王子が岳の山麓に建つ日本家屋の一室に入ると、美しい空間が。山頂付近にある『belk』の「離れ」として、2020年3月より営業が始まった。セレクトショップとギャラリー、喫茶で構成され、テーマは「自然と共にある暮らし」。海へ西向きに開けられた大きな窓からは、穏やかな瀬戸内海、瀬戸大橋、そして四国の山々の稜線が、ひとつの絵画のように立ち現れ、その美しさにため息が出る。築約70年の建物は、店主の北村さんや友人の作家たちでリノベーションを手掛け、こだわりは店内の各所に。例えば、窓から望む景色と客席側に境界を作らないようカウンターはガラス製。外からの光を吸収するモルタルが室内に影を作り、窓から見える景色を際立たせる。また、作家・植月大輔さんによるトチ材の椅子は、余計な装飾を除いたシンプルな佇まいで客を迎えてくれる。そうやって整えられた美しく静かな空間。心と体を委ね、美しい海景色を絵画のように堪能しよう。

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