岡山メルパ 福武 孝之館長
映画業界30年、老舗映画館を切り盛りする名物館長。映画が持つ「観ることで、自分の世界が広がる」魅力を広めるべく、多彩なイベントを展開。ジャンルや制作者にこだわらない、テキトーな鑑賞が映画愛を高める秘けつだとか。
「オッペンハイマー」
「ダークナイト」「インセプション」「TENET テネット」など話題の大作を送り出してきたクリストファー・ノーラン監督の最新作が公開。
原子爆弾の開発に成功したことで「原爆の父」と呼ばれたアメリカの物理学者ロバート・オッペンハイマーを題材に描いた歴史映画。
時代背景には、オッペンハイマーが大学で教鞭をとり始めた頃、株価暴落をきっかけとしたアメリカ史上最大の経済恐慌(1929年)があり、大恐慌は世界に広がり、第一次世界大戦の賠償金支払いで行き詰まるドイツにヒトラー率いるナチスが現れ、ナチスは第二次世界大戦を起こし、当初、戦況を優位に進める。
このドイツに負けまいとアメリカが完成を急いだのが原爆だった。
原爆は1945年、日本を降伏させるだけでなく、一瞬にしてアメリカをかつてない超大国にさせた。
ただ、その4年後にソ連も核実験を成功させ、米ソが核兵器で脅し合う冷戦の中で反共思想がアメリカでは一気に広がっていく。
そしてヒステリックな「赤狩り」の渦中で、オッペンハイマーも共産主義者との過去が問われていく。
2006年ピューリッツァー賞受賞作「オッペンハイマー」(ハヤカワ文庫刊)を原作とし、オッペンハイマーの栄光と挫折、没落の生涯を実話に基づき描いた本作は2023年7月の全米公開を皮切りに、世界興収10億ドルに迫る世界的大ヒットを記録。
これは実在の人物を描いた伝記映画としては歴代1位となっている。
また本作は、第81回ゴールデングローブ賞で、クリストファー・ノーラン初の監督賞を受賞し、最多5部門を受賞した。
さらに、第96回アカデミー賞®では作品賞、監督賞をはじめ最多13部門にノミネートされ、作品賞、監督賞、主演男優賞、助演男優賞、作曲賞、撮影賞、編集賞の7部門を受賞。
オッペンハイマー役はノーラン作品常連の俳優キリアン・マーフィ。オッペンハイマーの妻キティをエミリー・ブラント、原子力委員会議長のルイス・ストロースをロバート・ダウニー・Jr.が演じたほか、マット・デイモン、ラミ・マレック、フローレンス・ピュー、ケネス・ブラナーら豪華キャストが共演。
<公開情報>
「ゴーストバスターズ/フローズン・サマー」
1980年代に世界的ブームを巻き起こした映画「ゴーストバスターズ」シリーズの最新作。
本作はシリーズ第3作として2021年に製作された「ゴーストバスターズ アフターライフ」の続編となる。
一世を風靡した「ゴーストバスターズ」シリーズの人気は健在。
お化け退治を職業にして、お化けたちを特殊な掃除機?で吸い取る設定は、当時の映画業界に衝撃を与え、同時にレイ・パーカーJr.の主題歌も世界的な大ヒットとなり、誰もが一度は耳にしたのではないだろうか?
コメディ要素満載で描かれてきた物語だが、今回は最凶のゴースト登場にマジピンチ!
バスターズ全員集結で立ち向かうが、果たして!?
第一作目の“マシュマロマン”の大オチに椅子から転げ落ちた皆さんも、今回の結末には注目!
最新の映像技術とオールドファンを喜ばすアイテムやキャストを次々に送り出す粋な計らいは、さすが「ゴーストバスターズ」シリーズと感心。
キャストにはポール・ラッド、マッケンナ・グレイス、フィン・ウルフハード、キャリー・クーンら前作のメンバーや、80年代版のビル・マーレイ、ダン・エイクロイド、アーニー・ハドソンらおなじみの顔ぶれが集結。
監督は「モンスター・ハウス」のギル・キーナン。
前作で監督を務めたジェイソン・ライトマンがキーナン監督とともに脚本を手がけた。
映画の面白さがギュッと詰まった「ゴーストバスターズ」シリーズの新作は絶対に見逃せない!
<公開情報>
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