『RETIO BODE DESIGN』とコラボし、筋トレやダイエット、食事など、
健康に関するさまざまな情報を発信する連載企画。
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「糖質制限をしているのになかなか体重が減らない」
「さいきん停滞期っぽい。どうやって抜け出そう?」
好きな糖質を我慢しているのに思うように体重が減らないと、ダイエットに対するモチベーションも下がってしまいますよね。
とくに糖質制限は体重の落ち方に特徴があり、停滞期なのかダイエットのやり方が間違っているのか見分けがつかないものです。
そこでこの記事では、
- 糖質制限の体重の落ち方
- 体重が落ちる理由
- スムーズに痩せるコツ
- 正しいやり方
- 注意点
についてくわしく解説します。
なお筆者は多くのダイエットを成功に導いてきた現役の管理栄養士です。糖質制限でなりたい自分を手に入れたい方は、ぜひ参考にしてください。
糖質制限の体重の落ち方は「はじめにガクン」が特徴
糖質制限でダイエットした場合「はじめてすぐに体重が落ちる」という特徴がみられます。
まずは、実際に筆者が糖質制限をしていたときの記録をご覧ください。
糖質制限をはじめてすぐ、1kgほど体重が落ちています。その後体重は減らなくなり、2週間経ったくらいから再び減り始め、ユルユルと1か月かけて3kgほど減量しました。
ダイエット開始からすぐの時期に体重が減るのは糖質制限ならでは。
なぜでしょうか?
糖質制限をはじめてすぐに体重が落ちる理由を解説していきます。
糖質制限で体重が落ちるのは水分とグリコーゲンが減るから
糖質制限を始めるとすぐに体重が落ちるのは、体内の水分とグリコーゲンが減るからです。
グリコーゲンは体に蓄えられている糖質のこと。体内の糖質が足らなくなったとき、グリコーゲンを分解してエネルギーを得ています。
体の中にあるグリコーゲンの量は次の通りです。
- 肝臓・・・約100g
- 筋肉・・・約300~400g
- 血中・・・微量
糖質制限をすると糖質を食事でまかなえないため、グリコーゲンを利用してエネルギーを作りだします。結果体のグリコーゲンが減り、体重も減るのです。
またグリコーゲンは水をたくさん抱え込む性質があり、1gあたり3~4倍の水と結合します。グリコーゲンがなくなれば、もちろん結合している水もなくなります。
糖質制限によってグリコーゲンが400g減った場合、水分も1200~1600g減ることになります。つまり、糖質制限をはじめてすぐの体重減少は、体脂肪が減ったのではなく、体に蓄えていた糖質と水分が減った結果なのです。
糖質制限しているのに体重が減らない!乗り越える4ステップ
糖質制限はじめてからまったく体重が減らないとなると「やり方が間違っているのかな?」なんて不安になりますよね。
糖質制限は正しく取り組めば、始めてすぐにガクンと体重が落ちます。
もしかしたら、やり方を間違えているかもしれません。
一度取り組んでいる内容を見直し、減量に向けた4ステップを踏んでいきましょう。
- 食事の内容を見直す
- 糖質の多い食品を再確認する
- 間食をやめる
- 水分をしっかりとる
くわしい内容を説明します。
1. 食事の内容を見直す
まずは食事の内容を見直しましょう。いくら糖質制限をしてもカロリーの高い食べ物ばかり食べていたり、食物繊維をまったく摂っていなかったりと、不摂生の状態だと体重は減りにくいです。
- 摂取カロリーが消費カロリーを上回っていないか?
- 食事バランスは意識できているか?
一度自分の食事内容を確認してみましょう。
2. 糖質の多い食品を再確認する
糖質制限で体重が落ちない場合、隠れ糖質を摂っている可能性があります。糖質の多い食品を知らない間に食べてしまっていないか、改めて確認してみましょう。
意外と糖質の多い食品は以下です。
- 惣菜
- 魚肉ソーセージ
- 春雨
- 根菜類
惣菜は砂糖を多く含んでいる物がたくさんあります。酢の物や煮物は特に気をつけましょう。魚肉ソーセージや春雨、根菜類も知らない間に糖質を摂取している食材です。
ドキッとした方は食べる量に注意をしましょう。
3. 間食をやめる
もしも「食事の糖質を制限しているから間食ではスイーツを食べていいよね…?」なんて甘い考えで間食を摂っているのであれば、今すぐやめましょう。
糖質制限中はナッツやヨーグルトなら間食OKとするものが多いです。
しかし、食事でエネルギーや栄養素が摂れていれば必要ありません。間食は足りていない栄養素を補うために食べるものです。
食事でエネルギーが足りているなら間食は無駄です。思い切ってやめてしまいましょう。
4. 水分をしっかりとる
糖質制限中は水分をしっかりとるようにしましょう。糖質を制限すると水分の摂取量も減りやすいからです。
主食のご飯や麺は、調理した魚や肉よりも水分を多く含んでいます。
実際どのくらい違うのか、焼魚・ステーキ・白ご飯の水分量を確認してみましょう。
- 焼魚(鮭)・・・64.2g
- ステーキ(牛肉)・・・60.4g
- 白ご飯・・・90g
※すべて一食あたり
※参照:文部科学省「食品データベース」
糖質を制限する代わりに肉や魚などのたんぱく質源を食べたとしても、水分量は少し減ってしまいます。水やお茶をいつもより多めに水分をとるようにしましょう。
体重が減らなくなった…停滞期の乗り越え方2選
一方で「一か月は順調に減っていたのに、ここ2週間まったく体重が減らない」と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
一定期間スムーズだった減量が止まっているのであれば、停滞期に入ったかもしれません。
糖質制限中の停滞期の乗り越え方は次の2つです。
- モチベーションを維持して継続する
- チートデイを設ける
くわしく説明します。
1. モチベーションを維持して継続する
停滞期に入ってもモチベーションを維持し、継続していきましょう。
良い感じで減量できていたのであれば、糖質制限のやり方自体は、あなたにあっています。体重が減らなくなると焦る気持ちも出るかもしれませんが、自信をもって続けましょう。
そもそも停滞期は人の体の仕組み上避けようがない「恒常性」によるもの。
ある程度減量すると「体重をこれ以上減らしたら命の危険があるかも」と脳が勘違いし、体重を減らさないようにします。結果、停滞期が訪れるのです。
停滞期がきても糖質制限や運動に取り組み続ければ、また必ず体重や体脂肪は減り始めます。何もしなくても数週間~2ヶ月程度で停滞期は抜けられるはずです。
2. チートデイを設ける
糖質制限で停滞期が訪れた場合、チートデイを設けると抜け出しやすいです。チートデイとは、1日だけ糖質をしっかりと食べて「糖質は足りているよ」と脳を騙す日のこと。
停滞期を迎える理由は、
- エネルギー源の糖質が摂れない
- 体重が減っていっている
ことで脳が命の危険を感じ、恒常性が働くためでした。
そこで糖質を食べて「いつでも摂れるぞ」と脳を騙す。すると脳は飢餓状態ではないと受け取り、スッと停滞期を抜けられる場合があります。
また体重も減らないし糖質を制限するストレスが強いときにチートデイを設けると、良い息抜きにもなります。あなたに合いそうであればチャレンジしてみてください。
【危険】過度な糖質制限に注意すべき3つの理由
糖質制限をしているのに減量ができないと不安になり、さらに厳しい食事制限を始める方がいます。しかし、素人判断で行うのは絶対にやめてください。
過度な糖質制限は次の3つの理由から注意が必要です。
- 情緒不安定になりやすい
- 便秘や下痢になりやすい
- 血中脂質や尿酸が上昇する
くわしく解説します。
1. 情緒が不安定になりやすい
過度な糖質制限を続けると情緒が不安定になりやすいです。イライラしたり不安な気持ちが強くなったりします。
情緒不安定になるのは、糖質が不足し、低血糖状態になるためです。
低血糖になると血糖値を上げるためにアドレナリンなどのホルモンが分泌されます。これらは体を興奮状態にする作用があり、イライラや不安感が増していきます。
2. 便秘や下痢になりやすい
極端な糖質制限では便秘や下痢が起こりやすくなります。なぜなら腸内の悪玉菌が増えやすいからです。
腸内には10億もの細菌がいて、悪玉菌と善玉菌、日和見菌の3種でバランスを保っています。腸内細菌はそれぞれに好みのエサがあり、悪玉菌はたんぱく質、善玉菌はオリゴ糖(糖質の仲間)を好みます。
オリゴ糖はゴボウやとうもろこし、バナナなど糖質制限で避けられがちな食材に多いです。オリゴ糖の摂取量が減ってたんぱく質を大量に食べていたら、腸内の悪玉菌が増えていくでしょう。
結果、環境は悪化し、便秘や下痢を引き起こしやすくなるのです。
3. 血中脂質や尿酸が上昇する
極端な糖質制限を行っていると、血中脂質や尿酸が増える方が多くみられます。糖質を制限する代わりにたんぱく質や脂質を過剰に摂るためです。
たんぱく質や脂質は体に必要不可欠な栄養素です。しかし、糖質同様に摂り過ぎれば体に負担がかかります。
脂質の多い食事は血中脂質が上がりやすくなり、たんぱく質を摂り過ぎていれば尿酸が増えます。糖質制限のリスクを知ったうえで取り組むようにしましょう。
糖質制限で体重を順調に落とす5つのコツ
過度なやり方はおすすめできませんが、糖質制限は体脂肪を減らすのに必ず役立ちます。順調に体重を落とすために、5つのコツを押さえましょう。
- アンダーカロリーを守る
- 糖質は1日60~120g制限で十分!
- 栄養バランスを整える
- 体重や体脂肪は2週間のスパンで評価する
- 適度に運動を取り入れる
あなたのダイエットをバックアップするものばかりなので、ぜひ参考にしてください。
1. アンダーカロリーを守る
糖質制限で体重を落とすためには、アンダーカロリーを守りましょう。アンダーカロリーとは、摂取カロリー<消費カロリーの状態のことです。
糖質だけを制限しても摂取カロリーが消費カロリーを上回っていたら体脂肪は減りません。体脂肪を減らすためには、必ずアンダーカロリーを守りましょう。
2. 糖質は1日60~120g制限で十分!
糖質は一食20~40g、1日60~120gに抑えるだけでも糖質制限のメリットは得られます。
一食の糖質を20~40gに抑えることをロカボ(※)といいます。食後の血糖値が緩やかに上昇するので、体脂肪が増えにくいです。
ちなみに糖質20~40gは、白ご飯に置き換えると50~100gです。
茶碗に軽く半膳盛ったくらいですね。
これまで糖質の多い食事を摂ってきた方であれば、ロカボを守るだけでも体脂肪は減ります。糖質は適度に食べることを意識しましょう。
※参照:食・楽・健康協会「ロカボとは」
3. 栄養バランスを整える
糖質制限中は栄養バランスを整えるようにしましょう。糖質を減らすとエネルギー源が減ってしまうので、脂質やたんぱく質で補う必要があるのです。
ただしどちらも食べ過ぎると体に負担がかかる恐れがあります。そこでおすすめしたいのが、食材選びの工夫です。
例えば、
- たんぱく質源は肉だけでなく魚や大豆製品も取り入れる
- 油はオリーブオイルやMCTオイルを活用する
- 尿酸・脂質対策で野菜や海藻をたっぷり食べる
を意識するだけでも栄養バランスは整います。
4. 体重や体脂肪は2週間のスパンで評価する
糖質制限ダイエットがうまくいっているかどうかの判断は、2週間のスパンで行うことをおすすめします。人の体は一筋縄ではいかないので、毎日順調に落ちていく、というケースが少ないからです。
ダイエット中は毎日の体重・体脂肪によって一喜一憂しがちですよね。頑張っているのに減らないと焦りからストレスが生まれ、むしゃくしゃして食べてしまい、リバウンドにつながることもあります。
人間の体は複雑なので、ずっと体重が減り続けることはありません。糖質制限がうまくいっているかどうかは2週間おきで評価し、モチベーションを維持しながら取り組みましょう。
5. 適度に運動を取り入れる
糖質制限に合わせて運動を取り入れるとダイエット効果を感じやすいです。体脂肪を減らすためには運動が有効だからです。
おすすめは、無酸素運動の筋トレ→有酸素運動(ウォーキング、エアロビなど)の流れです。筋トレで脂肪を分解しやすい状態にし、有酸素運動による体脂肪の分解を促します。
運動の後はストレッチで筋肉を伸ばしあげると、より引き締め効果を感じるでしょう。
まとめ
糖質制限の体重の落ち方について、大切なポイントを復習しましょう。
- 開始後すぐに1、2kg体重が減る
- 体脂肪が減り始めるのは2~3週間経った頃
- 停滞期は糖質制限の継続やチートデイで乗り越えられる
- 糖質制限が順調かどうかは2週間おきに評価
- 体重を順調に落とすならダイエットの基本は押さえる
糖質制限でスムーズに体重を落としたいのであれば、食事のバランスを整えながら糖質を減らしていきましょう。体と相談しながらあなたに合わせたスピードで取り組んでいってくださいね。
このコラムでは、他にもダイエット・ボディメイクに関するお役立ち情報を発信しています。ぜひ他の記事も参考にしてください。
※監修『RETIO BODY DESIGN』
岡山県内で7店舗フィットネスジムを運営。
「カラダが変われば人生が変わる」をスローガンに、
ジム初心者を対象にマシンの使い方はもちろん、
適切な食事についてもトレーナーが無料レクチャー。
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