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「糖質制限だけで痩せる」と聞いたことはありませんか?ネット上では、糖質制限で痩せるという意見もあれば、真逆のことも言われていますよね。
「糖質制限をしたらカロリーオーバーでも大丈夫?」
「がんばって糖質制限したのに痩せられなくて悲しい…」
「糖質とカロリーについて専門家の意見を知りたい!」
この記事では、糖質制限とカロリーオーバーに関する疑問を解決していきます!
結論から言うと、カロリーオーバーでは痩せません。糖質制限中でも摂取カロリーを意識しつつ、適切な食事を心がける必要があります。
- 糖質制限してもダイエットに失敗する原因
- カロリーオーバーを防ぐ摂取エネルギー計算方法
- 正しい糖質制限の方法
上記のように、糖質制限とカロリーオーバーに関する情報をギュッとまとめました。
なお筆者は管理栄養士であり、現在も大学で栄養学を勉強しています。実は、肥満寸前になった恥ずかしい過去がありますが、正しい知識を身につけ、16kgの減量に成功しました。
栄養のプロであり、ダイエット成功経験のある私が、「糖質制限とカロリーオーバー 」に関する情報をわかりやすく解説します。正しい糖質制限の方法については、実体験も交えて丁寧にお伝えしていきますので、ぜひ最後までお読みください!
糖質制限してもカロリーオーバーしていたら痩せない!
結論から言うと、糖質制限をしてもカロリーオーバーしていたら痩せられません。「アンダーカロリー」がダイエットの基本ということを押さえておかないと、糖質制限をしても減量に失敗してしまいます。ダイエット成功に必須の考え方をおさらいしておきましょう。
ダイエットの基本はアンダーカロリー
ダイエットの基本は「アンダーカロリー」です。アンダーカロリー とは、摂取カロリーが消費カロリーを下回ることを指します。つまり、食べた分よりも多くカロリーを消費している状態です。ちなみに、摂取カロリーの方が消費カロリーよりも多いことを「オーバーカロリー」といいます。
オーバーカロリーでは痩せられないと覚えておいてください。食事で摂取したカロリーのうち、消費できなかった分が脂肪として蓄えられます。ダイエットでは、食事の改善によって、アンダーカロリーにすることが重要です。
糖質制限だけで痩せるなら苦労しない
先ほど、オーバーカロリーでは痩せられないことをお伝えしました。糖質制限をどんなにがんばっても、カロリーオーバーしていたら減量は困難ということです。
糖質だけを制限して痩せるなら、ダイエットに苦労する人はいません。糖質だけでなく、たんぱく質や脂質もカロリーに関わります。糖質制限をするときでも、糖質以外の栄養素も考慮しましょう。
糖質制限したのにダイエットに失敗する4つの原因
糖質制限をしても、ダイエットに成功するとは限りません。正しい知識を持っていないと、ダイエットをしているのに太ってしまうなんてことも…。ここでは、糖質制限でダイエットに失敗する4つの原因を解説します。
- カロリーオーバーしている
- 糖質を制限しすぎている
- 糖質以外も制限している
- そもそも糖質制限できていない
それでは、順番に見ていきましょう。
1. 該当者多数!カロリーオーバーしている
糖質制限しているのもかかわらず、カロリーオーバーしていることがあります。アンダーカロリーがダイエットの基本なのに、どうしてオーバーしてしまうのでしょうか。
糖質制限では、糖質だけを制限すればいいと考えている人が多いからです。例えば、糖質だけを気にして、たんぱく質や脂質を無制限にしたら、どのような問題が起こるでしょうか。
糖質とたんぱく質、脂質では、1gあたりのカロリーが異なります。それぞれの1gあたりのカロリーは以下の通りです。
- 糖質:4kcal
- たんぱく質:4kcal
- 脂質:9kcal
糖質とたんぱく質は4kcalなのに対して、脂質は9kcalです。糖質を減らした分、脂質の量を増やしたら、簡単にカロリーオーバーしてしまいます。糖質だけでなく、たんぱく質や脂質の摂取量も知っておくようにしましょう。
2. 意外な落とし穴!糖質を制限しすぎている
糖質制限は、糖質ゼロを目指すものではありません。糖質は、私たちにとって重要なエネルギー源なので、無闇に制限するのはやめましょう。
制限しすぎると低血糖になり、倦怠感や頭痛などが生じてしまいます。体調不良になるだけでなく、イライラしやすくなるので、精神的にも良くないです。
このような状態になってしまったら、ダイエットどころではなくなるでしょう。当然、筋トレや有酸素運動もはかどらず、筋力が落ちてしまい、消費カロリーが低下します。
消費カロリーが少ない状態でアンダーカロリーにしようとすると、食べられる量が減り、心身ともに追い込むことに…。
糖質を制限しすぎて悪循環に陥ると、抜け出すのが大変です。しっかりと知識をつけてから取りかかるのが、ダイエットの近道になります。
3. がんばりすぎは禁物!糖質以外も制限している
早くダイエットを成功させたいからといって、糖質以外の栄養素も制限するのは禁物です。ダイエットをはじめたばかりなら、制限するほど体重は落ちますが、長くは続きません。
私たちの体には、「ホメオスタシス」という機能が備わっています。ホメオスタシスとは、体の状態を一定に保とうとする機能です。
食事を制限しすぎて急激に体重が減少すると、体が飢餓状態と判断します。飢餓状態になると、ホメオスタシスによって消費カロリーが減少。その結果、体重が停滞し、ダイエットに失敗する可能性が高まります。
1ヶ月に体重の5%以上の減量が見られたときは、摂取カロリーを増やすようにしましょう。
4. 初心者必見!そもそも糖質制限できていない
糖質制限初心者の方で体重の減少が見られない場合は、そもそも糖質制限できていない可能性があります。糖質を多く含む食品は、ご飯やパンなどの主食やお菓子だけではありません。
野菜の中でも糖質が高いものがあります。下記は、糖質が多めの野菜100gあたりの糖質量です。
- そらまめ:12.9g
- とうもろこし:13.8g
- ごぼう:9.7g
- かぼちゃ:8.1g
- にんじん:6.5g
野菜の糖質量を無視していると、予想よりも多くの糖質を摂取していることがあるので、注意しましょう。また、ドレッシングや調味料にも糖質が多く含まれていることがあるので、確認してから使うのがおすすめです。
4ステップで解説!カロリーオーバーを防ぐ摂取エネルギー計算
カロリーオーバーを防ぐために、「推定エネルギー必要量」を知っておきましょう。推定エネルギー必要量とは、1日に必要なカロリーのことで、以下の式で計算できます。
推定エネルギー必要量=基礎代謝量×身体活動レベル
まずは推定エネルギー必要量を算出し、ダイエットのための摂取カロリーを決定します。
- 基礎代謝量の算出
- 身体活動レベルの算出
- 推定エネルギー必要量の算出
- 1日の摂取カロリーの決定
上記のような4ステップでわかりやすく解説していきますので、ぜひ実践してみてください。
【ステップ1】基礎代謝量の算出
まず、「基礎代謝量」を計算します。基礎代謝量とは、生きているだけで消費されるカロリーです。私たちは、何もしていなくても心臓が動き、呼吸をしています。体温維持にもエネルギーを使っているんですよ。
そんな無意識のうちに消費されていく基礎代謝量は、体組成計などで知ることができます。ご自宅に体組成計のある方は、基礎代謝量をメモしておきましょう。
もし、体組成計を持っていない場合は、こちらのサイトを利用してみてください。
国立健康・栄養研究所の式を用いた基礎代謝量の推定
【ステップ2】身体活動レベルの算出
基礎代謝量を計算できたら、「身体活動レベル」を考えます。身体活動レベルとは、運動や家事などの安静時よりも強度の高い活動を数値にしたものです。
身体活動レベルは、活動の強度によって3段階にわけられます。
身体活動レベル | 日常生活の内容 | |
低い(Ⅰ) | 1.50 | 生活の大部分が座位で静的な活動が中心の場合 |
ふつう (Ⅱ) | 1.75 | 座位中心の仕事だが職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買い物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合 |
高い (Ⅲ) | 2.00 | 移動や立位の多い仕事への従事者、あるいは、スポーツ等余暇における活発な運動習慣を持っている場合 |
参考:日本人の食事摂取基準(2020年版)
多くの方は「ふつう」にあてはまります。身体活動レベルの「ふつう」について詳しく説明すると、通勤や買い物の移動や家事などで1日に合計2時間、仕事中の職場内の移動で合計30分程度の時間を費やしている状態です。これを基準にして、身体活動レベルを考えましょう。
【ステップ3】推定エネルギー必要量の算出
基礎代謝量と身体活動レベルがわかったら、「推定エネルギー必要量」を求めます。推定エネルギー必要量とは、1日に必要なカロリーのことで、以下の式で計算できます。
推定エネルギー必要量=基礎代謝量×身体活動レベル
基礎代謝量が1300kcalで、身体活動レベルがふつう(1.75)の方の推定エネルギー必要量は、下記のようになります。
1300×1.75=2275(kcal)
この場合、推定エネルギー必要量は2275kcalです。つまり、今の生活を維持しつつ、1日に2275kcal摂取すれば体重をキープできます。
【ステップ4】1日の摂取カロリーの決定
最後に、1日の摂取カロリーを計算します。減量したいときの基本は、アンダーカロリーです。つまり、推定エネルギー必要量よりも摂取カロリーを低くします。
急激な減量はダイエットの失敗につながるだけでなく、体調を崩す危険性があるので、推定エネルギー必要量の90%を目安に摂取カロリーを設定しましょう。
例えば、推定エネルギー必要量が2000kcalの方は、1日に1800kcalを目安に摂取していくことになります。
もし、1ヶ月間継続してみて体重が増加する場合は、カロリーオーバーになっている可能性があります。摂取カロリーを100kcal減らして再度様子を見てみましょう。
管理栄養士が解説!正しい糖質制限の方法
糖質制限は人気のダイエット方法ですが、やり方を間違えると減量の効果がなくなるどころか、体調を崩します。健康的にダイエットを成功させるために、正しい糖質制限の方法を押さえておきましょう。
- 1日に摂取する糖質量を計算する
- 食事ごとの糖質の配分を決定する
1日の摂取カロリーがわかっていれば簡単に計算できるので、ぜひ実践してみてください。
1. 1日に摂取する糖質量を計算する
まずは、1日に摂取する糖質量の計算からです。糖質制限をするとしても、摂取エネルギーのうち50%は糖質から摂取します。
例えば、1日の摂取カロリーが2000kcalの場合、1000kcalに相当する糖質が必要です。糖質1gあたり4kcalなので、250gが目安です。
50%という数値は、日本人の食事摂取基準(2020年版)をもとにしています。日本人の食事摂取基準(2020年版)では、1日の摂取エネルギーのうち50%〜65%を炭水化物で摂取することが定められています。
ちなみに、炭水化物は厳密には糖質と食物繊維で構成される栄養素です。食物繊維は、ほとんどエネルギーとして利用されません。
つまり、エネルギーに関わる摂取基準では、食物繊維を無視して、炭水化物=糖質と考えてOKです。
2. 食事ごとの糖質の配分を決定する
1日の糖質量を求められたら、食事ごとの糖質の配分を決めましょう。1日に250gの糖質を摂る場合、朝食、昼食、夕食に3分割すれば問題ありません。昼食と夕食の間が長いなら、間食を摂取するのもおすすめです。
糖質は、私たちの体に必要な栄養素なので、コンスタントに摂取していきます。私が実践していた糖質の摂取方法を紹介するので、参考にしてみてください。
私の摂取カロリーと糖質量は以下の通りです。
- 1日の摂取カロリー:1500kcal
- 1日の糖質量:190g
必要な糖質量を満たすために、以下のことを実践していました。
- 3食に玄米ごはん(150g)を食べる
- おにぎりやナッツ、ベリーなどで糖質量を調整する
- 主菜や副菜の糖質に注意する
私は主食を玄米に固定していました。1食分(150g)の玄米に含まれる糖質は、約51gです。
同じ量の玄米を3回食べると、約153gの糖質を摂取できます。残りの糖質は約40gなので、おにぎりやナッツ、ベリーなどを組み合わせて摂取。
面倒なときは間食でコンビニのおにぎりを食べていました。コンビニのおにぎり1つで約40gの糖質を摂れるので、私にとって丁度よかったです。
ダイエット中の糖質摂取で気にしていたことは、主菜や副菜では糖質をあまり摂らないようにすることです。プロテインやサラダチキンは、糖質が少ないので重宝していました。
正直なところ、主菜や副菜の糖質まで考えるのが面倒だったので、主食で大半を摂取することに。計算する回数が少ないほど楽に継続できますよ。
また、設定した糖質量は、摂取エネルギーのうちの約50%だったので、少し多く摂取してしまってもOK。無理なく実践できる計画なので、初心者にもおすすめです。
ダイエット中でも食事を楽しみたい!消費カロリーを高める3つの方法
ダイエットをしていると、体重の減少に伴って消費カロリーが減りやすくなります。消費カロリーが減ったのに食事内容を変更しないと、カロリーオーバーに…。我慢したくない方は、食事を楽しむために消費カロリーを高める努力をしてみませんか?
ここでは、消費カロリーを高める方法として以下の3つを紹介します。
- 筋トレで筋肉量を維持する
- 日常生活で体を動かす工夫をする
- 食事を抜かない
それでは、順番に見ていきましょう。
1. 筋トレで筋肉量を維持する
ダイエット中は筋肉量が減りやすいので、筋トレをして維持しましょう。筋肉が多いほど基礎代謝が高まり、消費カロリーも増加します。
減量するときの基本はアンダーカロリーでしたね。消費カロリーよりも摂取カロリーが少ないと、脂肪だけでなく筋肉も分解してエネルギーを補おうとします。
アンダーカロリーにしているときこそ、筋トレによって筋肉量を維持しつつ、脂肪を燃焼。筋肉量を維持できれば、無理な食事制限に苦しむことがなくなります。
2. 日常生活で体を動かす工夫をする
日常生活でも消費カロリーを増やす工夫をすることで、食事の量を維持できます。いつもの生活でも少し工夫をするだけで、消費カロリーが高まりますよ。
- エレベーターの代わりに階段を使う
- 電車やバスでは立つ
- 最寄り駅の1つ先の駅まで歩く
- 歩いて買い物に行く
- 自転車通勤に切り替える
- お風呂掃除の回数を増やす
積極的に運動するのも大切ですが、私たちは1日の大半を仕事や家事に費やしています。費やす時間が多い分、消費カロリーを高めるチャンスが豊富です。日々の生活スタイルを見直し、できそうなことから実践してみましょう。
3. 食事を抜かない
実は、食事を抜かないだけでも「食事誘発性熱産生」によって消費カロリーが高まります。食事誘発性熱産生とは、食事を取ることで増える消費エネルギーのことです。1日に摂取するカロリーの約10%を食事誘発性熱産生が占めるといわれています。
食事の後は体がポカポカしませんか?これは、食事誘発性熱産生によるものです。しかし、いつまでも暖かいわけではないですよね。また、食事を抜いたときは寒く感じることもあるでしょう。
食事誘発性熱産生は、食後1時間をピークに徐々に下がりつつ、10時間ほど続くことがわかっています。そのため、コンスタントに食事を取ることで食事誘発性熱産生を高められます。特に朝食は、睡眠による長い絶食後の食事なので、絶対に抜かないようにしましょう。
まとめ
今回は、「糖質制限とカロリーオーバー」についてお伝えしました。まとめると以下の通りです。
- 糖質制限してもカロリーオーバーしていたら痩せない
- 摂取エネルギーを計算してカロリーオーバーを防ぐ
- 制限中でも必要な糖質はコンスタントに摂取する
糖質制限をがんばってもカロリーオーバーなら痩せないということをわかっていただけたかと思います。
無闇に糖質を制限するのではなく、摂取カロリーをもとに糖質量を設定し、コンスタントに摂取するのが重要です。
糖質とカロリーは密接に関わっているので、どちらかを意識すればいいわけではありません。正しい知識を身につけて健康的にダイエットを続けていきましょう!
このコラムでは、他にもダイエット・ボディメイクに関するお役立ち情報を発信しています。ぜひ他の記事もご覧下さい。
※監修『RETIO BODY DESIGN』
岡山県内で7店舗フィットネスジムを運営。
「カラダが変われば人生が変わる」をスローガンに、
ジム初心者を対象にマシンの使い方はもちろん、
適切な食事についてもトレーナーが無料レクチャー。
ヨガやピラティスなど人気プログラムも無料で何度でも
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