降水量1mm未満の日が日本で一番多く、災害も非常に少ないことから、映画やドラマの撮影スポットとして注目されている岡山県。市街地からクルマで30分圏内に、海、山、古い街並みなどがあり、田舎の風景や島、高原など豊富なロケーションがそろっています。
「晴れの国岡山は、日本のハリウッドだね!」
そんな声が高まって、誰が呼んだか「HALLE WOOD(ハレウッド)!」。
「HALLEWOOD」の立役者であり、全国の映像制作会社が頼りにするというすご腕コーディネイターの妹尾真由子さんが、知られざるロケの裏側やさまざまなエピソードを通じて、岡山の魅力を紹介していく連載です。
《連載第40回》真夏のロケは大変!! 目指せ200名のエキストラ動員。
みなさん、こんにちは。
岡山県フィルムコミッション協議会の妹尾真由子です。
お盆休み、夏休み、なにか夏らしいことをされたでしょうか?
夏らしいことと言えば、私は家族で地元の夏祭りの花火を鑑賞することが毎年恒例となっていて、今年も花火を見てきました!
それにしても今年の夏は非常に暑い! しかしこのような中でも撮影は行われます。
たとえば真夏に冬の設定で撮影をすることがあります。これは本当に大変なんです。
総社市の東阿曾地区で撮影をした映画『名も無き世界のエンドロール』は、真夏にクリスマスのシーンを撮影したため、キャストの方々は、真冬の格好で本番撮影をし、カットがかかるたびに衣装を脱いで体を冷やしての繰り返し。メイクも崩れないように何度も直して撮影に挑まれていました…。
岡山県では今年、7月・8月に連日最高気温が37度を超え、異常な暑さが続いたわけですが、映画「蔵のある街」と、映画「栄光のバックホーム」のロケ対応を行っていました。
今回はどちらも夏の設定だったので、前述のように「冬服を着込む」ということはありませんでしたが、異例の暑さの為、スタッフやキャスト、エキストラの方々が熱中症や体調不良にならないように、水分や塩分補給、休憩をこまめにとるといったことに気を付けるなど、いつも以上に神経を使いながらのサポートが必要となりました。
暑い中でも、「自分たちも作品に携わりたい」「少しでもよい作品になって欲しい」いう思いで参加いただいているエキストラの皆さんたちは、待ち時間が長くても、文句も言わず、現場を楽しんでくれています。その姿にいつも感謝してもしきれないほどの気持ちになります。
8月21日に、映画「栄光のバックホーム」の撮影を『倉敷マスカットスタジアム 補助野球場』で実施することになり、数日前に「エキストラが200名欲しい!」と制作側から依頼がありました。
すぐに、当協議会が運営しているボランティアエキストラ登録制度「エキストラ人材バンク」で参加者を募りましたが、平日の朝7時から夕方6時までというかなり厳しい条件だったこともあり、30名程しか集まりませんでした。
撮影は2日後…。残り170名を1日で集めないといけない…。
このようなピンチの状況でも、私たちは決して諦めません。制作側と相談し、急遽、情報公開してのエキストラ募集を実施したのです。
岡山県フィルムコミッション協議会のサイトで公募ページを公開し、それをSNSで発信して情報拡散しました。そうすると参加申し込みが相次ぎ、あっという間に200人越えに! 最終的には約240名もの皆さんにご参加いただき、予定していた撮影を無事に実施することができたのです。
この撮影の詳細は、公開前のPRできる時期が来ましたら当コラム内でお話したいと思います。
今回は、この場をお借りして、撮影に参加してくださった皆様、情報拡散にご協力してくださった皆様に感謝を申し上げます。本当にありがとうございました。完成した作品を一人でも多くの皆様に見ていただけるよう、我々もPRに努めたいと思います。その際も、皆様方のご協力で情報を拡散していただければと思います。
いつも、講演会などでもお話させていただいているのですが、フィルムコミッション事業は、地域の皆様をはじめ多くの方々のご理解とご協力の上、成り立っております。今後も、たくさんの映画やドラマの撮影が岡山で行われると思います。
ロケ地、エキストラ、食事や控室の提供など、関わり方は様々だとは思いますが、岡山ロケを一緒に盛り上げていただけるとうれしく思います。
【Profile】
岡山県フィルムコミッション協議会
妹尾真由子
矢掛町出身。2013年に矢掛町入庁。産業観光課での勤務時代には、ご当地キャラ・やかっぴーとともに町の観光PRを担当。2016年より岡山県観光連盟に出向。2018年より岡山県フィルムコミッション協議会の専任スタッフに
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