体重83kg、ウエスト約100㎝。
外食率ランチは10割、ディナーは8割を誇る強食者。
ハイコストパフォーマンスなランチを探して、日々さまよい歩くサラリーマン・ハマチャンがお気に入りのランチスポットを紹介します。
新年度の仕事のバタバタも落ち着き、さあエネルギッシュに働くぞ!と気合いも入るこの時期。活力アップのためにはやはりガッツリ肉が食べたい。ということで今回のランチタイムに選んだのは、倉敷市民なら誰もが知ると言われる、とんかつの老舗『かっぱ』。創業は今から56年前の1961年。倉敷駅前から美観地区へと延びる商店街歩いて5、6分のところにあります。今や平日でも行列ができる人気で、店の前の列を見ると「早く食べたい!」と否が応でも期待が高まります。
店内を見渡すと、カウンター10席と、4人掛けテーブルが6卓並ぶ懐かしい洋食堂といった風情。サラリーマンや家族連れ、カップルなど、幅広い年齢層のお客さんで満席です。壁には地元ゆかりの民芸作家の版画や染付けの額が掛けられていて、倉敷らしさが感じられます。その来店客のおよそ8割が注文するという名物が、「名代とんかつ」950円。目の前に運ばれてきた時の、トンカツにデミグラスソースがたっぷりかかったビジュアルに食欲が一気にそそられます。そして肉のボリューム感。160gということですが、分厚いのでもっと大きく感じられます。肉の中心がほんのりピンク色で、火の通り加減が絶妙。衣はサクサクとしたなかに、カリッとした香ばしさがあり、軽すぎない食感。肉は一口で?み切れるやわらかさで、子どもからお年寄りまでファン層が広いのもうなずけます。厨房で、「揚げ」と「焼き」を仕切っている3代目の田辺敬子さんに聞くと、この衣のサクサク感は、生パン粉と粗目の乾燥パン粉を混ぜて使い、揚げ油も白絞油などをブレンドした独自のものを使っているからだそう。肉は、筋切りなどの下ごしらえは当然のこと。揚げたてを少し蒸らすことで、硬くなる寸前に熱が肉の中心に伝わり、ジューシーな肉汁を閉じ込めるよう見計らっているのだとか。それが長年愛されるおいしさの秘密なのですね。
そして「かっぱ」の味の決め手である秘伝のデミグラスソースですが、「初代のおじいさんの頃からずっと継ぎ足し継ぎ足ししながら味を守り続けている」と敬子さん。玉ねぎやニンジン、香味野菜など多種の野菜を煮込み、料理の課程でできる肉汁(グレイビーソース)やバター、醤油や塩コショウ、トマトピューレなどをあますところなく加えながら作るため、自然なうま味と甘味が重なり合うのだとか。倉敷市民の甘口嗜好に合わせて先々代が生み出した味を日々均一になるよう保っているそうです。確かに「かっぱ」のデミソースは甘口でコクがありながら、濃厚すぎずさらっとした口当たり。本来なら洋食のソースですが、不思議とご飯にも合うのです。「名代とんかつ」は、ライス、味噌汁付きの「名代とんてい」にすると1300円。ふかし芋と茹でマカロニの付け合わせも、千切りキャベツの自家製ドレッシングもずっと変わらず、2代3代に渡るファンにとってはうれしいものです。
そのほか、洋食メニューが一度に味わえる「かっぱセット」(味噌汁、ご飯付き)もファミリーに人気だそう。Aセットはハンバーグ+エビフライ+コロッケ、Bセットはハンバーグ+エビフライ+ささみフライ、Cセットはハンバーグ+チキンカツで、いずれも1050円。「常連さんには『若鶏のバター焼き』1250円や『ポークステーキ』950円などの焼きメニューも隠れた人気なんですよ」と敬子さん。昼の忙しい厨房を切り盛りしながらも、爽やかな笑顔で迎えてくれます。いつ来ても同じ「かっぱ」の味にほっとしたランチタイム。パワーをつけてまた午後から頑張ろうと思えますね。
Information
名代とんかつ かっぱ
- 住所
- 倉敷市阿知2-17-2 [MAP]
- 電話番号
- 086-422-0440
- 営業時間
- 11:20~15:00(OS14:30)/17:00~20:00(OS19:50)
- 休み
- 月曜 (祝日の場合は翌日)
- 席数
- 34席
- 駐車場
- 4台