岡山ものづくり物語 Studio乃々
岡山発の魅力的なアイテムを集めた、イオンモール岡山5階の『ハレマチ特区365』。
そこで販売されるアイテムが生まれた現場を訪ねます。
普段の生活の中に上質さをプラスする、シルバークレイの繊細なアクセサリー。
岡山大学近くに工房を構える『Studio乃々』の矢吹公乃さん。生まれも育ちも岡山市内だという彼女は、岡山大学教育学部特別教科教員養成課程でデザインを学び、いったん就職。現在のシルバークレイ、つまり銀粘土で作るアクセサリーとの出合いはというと、近所で開かれていた教室に参加したことがきっかけだった。銀粘土で思うまま自由に形作ることができ、造形から仕上げまでひとりで完結して作れるシルバークレイアクセサリーに強く魅力を感じ、本格的に技術を習得。退職後の2007年より作家活動をスタートさせた。
基本の作り方は、まず銀粘土が柔らかいうちにパーツをかたどり、乾かしたのちに表面に彫刻のように筋を付けたり彫りを入れたりする。それらのパーツをペースト状の銀粘土でくっつけて約800℃の電気炉で焼くと固まり、純度99.9%の銀でできたモチーフができあがる。その表面に磨きをかけて完成させていく。矢吹さんの作品の魅力は、その繊細な細工。1㎝にも満たないまだ粘土のパーツに湾曲を付けたり彫りこみを入れたりしていくのだが、芸術系の学科を卒業しただけあり、その美的センス、造形技術の高さには目を見張る。しかもパーツは型押しではなく、すべてひとつひとつが自分の目測で作る1点もの。それぞれ微妙にニュアンスを持たせたパーツを組み合わせるからこそ、彼女の作品の魅力のひとつである自然の揺らぎが感じられる一点ものの作品ができあがるのだ。
そんな手塩にかけて作った作品たちは、シルバーという貴金属でありながら日常使いできるカジュアルさも持ち合わせている。「普段の生活の中に、ちょっとしたぜいたく感、上質感をプラスさせるためにこのシルバーアクセサリーを使ってほしい」と語る矢吹さん。仕事に、プライベートにとさまざまな場で活躍しそうなアイテムは、こんな現場で作られている。
細かく筋を入れたり、彫ったり…。作品作りの工程はまるで彫刻のようだ
仕上げの研磨は、約20種類のリューターポイントやヤスリ、布を使って行っていく。作りこみから仕上げまで、最短でも2日はかかる
ハレマチ特区365 どこで販売?
Studio乃々
2007年より作家活動をスタート。工房では体験教室も行われている。『ハレマチ特区365』では2カ月ごとにワークショップも開催されている。
Information
Studio乃々
- 住所
- 岡山市北区北方1-9-33-1
- 電話番号
- 090-2802-0540
- 駐車場
- 2台
- HP
- http://studio-nono.com/
ハレマチ特区365
Information
ハレマチ特区365
- 住所
- 岡山市北区下石井1-2-1 イオンモール岡山5階
- 電話番号
- 086-206-7204
- 営業時間
- 10:00~21:00
- 休み
- なし
- 駐車場
- 約2500台(共同)
- HP
- https://hare365.com/