1919年に表町で1号店がオープン
時々無性に食べたくなる…記憶に残るパンがずらり。岡山県民が愛してやまないご当地パン『岡山木村屋』は今年で101周年を迎える。
今回の記事では、「キムラヤのパン」が今まで歩んだ歴史と、その魅力をひも解いてみたい。
『岡山木村屋』の歴史は大正時代にまでさかのぼる。創業者の梶谷忠二さんは、「あんぱん」の元祖として名高い『銀座木村家』で修業した後、1919年に1号店となる『銀座木村屋 岡山支店』を岡山市表町に開業した。
▲(左)今の岡山市北区表町に1919年に創業した1号店 (右)発売当時のロールパンは袋ではなく包み紙の包装だった。昭和に入り工場生産が本格稼働。専売店の申し込みも増えた。
パンづくりへの情熱は100年間変わらない
まだパン自体が珍しかった時代、酒種で作る風味豊かな餡パンの味は、瞬く間に街の名物として広まった。
終戦後には「スネーキ」、当時高級品だったバナナをイメージした「バナナクリームロール」などのロングセラー商品が誕生し、独自のレシピを生かしたパンの開発が加速。
東京オリンピックの開催された1964年には、現在の倉敷工場が完成したことで大量生産が可能となり、地元の販売店や専売店を増やすなど、岡山を代表するパンメーカーとしての礎を築き上げた。
常務取締役の村上さんは昭和、平成の発展期を振り返って語る。
「常に新しい挑戦をするいっぽうで、おいしく安全なパンづくりへの情熱は100年変わりません。食文化の変遷や時代のニーズを読み、変わらぬ味への努力を重ねています」。
みんなに愛される「変わらない味」
真夜中のパン工場に甘く香ばしい香りが漂い始める。
工場ではさまざまな種類のパンを毎日製造し、朝一番に店に届けられるよう品質と時間を徹底管理。美しく焼き上げた大量のパンが並ぶ様子は、まさに圧巻のひと言だ。
▲(左)出荷時間に合わせてオーブンでじっくり焼き上げられるロールパン。(右)工場で夜作られたパンが朝配達され、店頭に並ぶ。直営8店舗にはベーカリーキッチンも併設
『岡山木村屋』は商品ごとに改良を重ね、岡山のみんなに愛される「変わらない味」を生み出してきた。
それは、創業当時の味そのままではない、時代に合わせて進化させた飽きのこないおいしさ。
ヒット商品に甘んじることなく、月二回ほどは新作をリリースし、店内で焼きたてパンを提供するベーカリーキッチンの商品も充実させるなど、客のニーズに寄り添った商品開発や店づくりを行なっている。
次の100年へ。大きな企業になるより、よい企業に
2021年の春には「バナナクリームロール」をはじめとするロングセラー商品のパッケージリニューアルや、さらなる新作パンの登場も控えているそう。
▲(左)「漬物ロール三兄弟」として人気の「サラダロール」各140円のシリーズは、近年のヒット作 (右)季節のフルーツを使った「いちごサンド」410円はクリームがたっぷり
「大きな企業になるより、よい企業になる」という思いで新たなステージへ。
次の100年も、多くのファンを喜ばせてくれるに違いない。
Information
Information
岡山木村屋 倉敷工場売店
- 住所
- 倉敷市中庄2261-2[MAP]
- 電話番号
- 086-462-6255
- 営業時間
- 6:00~22:00
- 休み
- なし
- 駐車場
- 28台
- HP
- https://www.okayama-kimuraya.co.jp/
※各直営店、専売店の情報はHPを参照
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