「岡山ラーメン★エクスプローラーズ」が大復活。
ラーメンが大好きな大盛りアニキとバリカタ姐さんがコンビを結成。毎月気になるテーマを掲げ、無理やり独断で3選します! そして再び岡山のラーメン界に参戦!←ダジャレ
アニキがチョイスし、姐さんがお店に突撃取材! 選びますとも、行きますとも、聴きますとも!
店主やスタッフが普段は話さないようなことをインタビューで引き出して、岡山のラーメンのさらなる魅力に迫ります!
《連載第2回》今回のテーマは「倉敷美観地区周辺で、足を伸ばしてでも味わいたいラーメン」
皆さんお元気ですか。大盛りアニキです。
先月、突如の復活劇っ! 大変な反応をいただきました。夢はSOSO! 感謝カンゲキ雨嵐ですよ。引き続きがんばっていきたいと思い… って、がんばって取材してるの相棒ばっかじゃんねぇ?!
さて、ワタクシ。全国各地を旅するのが大好きです。しかも未踏の地を開拓するのが超絶に好き。
足を踏み入れたことのない土地で、その地域独自の食材や旬のものなどを食すのは、この上ない至福の瞬間ですよね。ワタクシの場合、そこで外せないのはやっぱり愛するラーメンなわけですよ。
最近は驚くような場所にも「ご当地ラーメン」が存在してます。岡山にも全国のラーメンが集まってきてはいますが、まだまだ食べられないものの方が多くて。旅行と称して「密航」しちゃうわけです。
でも実は、「ご当地ラーメン」でなくてもいいんですよ。いやむしろ、観光地などを離れ、地元の人に話を聞いて、「その地に根差し、地域の人に愛されている店」にこそ足を運ぶことの方が多いか。
地域の名産を盛り込んだり、ほかにない特徴を打ち出したり、歴史や文化に紐づけたり…。どこか「まちおこし」的色彩を帯びている「ご当地グルメ」は、個性や特徴を解りやすく打ち出していて魅力的ではあるんですが、地元の人に普段使いされているお店にこそ、「土地柄」が表れてたりするんですよね。岡山のラーメン店の多くもそんな感じじゃないですか? 地元では気付かないだけで。
「ご当地ラーメン」でも、じゃなくても。たとえ地味な印象でも。地域の特色や風土の違いを感じられる一杯は魅力があり過ぎて…。札幌で博多の豚骨ラーメンを普通に食べられる令和の時代においても、地域性って確実にありますよ。驚くことが多いです。まだまだ知らないことばかりですね。
逆に岡山に来る人のことをイメージしてみると、初めて『倉敷美観地区』にやってきて。下津井タコやサワラ、ママカリなんか食べて。「で、ラーメン食いたい!」って思ってしまう人もいるのかなと。
だけど「倉敷ラーメン」って定義されるご当地ラーメンはそんな聞かないし、「笠岡ラーメン」巡礼には距離もあるし…。となると必然的に「地元で愛されているお店」ってなりますよね? なるともさ!
というわけで今回は、地域で愛されるラーメン店を3軒ご紹介します。倉敷美観地区の中にも旨くて地元で愛されているお店はありますが、あえて周辺へ足を延ばして頂きたいと。でも徒歩圏内で。
かといって岡山県、倉敷在住の人もスルーはナシでね。 「あ~この店好き!」とか、「アニキ分かってねぇわ。なんであの店じゃねぇの?」など、心の片隅にでも小さくメモしてみてください。で、気になったらぜひ足を運んで頂きたいと! 県外からの来客時に観光とセットで案内するのもありか。
というわけで、始まります。今回もよろしく。バリカタ姐さん、行ってらっしゃい!
こんにちは! 現場担当バリカタ姐さんです。地元のラーメンLOVERはもちろん、倉敷観光に訪れる人のグルメ情報にも役立つ今回のテーマ。旅行先で出合う地元のおいしいラーメンって記憶に残りますよね。
尾道や笠岡のように「ご当地ラーメン」が根付いた土地ではないからこそ、いろんなラーメンの味に出合える楽しさがあります。
というわけで、今回は味のタイプも雰囲気も異なる3軒をご紹介。どの店も美観地区やJR倉敷駅から徒歩10分圏内で行けちゃいますよ。では、行ってきます!
月のうつわ 鶴形店(倉敷市鶴形)
商店街の裏道に佇む名店。心くすぐる「路地うらーめん」
古きよき商店が立ち並ぶ「えびす商店街」と、美観地区寄りにある「倉敷本通り商店街」。そのちょうど間の裏路地を入った先にあるのが『月のうつわ 鶴形店』。
以前は住宅地にある古民家ラーメン店でしたが、2018年に現在の場所に移転しました。倉敷らしい路地に溶け込む佇まい、独自の製法と素材にこだわった味で地元客や観光客に人気を集めています。
まろやかでコク深いスープ&背脂のうまさに感動!
こちらでは化学調味料を一切使わず、天然素材の味にこだわりぬいたラーメンを提供しています。
ダシは親鶏をベースに魚介の風味を足し、返しには千葉県で180年超の歴史を誇る『宮醤油』のしょうゆを取り寄せて使っているとか。伝統製法による「生きた醤油」の旨みが味の決め手になっています。
背脂がたっぷり乗った「尾道背脂そば」890円。透き通った醤油スープは角がなくまろやか。一口ごとにコクが広がり後口までしっかり風味が残ります。
背脂はさすがにこってりかな?と思いつつ食べてみると、これまたクドさがなく美味! 特上ランクの背脂はスープにドロッと溶けすぎずに形を残しています。噛むとホロっとほぐれる触感があり、もはや具材とも呼べるほどの存在感。
大きなチャーシューやメンマ、煮玉子も一つひとつ丁寧に味付けされているのが分かります。スープに潜んだ刻みタマネギもコクと触感のよさを倍増。良い仕事をしてますね~。
このほかにも人気の「黄金そば」830円や、「塩そば」790円、辛さを調節できる「激辛ラー油そば」980円などメニューのバリエーションが豊富です。
「リトルトーキョー」をテーマにした店内の風景です。鎧兜やアンティーク着物、番傘、浮世絵などが飾られ、江戸時代の粋を感じる華やかな和を表現しています。ラーメン店のイメージを覆す内装ですが、外国人の方にはとても喜ばれそうですね!
「地域になじんだお店なので誰でも気軽にお食事いただけます。次は『路地うらーめん』ブームを期待してます(笑)」と店長さん。ナイスネーミング。ラーメンの新ジャンルを確立しました?!
ふらっと訪れたくなる路地裏の名店。丁寧に仕込まれる天然素材のラーメン、ぜひ探してでも味わってほしいです!
第二又一(倉敷市鶴形)
愛されて半世紀。昔ながらの味を守り続ける
倉敷駅周辺の中でも、とりわけ昭和レトロな香りが漂う鶴形1丁目の「倉敷デパート」。
昭和30年代に建てられたビルの中に十数件の店が軒を連ねる小さな商店街ですが、そのエリアの東端にある「旭商店街」の入口に、昭和41年創業のラーメン店『第二又一』があります。
読み方は「だいにまたいち」。「又一」を「ヌー(Nuu)」と読んでしまわないように気を付けましょう。
こじんまりした間口を入ると、中はカウンターのみの13席。店内の赤テーブルが懐かしい雰囲気を演出しています。この赤色が食欲をそそりますよね。
店主の勝又健人さんは28歳。祖父の引退を機に店を継ごうと決めたのは22歳の時。「創業時から通い続けてくださっているお客さんも多く、みなさん可愛がってくださいます」と笑う勝又さん。
ファンのためにと、昔ながらの変わらぬ味を守り続けています。
クセになる濃厚しょうゆ味。名物「又一そば」5段活用
『第二又一』のメニューは5種類。しょうゆベースの名物「又一そば」650円を筆頭に、「特製そば」750円(肉多め)、「大盛りそば」750円は(そば多め)、デラックス「大盛りそば」850円(肉&そば多め)、「日の丸そば」650円は(肉なし玉子入り)と、具材のアレンジが変わっていきます。
つまりラーメン自体は「又一そば」オンリー。創業から53年、ひとつの味で勝負し続けています。
こちらのラーメンは、鶏ガラのだしに返しのしょうゆを利かせた濃厚なしょうゆスープが特徴。コクの強いスープにのど越しのよい中細麺が絡みます。
さりげなくラーメン鉢の後ろに置かれている瓶。実はこれ、第二又一のラーメンの風味にパンチを加える秘密兵器「マジックパウダー」。最初はそのまま食べて、中盤からちょっと振りかけて味変させるのがおすすめです。
肉厚の自家製チャーシュー。しょうゆタレが染み込んで柔らかくジューシーです。
昔はもっと黒かった「又一そば」のスープ、今は幅広い層に受け入れられる味に進化しています。通うほどにクセになるおいしさを実感してください!
Hanabi 塩ラーメン(倉敷市阿知)
真摯に一杯と向き合うべし! 秘伝スープの極上塩ラーメン
多くの飲食店が軒を連ねる、JR倉敷駅前の『倉敷一番街』。そのエリアにこだわりの塩ラーメンを提供するお店があります。
ブラウンカラーのモダンな外観が目を引く『Hanabi 塩ラーメン』。倉敷駅から歩いてすぐ、美観地区を散策した帰りの夕食や、飲みの締めにもぴったりのお店です。
お店に着くと「秘伝の源湯スープ」と書かれた看板がありました。ん、源湯?聞きなれない単語ですが、このスープがおいしさのポイントとなっているようです。お店に入る前から、ワクワクと期待感が募ります。
迎えてくれたのは店長の林さん。「まずは食べてから」ということで、忙しい仕込みの合間に人気の塩ラーメンをつくってくださいました。
店内は照明を抑えたシックな雰囲気。カフェやダイニングバーのように、女性ひとりでも気負わず食事を楽しめそうです。こんな心地よい空間なら、締めの一杯も罪悪感なく味わえそう。
単なる腹ごしらえではなく、一日の最後のご褒美感覚で訪れたいですね!
深いうまみが溶け込んだ、完成度の高い味わい
元々は中華料理店として営業されていたお店を、2015年に塩ラーメン専門店としてリニューアル。秘伝の源湯スープは、中華スープをベースにしたオリジナルのスープのことだそうですよ。
そして来ました、美しいビジュアルの『Hanabi』特製塩ラーメン。透き通るような源湯スープにチャーシュー、白ネギや山クラゲなどの具材が上品に盛り付けられています。
まずは源湯スープをひと口。まろやかな風味の後にくる上品なコクがたまりません。
源湯スープは、中華スープに和のタレをさりげなく利かせ、あっさりした独自の風味に仕上げています。麺は国産小麦を100%使用した極細麺。さっぱりした塩味のスープによく合います。
チャーシューは薄切り2枚。香ばしい肉の味がコクを強めています。オレンジ色の粉末は、スープに爽やかさを加えるアクセントになっています。
メニューは定番の「塩らーめん」780円をはじめ、「特製塩らーめん」850円、トッピングや「塩豚そぼろご飯」350円などがあります。
「一杯一杯を丁寧につくることを大切に、スープ、麺、具材と、すべてが引き立て合うベストなバランスを追求しています。まずはそのままの味をじっくり味わってほしいですね」と林店長。確かに、心落ち着かせて真摯にラーメンと向き合いたくなる繊細な旨さです。秘伝のスープにすっかり心癒されました!
まとめ
倉敷美観地区周辺には、魅力的なラーメン店がたくさん点在しています。今回はテイストの違う人気の3件をご紹介しました。地元の人も観光で訪れる人も、倉敷グルメを堪能するなら個性豊かな地元ラーメンもおすすめですよ!