おかやまの病院2019[全県版]

かかりつけの病院、あなたにはありますか?病気になったときや、けがをしたとき、頼りにできる病院や先生がいると安心です。も、意外と地元の病院の情報を知らない方も多いのではないでしょうか。『月刊タウン情報おかやま』が地元・岡山にこだわり、最新の医療情報・病院情報をまとめました。いざというときのため、お役に立てれば幸いです。


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睡眠時無呼吸症候群を総合的に診察。病態や症状に適した治療を。川崎医科大学附属病院耳鼻咽喉科はらひろたか原浩貴教授(部長)「いびき」治療で生活習慣病のリスクを軽減「いびき」からわかる病気、睡眠時無呼吸症候群とそのリスク。0「日本人は、欧米人に比べ舌の大きさの割にあごが小さく、肥満でない人でも睡眠時無呼吸症候群になりやすいといえます」と語る、原浩貴教授。仰向けに寝ることで舌があごの後ろに落ち込み、空気の通り道である上気道をふさいで起こるい秒以びき。頻繁にいびきをかく人で、1時間に1上呼吸が停止する状態が5回を超える場合は睡眠時無呼吸症候群の疑いがあるという。『川崎医科大学附属病院』で耳鼻咽喉科の診療にあたる原教授は、いびきが誘発する睡眠時無呼吸症候群のリスクについて「呼吸が止まるたびに、本人には自覚できない目覚め、覚醒反応があり睡眠の質が低下して、交通事故などを起こす危険が高まります」と指摘する。事故を起こさないまでも、頻繁に眠気が襲うことでイライラし仕事に集中できない、といった症状に悩まされることが多いそう。その状態が長く続くと、交感神経がつねに緊張状態に置かれ、血管にストレスがかかって高血圧となり、心臓病や脳卒中、糖尿病などの生活習慣病のリスクも高まる。朝起きたときから頭が痛い人のなかには、無呼吸による低酸素症で高山病のような状態になっている人もおり、頻尿も睡眠時無呼吸症候群との因果関係が指摘されているという。夜1回以上トイレに起きる場合は、この病気も疑ってみてください」。睡眠時無呼吸症候群の診断と、個々の患者に最適な治療法の選択。「睡眠時無呼吸症候群かどうかは、ポリグラフ検査で睡眠時の脳波や呼吸数、目覚めの回数などをモニターすることで、診断がつきます。当院で4時に来院し、翌朝6時には検査を終えて出は、1勤するといった、一泊二日での入院も可能です。いびきでお悩みなら、一度この検査を受けられることをおすすめします」と原教授。日本睡眠学会認定の専門医療機関でもある『川崎医科大学附属病院』では、患者の日常生活の負担を軽減するための検査体制が整えられているという。治療で広く用いられているのが、圧力をかけた空気を鼻から送り込む「CPAP(シーパップ)」という装置。「重症の人ほど効果があるのですが、装置を使ってぐっすり眠れるようになるには、ある程度慣れが必要です。空気の入り口である鼻が鼻炎などで詰まっていると、効果が半減してしまうので、まずは耳鼻科に相談し鼻腔が通るようにしましょう。アレルギーやポリープ、事故で鼻が曲がったなど、鼻が詰まる原因もさまざまです。あごや扁桃線に原因がある場合もありますので、手術なども含めた幅広い選択肢のなかから患者さんの病態や症状に一番適した治療をおすすめしています」。発育や成績など、将来にわたる影響が大きい子どもの睡眠時無呼吸症候群。「大人以上に深刻な影響が出るのが、子どもの睡眠時無呼吸症候群です」と、指摘する原教授。無呼吸で睡眠の質が落ちるだけで、成長ホルモンが十分に分泌されなくなり、発育に影響が出る恐れがあるとのこと。扁桃腺に問題があったり、鼻炎などで口呼吸になっている場合はもっと深刻で、鼻呼吸ができないと副鼻腔やあごの発達が阻害され、奥行きのない扁平な顔になる可能性が高いのです。また、あごが小さくなるので歯並びも悪くなりやすく、睡眠時無呼吸症候群のリスクを生涯にわたって負うことになりかねません」。眠りの質がよくないために、成績が振るわないばかりか、多動で攻撃的、引っ込み思案になるなど問題行動が増えるといったリスクもある。また、ひと晩じゅういびきをかく、あごを上げ反り返った姿勢で何度も寝返る、寝起きが悪いといった症状がある場合、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあるという。睡眠時無呼吸症候群が、おねしょの一因となっているケースもあるので、高学年になっても治らない場合はご相談ください。眠っている様子やいびきの音を、スマートフォンで記録するだけでも診断の助けになります」。子どもの発育を考えると、一刻も早く治療を始めることが大切のようだ。よりよい治療法を選択し、健康寿命につながる質のよい睡眠を。0「扁桃腺の肥大が、毎日のいびきの要因となっている子どもの場合、一次成長に影響が出るので3~6歳までに手術で扁桃腺を取り除くのがベ代ぐらいまでの方なら、同ストです。大人でも、4様の手術をおすすめするケースがあります。下あごが小さい方の場合は、マウスピースを装着し、下あごを数㎜少し前に出すことで舌の落ち込みを防ぐ、あるいは横向きに寝るだけで症状がよくなることもあります。鼻炎なら、免疫療法による体質改善で治療と言う選択肢もあります」と、原教授。このように睡眠時無呼吸症候群の治療には、鼻や喉のしくみから呼吸の生理までを理解したうえで、どこに問題があり、どう対処するかを総合的に判断する必要があるという。適応や種類ほど。質のよ病態などにより、治療法は1い睡眠を、適量とることが健康寿命につながります」と語る原教授。いびきや日中の眠気に悩まされているのなら、大事にいたる前にぜひ一度診察を。5取材協力かわさきいかだいがくふぞくびょういん川崎医科大学附属病院1086-462-1111倉敷市松島577195


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