄せました。といっても、外国語がわからないので、写真からやり方を想像して、とりあえず作って。道具もないから自作してましたね」。大変な苦労だと思うが、本人はいたって愉しそうに振り返る。「もともと理工学に興味があり、難しそうなものを解き明かしていく作業は得意だったんです、パズルとか知恵の輪とか」。
そんな平井さんの資性は、最近よく作っているという野菜や果物、昆虫などのオブジェに反映されている。「昆虫は色も美しいものが多いし、何より構造的な面白さがある。図鑑も見ますが、捕まえられるものは標本にしてじっくり観察します。どうやったらガラスで再現できるかな?なんて考えている時間は、とても愉しいですね」。昆虫の細い足のような、繊細な細工ができるのは、素材そのものに強さがある耐熱ガラスだからこそ、だという。扱いづらさと表裏一体の無限の可能性。そんな耐熱ガラスに魅せられた平井さんは、暑い日も寒い日も、汗だくでバーナーの前に座っている。
Information
平井宏明
- 住所
- 倉敷市水島南亀島町12-14
- 電話番号
- 090-3749-2370
そのほかにおすすめしたい『平井宏明』の作品。
ハレマチ特区365
『イオンモール岡山』の5階にある、晴れの国おかやまに息づく、ものづくりのスピリットを体感・体験できる空間。「365日デイリーでつかう、愛しいもの」をテーマに、岡山県内の作家や職人、企業による雑貨、ウェア、ストックフード&器など、1000種類以上のアイテムをラインナップ。作家によるワークショップをほぼ毎日行なうスペースも常設。
Information
ハレマチ特区365
- 住所
- 岡山市北区下石井1-2-1 イオンモール岡山5階
- 電話番号
- 086-206-7204
- 営業時間
- 10:00~21:00
- 休み
- なし
- 駐車場
- 約2500台(共同)
- HP
- https://hare365.com/