「そういえば辛いラーメンって出てきてないな」と気付いたのは昼下がりの午後2時5分。辛いのが苦手だから意識的に避けてる? ええ露骨に辛いの苦手ですが何か?
「倉敷に辛くて有名なラーメンがある」と知ったのは午後3時40分ごろ。ラーメンにはいろんな種類があり、ジャンルの隔てなく多彩なニーズにお答えするのはワタクシの使命! 特に「辛いラーメン」にはファンも多いので激辛ファンのために一肌でも二肌でも脱ぎますよ! 早速、ワタクシが頼りにしている、ヒューマン・ラーメンデータベースの友人(コールネームは「ブンガク」)に聞いてみます。「倉敷で有名な辛いラーメンてどんなの?」「フム。ジョロ・キアが入っているな。ハバ・ネロを凌駕する、世界一辛いと呼び声高い…」。 いきなり世界最高峰ですかい! 相手は未知なる強豪。やってやるって! 前回に続いての「倉敷2連戦」受けて立とうじゃないの。
「辛いだけじゃない。ラーメンは本格的だ。あなどるな!」とのブンガク情報を胸に西へ。到着すると、4年前に静岡で食べた「ガッツリ系」に衝撃を受け、今の野菜マシマシラーメンにたどり着いたという店主の平山さん登場。温厚で素敵な方です。「自家焚き・自家製麺で、うまみの凝縮した味を目指しています」の言葉の通り、野菜は使わず3種類のトンコツとチャーシューの煮汁に背油だけでベースを仕上げているそうです。「麺は太麺で、替え玉だと細麺に。あ、平日だと替え玉は1玉無料なんです」。微粉砕小麦粉を使用し、弾力があり堅すぎない麺は歯切れよく食べやすくて人気を集めているそう。「ラーメン」700円などは、2~6倍まで野菜増し無料です。写真は普通盛り。す、すげえ。
それにしても平日なのにスタッフ多くないですか? 「ええ、通常でも4、5人。週末は6人体制でがんばっています。お客様への十分なサービスに不可欠ですから」。なるほど。メニューを見ると、「平日替え玉1玉無料」のほか、「13歳以上の女性に煮玉子サービス」や「12歳以下ガチャコインプレゼント」「制服及び学生証提示で、学生(中~大学)替え玉無料」「白めし何杯でもお替り無料」など、やたらとサービスが充実しています。これも、店主のゆるぎない「おもてなし精神」の賜物でしょう。さあ、いよいよ奴が姿を現します。「男なら、負けると分かっていても闘わなければならないときがある」。その言葉を何度も念じながら、ラーメンの到着を待ちました。そしてついに時は来た!
「最強 大魔王」850円。想像できますか? カメラのシャッターを押した瞬間、辛さが眼に沁みるんですよ! ワタクシもこんな経験は初めてです。しかし走り出した以上、この鉄路をひた走るしかありません。「人生のワイルドサイド」を歩かない奴に、「オトコとは何か」を語る資格はゼロなんです。で、ひと口スープを飲んだ瞬間にもう悶絶。なんせ「野生の象を撃退するため」に使われたというジョロ・キア。破壊力は半端ではありません。口に麺や野菜を運ぶたびに辛さが増して、口の中はもちろん唇も「火事」状態。気管に湯気が抜けるたびにのどが痛みます。付属の生玉子を入れても衰えを知らず、「舌が麻痺しているうちに完食だ!」と作戦変更するも、撃沈してしまいました。
食べたんです。ただひたすらに粛々と。そして待ち構えていた結末は、無念のギブアップ。これって完食できる人いるんですか? 「20人に2人いたらいい程度です」とスタッフ女性。「10人に1人でいいんじゃないの?!」と平山店主がナイスなツッコミ! 約分しろよ、と! なんせこれに挑む精鋭すら、生還率は1/10ですよ。 「でもね、もっと辛いのがあるんです」。世界最高のその上が? 「2013年に世界一に認定された『キャロライナ・リーバー』。『死神』って名で1個800円で売ってます」。一体、なんの料理に使うんですか?「罰ゲームとかですね。タコパーとかで好んで使われてます」。なるほど、「最強最悪激辛唐辛子」を買って帰って、〇〇にしのばせようっと。ウフフ。
倉敷の「ガッツリ系」の先駆け! 濃厚スッキリスープがうまい。
人気の「ガッツリ系」を、倉敷でいち早く紹介し、そのほか「魔王」「大魔王」など、インパクトのあるメニューで有名な『らーめん食楽』。しかし、いずれも豚のガラ60kgを10時間以上煮込んだ、濃厚ですっきり味の豚骨スープをベースにしているという本格派。後味もいい「中華そば」650円は、3種類の魚粉を使っていて、「野菜多め」のオーダーも可能だとか。「大魔王」は、白みそに、ゴマや水あめ、トウバンジャンにコチジャンを加えた特製の「辛みそ」に、大さじ一杯の大量ジョロ・キアを加え、香味油としてマー油とラー油を加えている。カウンターのほか、座敷席なども配された店舗は、内装を店主自らが手がけている。マンガが多数なのもうれしい。
Information
らーめん 食楽
- 住所
- 倉敷市吉岡412-5 [MAP]
- 電話番号
- 086-422-3777
- 営業時間
- 11:00~15:00(OS14:45)/18:00~22:00(OS21:45) ※水曜は昼のみ
- 休み
- なし ※2015年12月30日(水)~2016年1月1日(金)は休み
- 席数
- 33席
- 駐車場
- 12台