その23。倉敷市・中庄の『ぶっかけ亭本舗 ふるいち松島店』の「きざみぶっかけ」580円
~幸せのおすそ分け~
おいしいものを食べると、どうしてこうも幸せ気分になれるのでしょうか?
この幸福感を少しでもおすそ分けできればと、食いしん坊ライターが出会った岡山のグルメ情報をお届けします♪
[ナビゲーター]つつみん
岡山で生まれ育った、生粋の「おかやまん」つつみんです。「どこかおいしいお店知ってる?」が口ぐせで、評判を聞きつけては西へ東へと車を走らせるうち、通販でしか洋服が買えない、立派な球体フォルムへと進化を遂げたけれど…。
おいしいものを食べなくちゃ人生なんてつまらない!! だからとりあえず今日も、幸せの味を求めていざ出発!!
倉敷市発祥のうどん店
3月は旅立ちのとき。これから始まる新生活に向け、期待と不安が交錯する季節ですよね。逆にこの春から、岡山で新生活をスタートさせるという方も多いのでは?
そこで、今回は『ぶっかけ亭本舗 ふるいち』をご紹介します。こちらの「ぶっかけ」は、倉敷市民であれば、おそらく誰もが一度は口にしたことがあるであろう「地元の味」。岡山に来たからには、一度は味わってほしい「倉敷名物」です。
「うどん県・香川」の「ぶっかけ」とは一線を画す味に驚きますよ! だって味の要、ぶっかけつゆの味がまったく違うんです。どう違うかはこのあとじっくり語ります!!
やってきたのは、国道2号線沿いに建つ「松島店」。こちらの店舗は、先に揚げ物やおにぎりなどのサイドメニューから取っていくタイプのセルフスタイルです。ちなみに、店舗によって先にうどんをオーダーするところもありますよ。
揚げたてのサイドメニューがずらり!
ナスやカボチャの天ぷら、牛肉コロッケ、おにぎりなどが約20種類ずらりと並んだ様は、まるでメインのうどんへと続く「レッドカーペット」ならぬ「ブラウンカーペット」のよう(笑)。なんとも華やかです。
壮観な眺めの中から、私は「野菜かき揚げ」と、「半熟たまご」をチョイス。そしてメインのうどんは1ミリの迷いもなく、「きざみぶっかけ」を注文です。
並々ならぬ食への好奇心を自負する私ですが、ここではこの3品がガチガチの定番。しかも「きざみぶっかけ」は、つゆと麺が冷たい「冷」か、温かい「温」が選べるけど、真冬でも絶対「冷」で通してます。
何故かって、すばり好きだから(笑)。なんだかんだ試して最終的にたどり着いた鉄板3品です。
あっ、ちなみに。冷たい「きざみぶっかけ」をオーダーする際は、「冷きざみで」というと、常連感がでます。「だからどうした」程度のプチ情報ですけど(笑)。
これぞ鉄板!「きざみぶっかけ」
ジャ~ン。こちらがその「きざみぶっかけ」580円です。現在13種類ある「ぶっかけ」シリーズのなかでも不動の人気を誇る一杯なんですよ。
「ぶっかけ」シリーズの最大の特徴は「つゆ」。甘いんです! 正確に表現すると、すごくダシのきいた甘辛味って感じかな。
とは言え、すき焼き風の甘辛とはまったく別モノで、だしの奥に甘さがあるとういか、しょう油辛さとはまた違う、しっかりとダシを感じられる甘辛さなんですよね~。
この味を伝えるのって本当に難しいんですが、とにかく未だかつて、ほかのうどん店では出合ったことのない味なんですよ!
具材には、コンブにシイタケ、かまぼこ、天かす、ゆで玉子、そして油揚げがオン。この分厚い油揚げがたまらんのですよ! 甘辛のタレがしっかり染み込んでいて、噛んだ途端にジュワ~と口の中で広がって…。あぁ、こうして書いているだけで食べたくなってきてしまう!
そしてこちらが、衣はサックリ、黄身がトロ~んの「半熟たまご天」。見ただけでおいしさが伝わってくるでしょっ! 一体どーやって作ってるんだろ。謎です。
「刻むのが面倒だろな~」てほど、同じ大きさに細くカットされたニンジンやら、サツマイモやらタマネギやらがミックスされている「野菜かき揚げ」です。
ほぼほぼ具材で衣の量は少なめだから、こんなに高さがあって大きいのに、中までカラッと揚がっていて秀逸。で、160円! お得感も満載です。ぶっかけのツユにちょっと浸して食べるのもグー。
変化球!「釜たま明太」
さて、仕事仲間が頼んだのはこちらの「釜たま明太」560円。「ちくわ天」と「おいなり」がサイドを固めます。
「釜たま明太」は「温」限定。特製のしょうゆダレを掛けたら、しっかり混ぜ合わせて食べるのがおすすめの食べ方なのだとか。
さすがの私もうどんはシェアしないので伝聞ですが、温かい麺に卵が絡まる絶品とのこと。明太子の塩気がまた絶妙なのだそう。
そうでなくても、ツルツルと滑らかでのど越しのいい麺に卵がからまるんだから、そりゃあ、おいしくないわけがない!
「次は絶対これを食べよう!」て思ったけど、きっとまた「きざみぶっかけ」頼んじゃうんだろうな~。だって「マイソウルフード」ですから。簡単に抗えそうにはありません!
そうそう、最後になったけど『ふっかけ』の誕生秘話って知ってます?
なんでも、麻雀が好きだった創業者が、ゲームをしながらざるうどんを食べていて、いちいちツユに麺をつけて食べるのが面倒になって、丼に麺を移して上から適当につゆをかけて食べたところ、おいしさと手軽さに感動。
早速メニューに加えたという、サンドウィッチ伯爵みたいな逸話があるんですって。
以前『ふるいち』の店長さんに聞いた話で、真偽のほどは、創業者のみぞ知るってとこですけど、ここのぶっかけがおいしいことは間違いなし!
『ふるいち 松島店』店舗情報
岡山県内を中心に10店舗を展開する『ぶっかけ亭本舗 ふるいち』。先頃、東京で開催された「うどん天下一決定戦」において、2年連続で全国優勝に輝いた実力を誇る名店だ。
うどんの素材は、小麦粉、塩、水とシンプルなゆえに、その違いが味の違いに直結すると厳選素材にこだわる。温度や湿度によって細かく分量を調整された麺は、モチッとした歯ごたえと滑らかなのど越しが特徴。
また、同店の代名詞とも言える「ぶっかけ」のつゆは、全社員中わずか2人しか製法を知らないという秘伝の味。半世紀を超す伝統を守りながら、常に進化し続ける老舗の一杯をぜひご賞味あれ。
Information
- 住所
- 倉敷市松島1152-17 [MAP]
- 電話番号
- 086-462-1234
- 営業時間
- 11:00~22:00
- 休み
- なし
- 席数
- 80席
- 駐車場
- 30台(共同)