降水量1mm未満の日が日本で一番多く、災害も非常に少ないことから、映画やドラマの撮影スポットとして注目されている岡山県。市街地からクルマで30分圏内に、海、山、古い街並みなどがあり、田舎の風景や島、高原など豊富なロケーションがそろっています。

「晴れの国岡山は、日本のハリウッドだね！」

そんな声が高まって、誰が呼んだか「HALLE WOOD（ハレウッド）！」。

「HALLEWOOD」の立役者であり、全国の映像制作会社が頼りにするというすご腕コーディネイターの妹尾真由子さんが、知られざるロケの裏側やさまざまなエピソードを通じて、岡山の魅力を紹介していく連載です。

《連載第41回》ご当地グルメと地元食材で撮影隊をおもてなし！

みなさん、こんにちは。岡山県フィルムコミッション協議会の妹尾真由子です。
　
9月に入っても異例の暑さが続き、連日真夏日の記録更新というニュースを見ますが、皆様お元気に過ごされておりますでしょうか。

秋といえば「スポーツの秋」「読書の秋」もありますが、やはり私は、「食欲の秋」！ 新米からはじまり、イモやクリ、ナシ、サケ、キノコ…考えただけでお腹がすいてきました！（笑）

さて、9月７日の「山陽新聞」朝刊で当協議会が運営する「エキストラ人材バンク」について記事を掲載していただき、その反応から、エキストラへ登録したいと言って連絡をくださる方が多くいらっしゃいました。

ほかにも、エキストラ募集の記事を見て、「民間救急車を持っているので、エキストラ以外にも撮影などで協力できることがあるかもしれない」という連絡をくださった方もいらっしゃるなど、効果を実感しております。

エキストラ人材バンクについては、本コラム第34回（2024年2月配信）でご紹介をさせていただきましたが、その当時の登録者数は「5900名」。しかし約半年経った今では、「6300名」を超え、おおよそ400名の増となりました。

撮影実績や講演会などが増えるたびに、少しずつ登録者数も伸びているように思います。

また、撮影隊の皆さんにとって岡山ロケの際は、エキストラ人材バンクについて「エキストラは待つことが多いということを理解していただいている」「知り得た情報を漏らさない」「マナーがよいからすごく現場がやりやすい」という言葉をもらうなど、制作スタッフの間でも、以前より確実に浸透してきていることを実感しています。

私も講演などで地元の皆様にお話をさせていただく際には、エキストラ人材バンクへの登録とあわせて、ロケ地情報の登録や、ロケ弁など撮影時に必要となる情報提供のお願いをしています。

撮影隊の支援としては、現地で必要な弁当を配達してくれる業者や、車両レンタル業者、美術装飾関連の業者など、地元の業者さんを紹介するのも我々の仕事のひとつです。
岡山ロケで滞在される撮影隊の皆さんのほとんどは、撮影スケジュールがタイトで、多くはロケ弁で食事を済ませます。せっかく岡山に来ていただいても休みがない場合は、ご当地グルメを食べていただく機会が無いのが現状です。

そのため、差し入れや地元の方々が現場で炊き出しでおもてなしをしてくださる際には、出来る限りご当地感が出るものをお願いしています。

その甲斐もあってか、ピオーネ、マスカット、清水白桃、苺など旬のフルーツや岡山の銘菓を差し入れてくださったり、炊き出しでは、たまごかけごはん、備中牛、ひるぜん焼そばなど、ご当地グルメや地元食材で地元の皆さんが撮影隊をおもてなしをしてくださいます。

撮影隊の皆さんにとっては、地元の方々が受け入れてくれている感じが伝わったり、初めて食べるご当地グルメのおいしさにハマったり…。

以前、美咲町での撮影時にたまごかけごはんをふるまっていただいた際には、「たまごかけごはんの専用醤油」をプロデューサーが気に入ってくださり、撮影隊全員分を購入してプレゼントされたこともありました！

地元の方々にとっては撮影隊との交流の場になったり、地元ならではの情報を発信できる場になったりと、相互に効果がみられる場だと思っています。

また、マーケティングの場としても有効で、実際にご当地グルメを食べられた感想をアンケートして改良につなげたり、商品化に向けたグルメの意見を求めたり、やり方は様々ですが、ただもてなして終わりではなく、地域に還元できるような取り組みになればと思っています。

オフィス、倉庫、放置された空地など、ロケーションももちろんのこと、「こんなことなら協力できるよ」といったことがございましたら、ぜひお知らせください。

地域の皆様のご協力なしに、撮影はできません。岡山ロケをともによりよい環境にするためにご協力頂けるとうれしいです。

【Profile】

岡山県フィルムコミッション協議会
妹尾真由子
矢掛町出身。2013年に矢掛町入庁。産業観光課での勤務時代には、ご当地キャラ・やかっぴーとともに町の観光PRを担当。2016年より岡山県観光連盟に出向。2018年より岡山県フィルムコミッション協議会の専任スタッフに

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