「岡山ラーメン★エクスプローラーズ」が大復活。
ラーメンが大好きな大盛りアニキとバリカタ姐さんがコンビを結成。毎月気になるテーマを掲げ、無理やり独断で3選します! そして再び岡山のラーメン界に参戦!←ダジャレ
アニキがチョイスし、姐さんがお店に突撃取材! 選びますとも、行きますとも、聴きますとも!
店主やスタッフが普段は話さないようなことをインタビューで引き出して、岡山のラーメンのさらなる魅力に迫ります!
《連載第1回》今回のテーマは「カツラーメン」
みなさまご無沙汰いたしております。大盛りアニキです。約2年の沈黙を経て、このたび新・相棒とともに「新生・岡山ラーメン★エクスプローラーズ」として復活いたしました。
しかしご安心ください! 今回の連載でメインで取材をしてくれるのは新・相棒の「バリカタ姐さん」です。ワタクシの無駄に長い文章はありませんから!
というわけで、新たなる連載は「独断の3選」。そのとき気になったテーマから、ワタクシが無理くり3件を選び、「バリカタ姐さん」が取材に赴きます!
毎回、気になるテーマや注目のお店を、頭を悩ませまくってセレクトしていきますので、乞うご期待です!
さて、今回のテーマは「カツラーメン」。
岡山ではド定番の「カツラーメン」ですが、他エリア的には珍しいってことで全国ネットのテレビにも取り上げられ、逆に驚く人も多いですよね。「『うったて』って言葉は岡山弁だったの? むしろ他県ではなんて呼ぶの?」みたいなやつです。
もちろん、他県にもトンカツを載せたラーメンはあるようですが、あくまでも「トッピング」って位置づけのよう。そりゃね、上に載せるって意味では岡山でもトッピングですけど。だきゃらっ。違うんですよ!
岡山の「カツラーメン」は、カレーで言うところの「カツカレー」みたいな存在とでもいうか…。 たとえば一般的に「カツカレー」と「唐揚げカレー」って、意味合いが全然異なりません?「カツカレー」も岡山での「カツラーメン」も、しっかり「一般名称化」してるじゃないですか!
要は「カツラーメン」は岡山ではメニューのひとつとして、しっかり市民権を得ているんです。つまりは「一般定着度合い」が、ほかの地域とはケタ違いなんですね。「オーダー率も高い」とよくお聞きします。かなりの人気メニューですし。
ちなみに、なぜ全国の人々がこの組合せに驚くかというと、ただでさえ油分の多いラーメンの上に、さらに油っぽいトンカツをオンするなんて正気かと?! スープ吸って衣がベチャベチャで、サクサク感も台無しになるじゃんと?! うん、分かってない。全然分かってないよぉ!
というわけで、記念すべき第一回。今回がデビュー戦です。バリカタ姐さん、行ってらっしゃい!
はじめまして! ラーメンエクスプローラーズの現場担当バリカタ姐さんです。栄えある連載第1回目のテーマは「カツラーメン」ということで、全国的な王道メニューで攻めてこないところが、マニア度高めの大盛りアニキらしいですね。
カツ&ラーメンという重量級タッグをデイリーな人気メニューとして提供し続けている3店、とても気になるところ。早速足を運んでみたいと思います!
中華そば 浅月本店(岡山市北区)
岡山ラーメンの原風景、ここにあり
1948年の創業から70年を超える、言わずと知れた岡山屈指の老舗ラーメン店『浅月本店』。初代店主の上山政治さん、ハルエさん夫妻が、戦後復興の時代に当時は珍しかった中華そばを提供して人気を集めました。
「昔ながらの中華そばといえばココ」と名前を挙げる人も多いのではないでしょうか? 現在は2代目店主の柳原速雄さん、雅江さん夫婦と息子さんが切り盛りし、変わらぬ岡山の味を守り続けています。
昭和らしさの残る店内。カウンターの暖簾や木の値札などの懐かしいアイテムが、お店の歴史を物語ります。入った瞬間からお客を和ませるこの空間が素晴らしく、ラーメンの味も間違いないぞと思わせてくれる安心感。岡山駅西口周辺のサラリーマンや学生など、腹ペコのお客の胃袋を満たす駆け込み寺的存在なわけです。
看板メニューの「中華そば」700円は、醤油ベースの濃厚な豚骨スープがのど越しのよい自家製麺に絡み、シンプルながらじんわりと深い味わい。チャーシューやモヤシ、玉子といった具材とのバランスも絶妙で、ラーメン好きのハートをつかむ「ザ・岡山ラーメン」を体現する逸品です。
愛されてもうすぐ四半世紀。カツそば930円
男性を中心に大人気という「カツそば」は、50年ほど前から登場した名物メニュー。豚ロースのカツとチャーシューが半々のバランスでトッピングされ、2種の肉のうまみとサクサクの衣がスープにジュワッと染み込むことで、さらにコク深さが増しています。
ここはぜひ、チャーシューとカツを交互に味わう楽しさを感じてほしいですね。さらにご飯にスープ&カツを乗っけて食べる丼スタイルもおすすめ。しかも14:00までは付属のライスが90円というから好都合! 大食いさんにはぜひ試してほしい組み合わせです。
岡山でいち早くカツラーメンを浸透させてきたという『浅月本店』。2代目の奥様、雅江さんに「カツそば」ができた経緯を聞いてみたところ、「関東地方から来たお客さんが、地元にカツを乗せたラーメンがあると教えてくれて。やってみたらおいしくてレギュラー入りしたんです」とのこと。なんと、他県のメニューが「岡山の定番」のヒントになっていたとは! お客さんの声をメニューに生かす柔軟な姿勢が人気メニュー誕生のきっかけになったんですね。「幅広いお客様に好まれる味を追求しながら、伝統の味も大切に」と語る雅江さん。老舗店の魅力がたっぷり詰まったカツそば、心に染みるおいしさでした!
中華そば・カツ丼 広松 南輝店(岡山市南区)
ラーメン&カツ丼の二大看板を掲げる人気店
創業から30余年、その人気を不動のものにしている『広松 南輝店』。「中華そば」と「カツ丼」という二大看板で3店舗を構え、甘味のあるデミソース&濃厚スープという岡山らしい味わいが、地元のラーメンファンに熱く支持され続けています。
カツ丼の名店が手掛けるカツラーメン、そのこだわりの味を求めて向かった『広松 南輝店』は、2代目店主の廣瀬さんが自ら腕を振るい、昔からのリピーターも足繁く通う評判店です。
濃厚スープとふんわりカツがクセになる!
自慢のスープは、しっかり豚骨を煮込んでうまみを凝縮させた濃厚な味わい。まろやかなコクがあり、麺にしっかりと絡むとろみが特徴です。スープの味は薄め、濃いめと、好みに合わせてリクエストできます。
廣瀬さんいわく「あくまでもデミカツ丼のために揚げている」というこだわりのカツは、ふんわりとジューシーな揚げ具合になるベストな温度を見極め、揚げる時間やタイミングをコントロール。
香ばしい衣に肉のうまみをぎゅっと閉じ込めています。ラーメンのスープを加えて作るという、まろやかなデミソースとの相性も抜群です。
今回の本命メニュー「とんカツラーメン」1100円は、まるでドンブリにフタをするかのように惜しみなくカツをトッピング。その下にはチャーシューも2枚入っています。単体でも十分おいしいカツが、スープの濃密な味わいに絡んで、よりジューシーで滋味深く大変身。後をひくおいしさで、あっという間に完食。
「カツ丼には自信を持っているので、デミカツ丼ととんかつラーメン、両方味わっていただけるとうれしいですね」と廣瀬さん。「中華そばとカツ丼(小)セット」1050円も人気で、カツラーメンと合わせてぜひ味わっておきたいメニューです。
廣瀬さんは『広松』3店舗の味をまとめる代表として、先代の味を20年以上守り続けています。「作り手が違うと味に個性の差が出てきますが、あくまでも『広松』の味をベースに、よりおいしく喜ばれる味となるよう進化させていきたいです」と語ってくれました。
全国ネットのテレビ番組でも紹介され、県外客から訪れる客も増えている『広松』。カツラーメン好きならずともぜひ押さえておきたいお店です。
ラーメン&foods bar 彩華 Saika(倉敷市)
ラーメン×barの融合。昼、夜と使い勝手抜群
広い店内の一角にあるのは、間接照明がムーディーなバーカウンター。ラーメンの湯切り音より、シェイカーのシャカシャカ鳴る音が聞こえてきそうなこちらのお店は、倉敷市郊外にある「ラーメン&foods bar彩華」。
醤油や塩などあっさりした風味のラーメンが評判で、フードバーという名前の通りチャーハンや唐揚げなどのセットメニュー、お酒に合う一品料理も取りそろえています。
家族や友人同士でゆったり食事やお酒をたのしめるのはもちろん、物腰の柔らかい店主やスタッフとのフレンドリーな会話を求めて通う常連さんも多いそうです。
あっさり系の変化球。「カツらーめん」900円
名物のラーメンは、野菜ダシの風味と豊かな香りが効いたスープが特徴。「やさい塩らーめん&ピリ辛らーめん」790円など、たっぷりと野菜をトッピングしたメニューがそろっています。
そんな中でありました! こってり系代表の『カツらーめん』900円。スープがすっきりしている分、カツのジューシーさや衣の香ばしさが引き立ちます。サクサクした衣をスープに沈ませ、ジュワっと柔らかくなったところで口の中へ。
衣が含んだスープがさらなるコクを増幅。お肉もふわっと程よい柔らかさで、噛むほどに口の中いっぱいにうまみが広がっていきます。
店主いわく「うちはあっさり系ラーメンが主流なので、このカツラーメンはメニューの中ではインパクトのあるトッピング。がっつり食べたい人向けの変化球として楽しんでいただければ」と、あくまでもラインアップの一つとしての位置付け。それが、隠れ人気メニューとして、常連客を中心に口コミで人気を集めているのだそうです。
店内は、窓から自然光の入るグループ用のテーブル席と、バー仕様のカウンター席との2つに分かれています。写真は2人掛けのカウンター席。このこじんまりとした密着感がデートにもぴったり。デートでラーメン、という選択肢もここならアリですよね!
ランチからディナーまでおまかせ、飲んだ後のシメのラーメンもバーでそのまま味わえちゃう。グループでも一人でも気軽に来られる。そんな使い勝手のよさがこのお店の大きな魅力です。
夜のシメにカツラーメンというのもなかなか新鮮。ラーメン通にもぜひ注目してほしいお店です。
まとめ
今回の3店を通じて、カツラーメンのおいしさとは何ぞや?と考えたところ、「カツとラーメンの一体感」にあると気付きました。「衣はサクサクがおいしい」という概念にとらわれず、スープを吸った揚げ衣がジュワっととろけるあの柔らかさとうまさが、ほかのトッピングにはないおいしさです。あの食べ応えと満足感は、ラーメンの中でもトップクラスかも!?