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大盛りアニキの新・岡山ラーメン☆エクスプローラーズ

《備前市/日生ヶ丘三丁目》地元漁師たちにも愛される、港町ラーメン【PR】

第34回/日生ヶ丘三丁目

  • 情報掲載日:2016.11.27
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

※閉店しました。
「三丁目」と聞いて何を思い浮かべますか? 「三丁目の夕日」? 「東村山音頭」? 単に町を分ける際の区分のひとつなのに、妙にノスタルジックなニュアンスですよね。

日生は漁業が盛んですが古くから港町としての顔も持ち、その風情を色濃く残していると思います。港町は水陸交通のクロスポイントで海辺の地域の要衝でした。なので、漁師町とはまた違った空気感を感じるんですね。そこに今年開店した『日生ヶ丘三丁目』は、「まさに『港町』を体現するような、クロスポイント的なお店」とラーメン忍者からのタレこみが。北海道出身で放浪が趣味のご店主が、「WWOOFer(ウーファー)」(後述)という、スピーカーみたいな名前の制度を利用、世界中の若者たちとともに手作りでアートなラーメン店を作り出したとか。ラーメンは「昔ながら」のスタイルで、独特の昭和の世界観を漂わせているそう。「人と文化のクロスポイント」「懐かしの雰囲気」「そしてあふれ出る活力」。まさに「港町の中の港町」ではないですか。連絡を取り、久しぶりの日生歩きを堪能しました。JR日生駅から約800mです。見えてきましたよ。あれ? エンジン音が聞こえてきます。ブルルルルン。

店主

店主の大久保陽一さん登場…。あの…放浪が趣味とか。「あ、分かります?」。ええ、それはもう、ものすごく。「私は長野の百貨店で20年、水戸でフードコーディネーターを20年務めまして、早期退職をして日本一周の旅に出たんです」。また思い切られましたね。で、いつゴールされたんですか? 「さあ、何年後になるでしょうか?」。えっ? まさか今、途中なんですか? この店をオープンさせたんですよね? どゆこと? 「ウーファーというシステムを使って、各地で長期滞在しているんです。日本の食文化…なかでも家庭の食をテーマにしているので、この制度を利用してその土地で数週間から半年くらい過ごすんです」。なんか分かるような、分からないような…。でもなぜ日生町で? 「いいオーナーと知り合えたのと、この町の海、島、自然、人。そして食に魅かれたんです」。この地で素晴らしい出会いが数多くあったと…。でも、またすぐに旅立たれるんですね? 「はい。来年3月にオーストラリアへ行く予定です」。まるで『ウル○ラクイズ(第13回)』ですね。 まだ日本一周も道半ばだってのに!

アナスくん

「ウーファー」について教えてください。「『食事・宿泊場所と労働力を交換する仕組み』のことで、賃金を払わない代わりに宿泊場所と食事を提供し、家族や親せきのように一緒に過ごすシステムです。世界中で行われていて、日本でも少しずつ認知され始めています」。ワタクシは今回初めて知りましたよ。「私も、旅の途中でここに長期滞在して、オーナー(ホスト)の元でウーファーとして働いているというわけです」。ああ、そういうことですか! 食のプロだから、飲食店の立ち上げに関わられたんですね。世界中から若者が来るんですか? 「オーナーがカフェをやっているので、合わせての受け入れですが、このお店にも常時1、2名はいますね。みんな店内にアートなどを残して旅立っていきますよ」。写真右の美人画はイタリア人の20歳の女性が描かれたそうです。彼はデンマーク人のアナス君。YOUは何しに日本へ? 「アニメ!」。やはり! 恐るべしはクールジャパン! 左の地図には歴代スタッフの出身国が残されています。

Amiさん

店主が旅立つ3月以降、お店はどうなるんですか? 「立ち上げから一緒にやっているAmiちゃんが引き続きやってくれるんです」。ハンパなく笑顔がキュートな女性だ! Amiさんは日生の方ですか? 「兵庫出身で京都の芸大卒業後、保育園に勤めていたんです。縁あってここで仕事の休日にオープンの手伝いをしていたら、陽さん(店主)に『俺は旅人だから。本気でやるなら教えるよ。今しかないんだ、今しか! Amiちゃん、君はやらないのか?』って言われて(笑)。保育園を辞め、日生に来ました」。Amiさんの決断もすごいですけど、店主は原田大○郎か、〇州力みたいっすね。「店の装飾では外の看板の手書きや、内装も手がけました。段々とにぎやかになっていって…」。現代アートとラーメンのコラボですね。なんせトイレも気が抜けません。「日生トイレ美術館」って看板があって大変なことに…。オーナーはどんな方なんですか? 「自由人ですね。海が大好きで。頭島でカフェを経営しています」。

ラーメン2種

お待たせしました。奥が「昔ながらのら~めん」500円。これが税込みで500円? 軽い縮れ麺ですね。魚介スープですか? 「私が日生で感動した干したガラエビに節粉を加えた和風だしです。地域の方のご協力で成り立っている店舗なのでやさしい味にしました。年配の方も多いので、懐かしい、あっさりした味を心がけています」。なるほど。確かに濃すぎないですね。でも、風味があって奥深いです。手前は? 「3月までの期間限定『カキら~めん(一日10食限定)』1000円です」。やはり日生はカキ! 「ラーメンは生き物だと思っているので鮮度とタイミング勝負。麺の上げ時間など1秒が味を左右します。だからこそ一品一品に愛情を注いでますよ」。カキなのに塩じゃないんですね。「私も塩にしようと思ったら、Amiちゃんに『基本メニューがしょうゆなのに、塩はないでしょう!』とツッコまれまして(笑)。確かにしょうゆのほうがおいしかったんです」。Amiさんグッジョブ。「カキも燻製や、焼き、蒸しなど試しましたが、シンプルな素材の味わいを重視した方がいいと思い、そのまま入れました」。ブルルルルン。あ、店主。どちらへ? 「海が俺を呼んでるぜ!」。今度は雄三?

そういえばAmiさん。店名の由来は? ここ三丁目なんですか? 「いえ。ヒットした映画の舞台が『夕日町三丁目』で、ノスタルジックなイメージがあるので…」。的中じゃん。

外観
港町に現れた、「昭和カオスの世界」。

カキオコなどで人気の日生町に登場した、人情味あふれる佇まいのラーメン店。店内はスタッフによるアートや、地域に残る古道具や廃材などがふんだんにディスプレイされて、さながら「昭和の世界」をほうふつとさせている。オープン前から地域の人に支援され、「ともに店を作っている感覚」だという。のれん代わりの着物も地元の古民家にあったものだとか。また、漁師さんたちのリクエストで夜の酒のつまみも提供するなど、地域の憩いの場としての役割も担っている。「地元の漁師の方は、魚の味には舌が肥えていて手厳しいので常に真剣勝負なんです。でもご自分たちでも『口は悪いけど、腹はいい』っておっしゃっていて…(笑)。優しい方が多いですよ」とAmiさん。港町の昭和な空間で外国人スタッフが働き、地元の人たちがそこで日常の疲れを癒している…。そんな「カオス」な空間はなかなか体験できるものではない。ぜひ一度訪問を。

Information
昔ながらのら~めん 日生ヶ丘三丁目
住所
備前市日生町日生860 map
電話番号
0869-92-4524
営業時間
11:00~14:00/17:00~21:00(OS 20:45)
休み
火曜
席数
15席
駐車場
なし
HP
https://www.facebook.com/hinasegaoka3

<消費税率の変更にともなう表記価格についてのご注意>

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