岡山メルパ 福武 孝之館長
映画業界20年、老舗映画館を切り盛りする名物館長。映画が持つ「観ることで、自分の世界が広がる」魅力を広めるべく、多彩なイベントを展開。ジャンルや制作者にこだわらない、テキトーな鑑賞が映画愛を高める秘けつだとか。
みをつくし料理帖
高田郁のベストセラー小説『みをつくし料理帖』シリーズを、プロデューサーとして数々のヒット作を送り出してきた角川春樹がメガホンを取り映画化。
料理に真摯に向き合い、運命を切り開いていく女料理人の成長と、不変の友情を描いたそう快な物語。さまざまな苦難を乗り越え人生を切り拓くヒロインを『わたしは光をにぎっている』などの松本穂香、その幼なじみを『ハルカの陶』などの奈緒が演じる。監督は巨匠プロデューサー・角川春樹。一世を風靡した角川映画のスターたちが、ズラリと勢揃いした豪華なキャストにも注目! 『犬神家の一族』『セーラー服と機関銃』『天と地と』『男たちの大和』などなど、あの人もこの人も登場する! 数々の名作、大ヒット作を世に送り出してきた角川春樹の最後の監督作となる。
<公開情報>
スタートアップ!
『新感染 ファイナル・エクスプレス』『悪人伝』のマ・ドンソクが、おかっぱ頭の料理人という強烈なビジュアルのキャラクターを演じたコメディドラマ。
読者評価9.8点を記録したウェブ漫画『始動』を原作にし、『EXIT イグジット』『ベテラン』の制作陣が手掛ける本作は、マ・ドンソクがおかっぱ頭のシェフという未だかつてない強烈な面白キャラクターを演じ、“マブリー”の愛称のごとくコワモテながらもラブリーな魅力が全開! 本当の世の中を学び成長する主人公たちの物語は、日常から抜け出しどこかへ旅立ちたかった時期を過ごしてきた大人にも温かな共感を呼ぶにちがいない。
<公開情報>
メイキング・オブ・モータウン
スティービー・ワンダー、マービン・ゲイ、ジャクソン5などを輩出し、2019年に創設60周年を迎えた音楽レーベル『モータウン』の正史を描いたドキュメンタリー。
音楽通には知らぬもののないモータウンレーベル。『マイ・ガール』『プリーズ・ミスター・ポストマン』『ヒートウェイヴ』『愛はどこへ行ったの』など、1960年代から70年代にかけて米国のチャートに多くのヒット曲を送り込だ。それらの曲は今もカバーされているので、歌手は知らなくても曲は知っているという人は多いだろう。
モータウンは音楽ドキュメタリーでよく取り上げられているが、本作がユニークなのは創立者のベリー・ゴーディJrが自ら案内役になり、企業理念や製作のシステムについて語ること。つまりヒットの裏側から語る音楽史だ。
成長期ともいえる1960年代半ばは、優れた楽曲をアーティストが取り合うという、「楽曲ありき」だったことが成功の秘けつというのがおもしろい。なんと、ヒットを連発した裏には、『クオリティーコントロール』と呼ばれた品質管理会議の存在があった!
そして、楽曲が一方で人種差別や暴動といった苦難を乗り越え、反戦などメッセージ性の強い楽曲なども発表されていく。
また、オーディションを受けるマイケル・ジャクソンなどの貴重映像も必見だ。