2023年に誕生、進化系新劇場の地元に歴史あり。
2021年春、表町商店街の南端、千日前商店街では、白い壁の中で大きなクレーンがせわしなく動いています。そう、ここは2023年夏頃開館予定の『岡山芸術創造劇場』の建築現場。
このコーナーでは千日前にできる『岡山芸術創造劇場』の動きを、開館のざっくり1000日前から応援ウォッチング。
新劇場を軸に、知られざる今昔や、新しい街づくり、それに掛ける人々の情熱などをご紹介します。
この新劇場は、岡山市が岡山市民会館と岡山市立市民文化ホールの両ホールを移転統合させるもの。最新の舞台機能も備わることで今まで岡山で開催できなかった公演が可能になります。また、演劇やダンスなどの舞台を創り出すクリエイティブな劇場としても生まれ変わる予定です。
再開発事業として、劇場以外にもマンション、オフィス、ショップなどを併設する大規模な複合施設になります。劇場棟の館内には大・中・小の劇場と12の練習室、製作工房もできるのだとか。まさに「創り出す」ための劇場です。(『タウン情報おかやま』2021年4月号にて詳細を紹介。見てね!)
さてさて。この画像は興味深いですね。
左は、昭和3年の千日前商店街。日活映画が上映されていた『若玉館』(後に『テアトル岡山』に名称変更。写真提供「木下サーカス」)の様子。そして、右は令和3年『岡山日活』の看板が残る千日前商店街と建設中の『岡山芸術創造劇場』。時代によって大きく街の表情が変わります(このエリアの歴史は次回のVol.2にて、お楽しみに)。
2020年からはプレ事業もいろいろ進行中で、(公財)岡山文化芸術創造主催による千日前周辺の文化を探るプロジェクト、舞台芸術を体験するワークショップもぞくぞくと開催。
建設現場の白い壁は、プレ事業の「カベアートプロジェクト」で、小学生たちが「劇場体験ツアー」に参加して想像した「未来の劇場のイメージ」や、中国デザイン専門学校の学生が新しい劇場がどのような場になるのか話し合いながら描いた絵で彩られています。新劇場への期待を膨らませてくれますねえ。
プレ事業のひとつとして定期的に開かれている意見交換会「いどばた会議」は、千日前周辺の歴史を振り返りながら、新劇場の役割やこれからの「まち」のあり方について考える自由参加の場。商店街関係者や関心のある人たちが集い、活発に意見交換しています。
2020年11月に開催した「いどばたシンポジウム」では、千日前の歴史にまつわる講演やパネルディスカッション「岡山芸術創造劇場とこれからの表町」を行いました。
「なぜ、新劇場を建てる場所に千日前が選ばれたのか」…。
この時にパネリストとして参加した大森雅夫市長は「今の千日前の人通りはピーク時の10%以下。そんな場所に新しく劇場をつくることで、街を大きく変える大きなインパクトにしたい」とその理由を語りました。
また、(公財)岡山文化芸術創造主催では、ニュースレター『千日前から』も2021年夏頃に第1号を発行予定。このタイトルは、街の名称「千日前」と、「劇場開館までの約1000日前から楽しみにする」という意味が込められているのだそう。準備は着々と進んでいます。
岡山市内の繁華街、表町界隈。その昔、千日前は、最盛期には7軒もの映画館が並び、すれ違う人との肩が触れ合うほどの賑わいだったとか。そして、この千日前は、なんとあの世界3大サーカスのひとつ『木下大サーカス』が誕生した地。今も本拠地はここに置かれているのです! 千日前北側にある南時計台の天井ドームにはサーカスの絵が。見上げてみてください。
大正から昭和にかけて映画館4館や銭湯、食堂などを次々とオープンさせ、賑わいを生んできた「木下サーカス」こと「木下興行」。岡山の娯楽街として人気を集めるようになったこの地は、大阪の繁華街の名にちなんで「千日前」と呼ばれるようになったのでした。
しかし実は、大正時代より前も、このあたりは芝居小屋が立ち並び、随分昔からエンターテイメントを育む土壌だったそう。そのことも『岡山芸術創造劇場』誕生のルーツになっているようです。表町のそもそもの始まりを語るには、なんと戦国時代まで遡らねばならぬのです!
ということで、「Vol.2」
は戦国時代までタイムトリップ。さあ、皆さんご一緒に~!
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