開店から25年以上愛され続けてきた名店『梶屋』。今年3月、家庭の事情により経営を続けることが困難となり、再開日不明の休業に。そんな中、地元・西大寺出身で『梶屋』の一ファンであり、『えびすらーめん』や『べんてん』などを経営する株式会社IPPOの川﨑宣孝社長が、経営再開のため尽力。半年の休業を経て、9月18日に晴れてオープンの日を迎えた。
店を新しくオープンし、新しい味は作りだすことは、過去何度も経験していた株式会社IPPOのメンバーだったが、すでにある味を継承するというのは初めて。石原さんには、9月に入ってから調理指導をしてもらい、またベテランのスタッフにも戻ってきてもらって、看板メニュー「エビ丼」のタルタルソースの仕込みもレクチャーしてもらったそう。
元店主の石原さんによる新スタッフへ調理指導が行われ、懐かしの味・メニューは健在。株式会社IPPOが経営している店は、ほとんどラーメンがメイン。その中で、『梶屋』は「中華そば」に看板メニューの「エビ丼」、「カツチャー飯」などメニュー数が多い分、仕込みの量も膨大で、これまで元店主の石原さんやスタッフがしてきた仕込みも引き継ぐことになる。そして何より、毎日並ぶあの行列をさばいていくこと。複雑な注文をこなしながら、お客さんをあまり待たせないよう満足してもらうには、技術よりも精神力が必要なんだとか。
『梶屋』の「中華そば」は、昔ながらの庶民的な味わいで、全体的に甘いのが特徴。スープ作りやだしの取り方は、基本的に元店主・石原さんの独学のため、株式会社IPPOのやり方とはもちろん違う。そんな中、川﨑社長は、「僕らのやり方で効率的に仕上げることもできるけれども、すべて取り払って『梶屋』らしさがなくなるのもいけない。ラーメン屋の店主ならよく分かるスープの「ブレ」みたいなものも『梶屋』らしさだから、そこは大切にしていきたいと思ってる」とのこと思いを語る。「実は石原さんから、味を守るだけでなく、僕らの味にしていっていいよって言ってもらっている。けど、今はしっかり引き継いでいくことかな。そして、その味を僕らなりにおいしく研ぎ澄ませていくこと。とにかくまず、あの膨大な仕込みに慣れないと…(笑)。」と、ファンにはうれしい意気込みを語ってくれた。
Information
梶屋
- 住所
- 岡山市東区竹原1356-1
- 電話番号
- 086-297-3600
- 営業時間
- 11:00~15:00/17:00~21:00 ※12月31日(木)は昼のみ
- 休み
- 月曜(祝日の場合は翌日)、1月1日(金)
- 席数
- 40席
- 駐車場
- 18台
- ☆梶屋ファンクラブ
- http://www.ifarm.jp/kajiya/