岡山メルパ 福武 孝之館長
映画業界20年、老舗映画館を切り盛りする名物館長。映画が持つ「観ることで、自分の世界が広がる」魅力を広めるべく、多彩なイベントを展開。ジャンルや制作者にこだわらない、テキトーな鑑賞が映画愛を高める秘けつだとか。
ライブ・リポート
少女の誘拐事件の捜査をリアルタイムで生配信するスタイルで描く犯罪サスペンス。警察官と配信サイトのリポーターが、視聴者の助言を受けながら事件を追う!今どき作品。
ペニー役を『ダークナイト』『エンド・オブ・キングダム』のアーロン・エッカート、エイヴァ役を『キング・オブ・エジプト』のコートニー・イートンがそれぞれ演じる。監督は『大脱出2』などのスティーヴン・C・ミラー。現代ならではの生配信の力が正義なのか悪なのか!? それを使う者の真価が問われる問題作。
<公開情報>
コリーニ事件
ドイツの現役弁護士作家フェルディナント・フォン・シーラッハの世界的ベストセラー小説を映画化した社会派サスペンス。
法定モノの定石とも言える“黙秘”。そして、憎むべき被告を弁護しなければいけない葛藤。加えて驚くべき動機。その根底には国家を揺るがす衝撃に真実が隠されている。この決定版のような法定モノの衝撃の結末をあなたはどう観るだろう!?
個人的には、『続・荒野の用心棒』の名優フランコ・ネロが出ているだけで飛びついてしまう!(笑)
<公開情報>
言の葉の庭
『君の名は。』『天気の子』と大ヒットを飛ばす新海誠監督の2013年の作品を再映!!
『秒速5センチメートル』や『星を追う子ども』などの新海誠が原作と監督と脚本を手掛け、繊細なタッチで描くアニメーション。物語と映像美に定評がある新海作品だが、いつも登場人物の背景がしっかりしていることに驚かされる。主人公タカオの靴作りへの想いがドラマチックで感動してしまう。そしてユキノは後に『君の名は。』に登場するというプレゼントつきだ!
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エジソンズ・ゲーム
発明王エジソンとライバルたちがアメリカ初の電力送電システムをめぐって繰り広げたビジネスバトル=電流戦争を映画化。
『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』のベネディクト・カンバーバッチがトーマス・エジソン、『シェイプ・オブ・ウォーター』のマイケル・シャノンがライバルのカリスマ実業家ジョージ・ウェスティングハウスを演じ、共演にも『女王陛下のお気に入り』のニコラス・ホルト、『スパイダーマン』シリーズのトム・ホランドら豪華キャストがそろった。そして製作総指揮は巨匠マーティン・スコセッシが務めた実録ドラマ。
<公開情報>
はちどり
1990年代のソウルを舞台に、思春期の少女の心情と家族の関係を描いた人間ドラマ。
釜山国際映画祭でのワールドプレミア上映されたほか、ベルリン国際映画祭をはじめ世界各国で44以上の賞を受賞した本作は、韓国国内で小規模な公開ながら、観客動員数が約15万人という異例の大ヒットを記録している。また、キム・ボラ監督自身の少女時代の体験がベースとなっており、94年にソウル市内で起きた大きな事件が背景にあることも、大いに興味をそそられる。