※閉店しました。

『油そば』。言葉のみを聞くと脂ぎったラーメンを想像する人が多いはず。実は油そば自体は新しいものではなく、10数年前岡山にも専門店があり、実際ギトギトだった覚えが…。

しかしこの一軒にその概念を覆されました。岡山市北区表町の『めんらく亭』。ここは何と「油そばはヘルシー」と謳っています。お店で話を聞いてみると「これは『ニュータイプ』の油そばだ！」と納得してしまう、説得力にあふれた謳い文句なんです。でも、「油」の「そば」でしょう？　本当にヘルシーなんかな？

「ええ、本当にヘルシーですよ」とさらりと言ってのけるのは店長の芦田さん。「普通のラーメンに比べて、カロリーと塩分は約２/３なんです。大きな違いはスープが入っていないことですかね」。「スープの変わりに、特性の秘伝ダレ、厳選した油を底面に少量だけ注いで、上に麺を乗せます。それからかき混ぜるんですけど、テーブル上の酢とラー油をお好みで…そうですね、二周ずつくらい入れて混ぜるとベストだと思います」。なるほど、「油そば」とは言いながら、スープの変わりに少量だけなら、普通のラーメンよりライトかも。「東京では若い男性を中心に凄く盛り上がっていて、それを岡山に持ち込んだのが２年半ほど前です」。

出ました！「油そば」並盛・大盛680円。「美味しいモノの追求は、シンプルになる」というこのお店が掲げる言葉通り、シンプルでいて美しい。だからこそ、麺とタレの味わいが重要になってきます。まず麺は、「麺を楽しむから『めんらく』」というくらいにこだわっていて、創業100年を超える老舗製麺所との共同開発。何度も何度も試行錯誤をして生み出されたとか。確かにね。麺だけ食べても美味しいんですよ。そして渾身のタレは、厳選素材を20時間煮詰めたしょう油ダレ。これを油に加えることで、麺の風味を損なわない味わいのベースができあがります。複雑な味を絶妙に合わせた、非常にバランスのいい味わいに仕上がるのです。うーん。風味絶佳とはこのことか！

それでは食べてみましょう。酢とラー油をぐるぐるっと回して…。店長、かき混ぜ方にコツとかあるんですかい？「やってみましょうか？」さすがにすばやい店長の手つき。曰く「右から左へ折りたたむようにして混ぜます」。折りたたむように？！「そのあと、上から下へ折るように混ぜ込みます」。やっぱり折るんだ！いや、凄い、見事にまんべんなく混ざりきりました。「冷めると味が落ちるので、早めにしっかり混ぜてくださいね」。いや、勉強になりました。ちなみにテーブルには、「魚粉」「華唐辛子ニンニク有り」「華唐辛子ニンニク無し」の3種類が置いてあり、自由に投入が可能。ワタクシはとにかく魚粉派なんですが「段階的に、なし、華唐辛子、魚粉と入れる」のが店長流だそうです。

彩りも豊かなこちらは「辛味味噌そば」並盛・大盛780円。スタンダードな「油そば」に、たくさんの果実を加えて作り上げた「旨み味噌」がたっぷりかかっています。フルーツが香り、まろやかに仕上がった一杯は、特に女性に大好評。食べてみると確かに辛いのですが、どことなく甘みを感じてすごく旨い。同じようにしっかりと混ぜて召し上がりましょう。そして店長。「もし迷ったら、『全のせトッピングスペシャル』（ラーメン料金に＋320円）を試しに食べてみてください。これはイチ押しですね。店のトッピングを全部詰め込んでますから」。温玉にネギゴマにチャーシュー増量にスープと確かにトッピングのフルコース。これは一度試してみる必要がありそうですね。今日はもう無理です。

「ニュータイプの油そば」…。確かに東京で大ブレイクしたと言うのもうなずける、確かな説得力と、言葉を超えてぶっ飛ぶ味わい。あなたも「油そば」体験してみませんか？

「実はヘルシー」な、「油そば」の専門店！

約2年半前に岡山に登場した、「油そば」の専門店。岡山が一号店になり、沖縄に2店舗姉妹店がある。スープのない油そばは、ダイレクトに麺とダシを味わうため、ごまかしがきかない、極めてデリケートなメニュー。特に麺は重要で、「最高の小麦に、美味しい水、そして茹で加減ですべてが決まります」と店長。モチっとした食感に、かめばかむほど旨みを感じるので、何度でも味わいたくなる魅力にあふれている。店舗は10席とこじんまりとしていて、スタッフとの距離感も少なく、女性の常連客が多いのも大きな特徴だ。もちろん、ガッツりいきたい男性諸氏にも人気で、大盛も並盛と同じ料金というサービスがうれしい。まさに「ニュータイプ」の油そば店と言えよう。

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