クラブ初の事業、マレーシアでのサッカー教室。
2019年12月にクラブ初の海外事業として、マレーシアで「ファジアーノ岡山サッカー教室」を実施しました。
マレーシアの子どもたちを対象に、4カ所各200名限定で募集を開始したところ、3日後には3500名を超える応募があり、マレーシアにおけるサッカー熱の高さ、Jリーグの人気を実感しました。
この人気ぶりには当然、昨シーズン契約したマレーシアU‐23代表のハディ・ファイヤッド選手の参加も大きく影響しています。
ハディ選手は現在20歳で、マレーシア国内では大きな注目を集める若手選手です。クラブスタッフがマレーシアで移動中に地元の人から、「ハディはどうだ?」と声をかけられたという話からも、ハディ選手の人気が伺えますね。
サッカー教室は大きな問題もなく大成功に終わりました。
ひたむきな子どもたちの姿に心打たれて。
各会場で参加してくれた子どもたちのうち、特に活躍をした選手を各会場で1人ずつ選抜し、その選手たちには来日してもらって「『ファジアーノ岡山アカデミー』で同年代の子どもたちとの練習に1週間参加できる」というプレゼントを用意したのですが、選ばれた子どもが涙を流して喜んでいるのです。
その姿を映像で見て、「実施をしてよかった」と心から感じました。
「ファジアーノ岡山アカデミー」所属の選手たちに目を向けてみると、ユースチームが韓国遠征をしたり、2018年からジュニアユースチームがタイのブリーラムへ1週間遠征をしたりと、海外での活動も増えつつあります。
初めは言葉も通じずギクシャクしていた子どもたちが、1週間を経て別れの時を迎えると、その別れを惜しみ、涙を流し抱き合うほどの関係になります。
ファジアーノのアカデミーだけでなく、岡山でサッカーをしている多くの子どもたちにもそのような経験をしてほしい。『ファジアーノ岡山』が存在することで、この地域でサッカーをしている子どもたちの国際交流の機会が増える…、そのような環境づくりに関わっていきたいと思っています。
北の大地に響いた大きな拍手。
2年前に「北海道コンサドーレ札幌vsヴィッセル神戸(札幌ホーム)」の試合を視察に行きました。
その試合はイニエスタ選手やポドルスキ選手の出場もあり、32,475人の入場者数で大いに盛り上がっていました。
「札幌」にはタイの英雄チャナティップ選手がスタメンで出ており、対する「神戸」からは、後半途中から同じくタイ出身のティーラトン選手が出場。
驚いたのはそのティーラトン選手が出場する瞬間、札幌ドームで拍手が起きたことです。
アウェイチームの外国人選手が交代で出場する際、拍手が起きる光景を、私はあまり目にしたことがありません。
あとから思い返すと、確かに『札幌ドーム』で多くのタイ人の方とすれ違いました。拍手の大きさから想像するに、数十人ではなく数百人、あるいは千人以上のタイ人の方がこの試合の観戦に来ていたのかもしれません。アジア展開の可能性を肌で感じた瞬間でした。
余談ですがチャナティップ選手が「札幌」加入後、初めてとなる練習風景をJリーグの公式フェイスブックで配信したところ、332万人が視聴したそうです。
また、タイではJリーグの関心度が飛躍的に高まっていて、2017年7月に30%だった関心度が、2019年12月には49%まで上がったという報告がありました。
ハディ選手の活躍で岡山の認知度も高まるか!?
東南アジアでのサッカー熱は高く、多くの国で一番人気のスポーツはサッカーです。
ハディ選手の活躍次第では、マレーシアでは東京、大阪ではなく岡山がもっとも知られた都市になるかもしれません。中田英寿選手がペルージャへ移籍し、多くの日本人がペルージャを知りましたが、この街の人口は16万人です。
第2回の記事でも書きましたが、シアトルの人口は70万人強で、岡山市よりも人口が少ない小さな町を、多くの日本国民が知っています。
同じようにアジア各国に向け、スポーツの力で岡山を知ってもらえる活動を、これからも行っていきたい。そう思っています。