岡山ものづくり物語 倉敷手まり
岡山発の魅力的なアイテムを集めた、イオンモール岡山5階の『ハレマチ特区365』。
そこで販売されるアイテムが生まれた現場を訪ねます。
倉敷の民藝への思いから生まれた、愛らしい「倉敷手まり」。
倉敷生まれのかわいい民藝品「倉敷手まり」。さまざまな色や幾何学模様の、その素朴な佇まいは見ているだけでほっこり優しい気分になれそうなアイテムだ。
懐かしさを感じるこの手まりだが、世に出始めたのは意外にも平成2年から。きっかけは、倉敷で民藝運動に注力していた『倉敷民藝館』初代館長の外村吉之介さんが、昭和57年に民藝に関する研修の一環で訪れた熊本県で「肥後てまり」に出合ったことからだった。彼はまずその美しさに感動。さらに、この美しい手まり制作を通じて「民藝の精神や手仕事の大切さを倉敷にも伝えていければ」という思いが高まり、やがてこの手まりをベースに倉敷での独自の解釈を加えた新しい民芸品を生み出そうと動き始める。具体的には当時外村さんが開講していた民藝講座に参加していた主婦たちに声をかけ作り始めることに。当初は外村館長に作り方や民藝に対する考えの教授を受けながら、外村館長が亡くなった現在もその教えを頭に置きながら制作に取り組んでいる。
彼女たちは、商品化された平成2年から「倉敷手まり会」を結成。現在メンバーは10名ほどで、月に1度、代表である楠戸久子さんの自宅の離れに集まり、共同で制作を行なっている。白い木綿糸をきつく巻きつけた芯を作り、同じく木綿の色糸を巻き、刺しゅうを施す。巻く糸の染色も一部は自ら手がける。肝となる柄は、色糸の配色を1本変えるだけで印象が変わるという。この繊細な審美眼の基本となっているのは初代外村館長の教え。色や柄に調和が取れているか。健康的で無駄がなく用の美があるか…。新しい柄を作ってみるときも、新しく針刺しを作ったときも、いつもメンバーが頭に浮かべるのは「外村先生はこれを見てどう思うかしら」。この手まりは、初代外村館長の残した精神を伝える品でもあるのだ。民藝の魅力を今に伝える彼女たちが「ものを作る知恵と責任と喜び」を感じながら作っているのが、この「倉敷手まり」なのだ。
ハレマチ特区365 どこで販売?
倉敷民藝館
民藝の博物館としては『日本民藝館』に次いで2番目に作られたこちら。民藝のよさ、魅力を今に伝え、普及活動に取り組んでいる。
Information
倉敷民藝館
- 住所
- 倉敷市中央1-4-11
- 電話番号
- 086-422-1637
- 営業時間
- 9:00~17:00(入館は~16:45)
- 休み
- 月曜(祝日の場合は開館)
- 料金
- 一般700円 高校・大学生400円 中学校以下300円
- 駐車場
- なし
- HP
- http://kurashiki-mingeikan.com/
ハレマチ特区365
Information
ハレマチ特区365
- 住所
- 岡山市北区下石井1-2-1 イオンモール岡山5階
- 電話番号
- 086-206-7204
- 営業時間
- 10:00~21:00
- 休み
- なし
- 駐車場
- 約2500台(共同)
- HP
- https://hare365.com/