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大盛りアニキの新・岡山ラーメン☆エクスプローラーズ

《岡山市/火の車》惜しまぬ手間。生まれる価値【PR】

第15回/火の車

  • 情報掲載日:2016.02.28
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

※閉店しました。
「岡山ラーメンって何?」と聞かれ、答に困ることがありますね。「徳島」「尾道」「和歌山」のように、特徴的な「コレ!」というものがないのが逆に特徴なのやもしれません。

確かに終戦直後の駅前の屋台から派生したものを指し「岡山ラーメン」と称する向きもあります。が、「様々な地域から色んなスタイルが集まったのが『岡山のラーメン』」だと個人的には思います。(「の」がポイントね!) 古来より岡山は交通の要衝。四国の向こう側にも、日本海沿岸にも、関西エリアにも、広島市にも、同等の距離感で移動できる「中四国のクロスポイント」なので、色んな食文化が交じり合ってます。今や、情報や流通が発達して北海道で博多ラーメンが食べられる時代ですが、岡山の強みはこの「立地」。これだけの種類のご当地ラーメンが集まってきているエリアって、大都市を除けば全国的にも珍しいとか。そんな中でも希少な「喜多方ラーメン」のお店がこちらです。

ラーメン

「喜多方ラーメン」は、福島県は喜多方市の発祥。『火の車』は、1998年の開業で、岡山の地で「ラーメン界・東日本の雄」の味わいを提供し続けています。そもそもなぜ「喜多方ラーメン」なんでしょう? 「私の出身が栃木北部の県境寄りでね。喜多方は近いんですよ。実家もラーメン店で、40年ラーメン一筋!」とご主人。なるほど! そういう事でしたか。「ラーメン」550円は、鶏ガラベースのしょうゆ味で透明感あるスープが特徴。麺は平打ちの熟成多加水太麺です。「麺は自家製にこだわって手作り、手もみのちぢれです。外の看板に『老麺』てあるでしょ? 冷蔵庫で2、3日寝かせて余計な水分を飛ばすんです。だから年とった麺で『老麺』」。あっさりした後口で濁りがなく、味わいは風味豊かです!

目玉やきチャーシュー丼定食

ここ『火の車』は、「とにかくエゲつないほど量が多い」とまで言われてしまうボリューム過多なお店としても有名。人気の「目玉やきチャーシュー丼定食」はフルサイズのラーメンが付いてなんと700円。この丼がラーメン+150円って! 申し訳程度にラーメンのチャーシューの数は減ってはいますが、そのかわりに丼の玉子の下にはチャーシューがみっちりと6、7枚敷き詰められております。「関東は、チャーシューでご飯を食べる文化があるんですよ。だから、チャーシューがおいしくないと話にならない。『チャーシュー麺』700円も、別皿にチャーシューを盛るからね。岡山にはない文化だと思いますよ」。確かに! とにかく、これ700円でお腹いっぱい…というか、食べきれるのか?

チャーハン

「『チャーハン』600円も人気なんですよ」って、これがそのまま付いて、フルサイズのラーメン(チャーシューは少ないけど)とセットで「チャーハン定食」700円っておかしくないですか? 「周りに会社や企業が少ないんで、皆さんわざわざ足を運んでくださる立地なんですよ。だから、せめて量と価格で還元したい」。いや、それにしてもかなりのハイボリュームですわ。「レタスを入れて、関東風の味付けでね。食材は変わらないけど、独特のものにしたくって。誰でも作れるものなら、外食する必要ないでしょ?」。確かに、家庭の味とはひと味違います。コショウが絶妙に利いていて、風味も絶佳。「でもね、最初は関東と、西日本の文化や味付けの違いにすごく悩んでね。大変だったんですよ」。

店主

「まず、麺が違うでしょ? 関東じゃストレート麺なんて少ないからね、細麺も。当時は岡山の人はウチの太麺を見て驚かれたもんですよ。だから戸惑いも強かった。あと、こっちの人は甘いスープが好きじゃない? びっくりしてね!」。なるほど。それで段々と岡山県民に合うように変化させたと。「それでも、麺やチャーシューの自家製は絶対に譲れないけどね。麺には防腐剤を入れないんです。だから繊細なんです。岡山は湿度も高いしね」。そして、麺を茹でるのにもこだわりがあるとか。「大釜で大量の水を沸かして、麺を湯の中で踊らせるんです。テボでは間に合わないので、持ち手のついた平ザルですくいますね」。とにかく、いろんな部分が独特なんです。「みんなこんな手間のかかる非効率でバカなことやらない。だからこそ価値があると信じてます」。この言葉に納得。

最後に『火の車』なんて飲食店を経営するのに、不吉この上ない名称を店名にした理由は?「オープン時にお金なかったから」。さすが「坂東武者」に淀みなし。お見事!

外観
東日本の雄「喜多方ラーメン」が味わえるこだわりの店。

テーブル席のほかに、ゆったりとした座敷席も用意されている店内は、土・日曜にはファミリーなどで賑わう。スーパーの駐車場の一角にあるからなおさらだろう。「効率のことを考えていては、本当に満足していただけるものは作れない」と、サービス精神旺盛な店主が作るメニューは、こだわりにあふれている上に、いずれもコストパフォーマンスが高い。関東地方出身ゆえ「東日本の味わいは岡山の風土に合わないのか?」と悩みながら、譲れない部分は守りつつ、アレンジも加えてラーメンを作り続けて「あっという間の18年だった」という。さまざまなこだわりの中のひとつ、手間のかかるチャーシュー作りについては、「朝8:00から昼過ぎの14:00まで、営業をしながら弱火で炊き続けるからね。火加減の守りも大変だよ」と笑う。現在は、基本的に店主ひとりでの営業のため、昼のみの営業となっているので注意。自家製手もみ麺をぜひ味わってみて!

Information
火の車
住所
岡山市南区大福314 [MAP]
電話番号
086-281-3348
営業時間
11:00~15:00
休み
なし
席数
30席
駐車場
5台(ほか、契約あり)

<消費税率の変更にともなう表記価格についてのご注意>

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