降水量1mm未満の日が日本で一番多く、災害も非常に少ないことから、映画やドラマの撮影スポットとして注目されている岡山県。市街地からクルマで30分圏内に、海、山、古い街並みなどがあり、田舎の風景や島、高原など豊富なロケーションがそろっています。
「晴れの国岡山は、日本のハリウッドだね!」
そんな声が高まって、誰が呼んだか「HALLE WOOD(ハレウッド)!」。
「HALLEWOOD」の立役者であり、全国の映像制作会社が頼りにするというすご腕コーディネイターの妹尾真由子さんが、知られざるロケの裏側やさまざまなエピソードを通じて、岡山の魅力を紹介していく連載です。
《連載第50回》「岡山フィルムプロジェクト制作報告会見」を「大原美術館」で開催!
みなさん、こんにちは。
岡山県フィルムコミッション協議会の妹尾真由子です。
この時期はジメジメ~としていて気分も上がらなかったりしますし、室内でも熱中症になったりするようなので、みなさん気を付けましょう。
さて、この連載コラムも50回を迎えました!!いつもお読みいただいている皆様、本当にありがとうございます。
「50回を記念して!!」というスペシャル感もなく、いつも通りのペースでお話します。

今回は6月2日(月)に倉敷美観地区内にある、日本で最初の私立西洋美術館「大原美術館」で開催した、「岡山フィルムプロジェクト制作報告会見」についてご紹介します。
会見では、「映画で、ひらく。」をテーマに掲げ、映画を通じた岡山県の地域活性化と次世代クリエイターの育成を目指した取り組み「岡山フィルムプロジェクト」で制作された、長編映画『ReTune(りちゅーん)』と短編オムニバス映画「MIRRORLIAR FILMS Season8(ミラーライアーフィルムズシーズンエイト)」の2つの作品についての制作報告を行いました。
この取り組みには、20社以上の企業も協力し、地域が一丸となって盛り上げようという意気込みが感じられ、会場は10社以上の取材陣と企業、地元関係者、学生等で埋め尽くされ、本プロジェクトへの期待の高さを実感しました。
会見では、ピカソやゴーギャンなど有名な画家の作品が展示されている大原美術館の2階展示場を会場に、長編映画『ReTune』を手掛けられた岡山市出身の針生悠伺監督、6月に備中エリアで撮影を予定している佐渡恵理監督作品でプロデューサーを務められる倉敷市出身のMEGUMIさん、5月に備中エリアで撮影を行った短編映画『からのうつわ』の松田美由紀監督、「MIRRORLIAR FILMSプロジェクト」のプロデューサーを務められている阿部進之介さん、「岡山フィルムプロジェクト」実行委員長の黒住宗芳さんが登壇しました。

私は今回、プロジェクトの一員として、司会という大役を任せていただきました。久々の司会ということと、プロジェクトの皆さんの頑張りをずっと見ていた中で、ハレの舞台を台無しにしてはいけないというプレッシャーもあり、楽しみ半分不安半分といった心境で当日を迎えました。
14時に会見が始まり、「岡山フィルムプロジェクト」についての概要説明があったのち、作品紹介に移りました。
まずは、MEGUMIさんがプロデューサーを務める佐渡恵理監督作品についてふれ、まだ具体的な内容は明らかに出来ない状況ではありましたが、倉敷市出身のMEGUMIさんからは世界のクリエイターと関わってきたからこそ見える視点などを作品に活かし、故郷の魅力を物語を通じて伝えたいといった、これからの制作に向けた意欲を感じました。
そして、松田監督作品『からのうつわ』は、パチンコ屋を舞台に文子(原田美枝子)と土井(佐藤緋美)の邂逅と交流が描かれ、同じ店の同じ台でパチンコを打つことが日課になっている文子はある日、パチンコ店に勤める静かで影のある青年・土井と出会い、親子以上に年齢の離れた二人が、どこか自分と似た「寂しさ」を感じ、少しずつ惹かれていくという物語です。5月に笠岡市、倉敷市、総社市で行った撮影を振り返り、「全てにこだわった」という、監督の熱い思いが詰まった作品の完成がますます楽しみになりました。

撮影時のエピソードはもう少し先の回でお話したいと思いますのでお楽しみに♪
最後に紹介された作品は、針生監督の長編映画『ReTune』!
本作は、亡き父が残した中古楽器店を継いだ女性と従業員男性が客の心を調整“チューニング”していく音楽系ヒューマンドラマです。針生監督の出身地である岡山市で撮影を行い、母校・操山高校での撮影が実現したことや、撮影中も地元の方々のあたたかさに触れたといったエピソードをお話しいただきました。

会見の最後には、「岡山フィルムプロジェクト」に参画している県内の学生さん達が4つの部会に分かれて活動する各部会のリーダーが登壇し、針生監督の指導のもと、映像制作を実施する他、11月には上映会を企画開催することや、オリジナルのグッズ作成などの報告がありました。

本プロジェクトは、映画文化を通じて、学生・クリエイター・地域が連携し、新たな地域活性の可能性を切り拓く挑戦を進めています!

イベントに参加する、岡山がロケ地となった映像作品を観る、学生たちが企画したお土産やグッズを買う……関わり方は様々だと思います。ぜひ、この機会に岡山の魅力を再発見し、一緒に地域を盛り上げていきましょう♪
【Profile】

岡山県フィルムコミッション協議会
妹尾真由子
矢掛町出身。2013年に矢掛町入庁。産業観光課での勤務時代には、ご当地キャラ・やかっぴーとともに町の観光PRを担当。2016年より岡山県観光連盟に出向。2018年より岡山県フィルムコミッション協議会の専任スタッフに
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