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編集者にまかせてちょ~査団スペシャル

《岡山市/成田家田町店》岡山の名酒場『成田家田町店』がテイクアウト専門店として再出発! 変わらぬ味と人情で愛され続ける、老舗店の新たな挑戦。【PR】

気になる岡山の街ネタ調べます!まかせてちょ~査団スペシャル

  • 情報掲載日:2020.08.08
  • ※最新の情報とは異なる場合があります。ご了承ください。

Mission_59/あの人気メニューを家飲みで楽しむ。新たなファン層も獲得した『成田家田町店』の「今」を調査せよ!

岡山で話題のスポットやイベント、知る人ぞ知るレアな情報など、誰もが気になる地元のモノ、ヒト、コトを『タウン情報おかやま』が徹底調査するこの企画。スタッフが実際に現地を訪れ、体験したとっておきの情報をリポートして、「岡山の魅力を再発見できる、よりディープでフレッシュな街ネタ」をお届けします!

昭和の香り漂う「町のお惣菜屋さん」。新しい『成田家田町店』を訪問。

「うまく早く感じ良く、なをかつ安く」

このスローガンを掲げるのは、岡山県内に十数店舗を構えるローカル居酒屋チェーンの『成田家』。第1号店が創業したのは、今から60年近く前のこと。それ以来、気軽に飲める雰囲気とおいしい料理、コスパ抜群の庶民価格という三拍子そろった魅力で親しまれています。

『成田家』は暖簾分けのスタイルを取った店舗展開で、共通の味を守りながらも店舗ごとのメニューや雰囲気を楽しめるのが特徴です。メニューはとにかく豊富で、店内にはズラリとお品書きが並びます。中でも「とり酢」と「湯どうふ」は、お客さんのほとんどが注文するという『成田家』の看板。

サワラやママカリといった地物の魚も安く味わえるとあって、県外客からの評判も高いお店です。

かくいう私こと『まかちょ~』の団長Mも、成田家歴5年の大ファンです。年季は全然足りていませんが、店名の「家」を「屋」と間違える誤植に対しては、誰よりも厳しいのを自負しております…(愛ゆえに。「ナリタヤ」はファミリーなので「家」なのです!)

昔なじみの常連客から20代、30代の若い世代まで支持され、地元の酒好きにとってはオアシスとも呼べる存在。地元では「成田家飲み」という言葉を耳にするほど、岡山を代表する大衆酒場として浸透しています。

その中でも、岡山市北区にある『田町店』はファンが一目置く名物店として人気を集めていました。

しかし、新型コロナウイルスによる自粛の影響から売上が落ち込み、それを機に居酒屋の閉業を決断。2020年5月9日を最後に、居酒屋としての営業を終了しました。

47年という居酒屋の歴史に一幕を下ろしたものの、何とその2日後にはテイクアウト専門店として営業を開始。閉店ではなくリニューアル? 周囲からの惜しむ声が上がる中での、この展開の早さに正直驚かされました。

『田町店』は、西川緑道公園筋から『岡山パブテスト教会』の角を入った路地にあります。小さな格子戸と、成田家のシンボル・三重升のマークがお店の目印。ちらっと見える赤い暖簾の下には、その日のおすすめメニューが並んでいました。

昼間の『田町店』は、昭和の香り残る「町のお惣菜屋さん」といった佇まいで、ノスタルジックな雰囲気が漂います。テイクアウトののぼりに惹かれて、常連客がひとり、またひとりと店内に吸い寄せられていきます。

創業48年目に新たな一歩を踏み出した『田町店』。長年愛される店のさらなる魅力を訪ねて、早速お店に足を運んでみました。

ランチの定番は「白飯抜きのお弁当」? あの名物料理も持ち帰りOK。

「いらっしゃいませ~」
訪問したのは14時過ぎ。店先で二代目の山田修一さんが出迎えてくれました。

入口に貼られているのは、午後から販売するメニューのお品書きです。ランチタイムはお弁当やご飯ものを中心にそろえ、昼のピークを過ぎてからは単品のお惣菜を提供しています。

「メニューが一番出そろうのは15時過ぎですかね。お品書きに書いていない料理もありますよ」

お客さんは、お品書きや店頭の商品を見て欲しいものを選びます。内容はその日の仕入れ具合によって替わりますが、一日に約30~40品を提供しています。お品書きは『田町店』の専用ホームページにもアップされるので、お店に行く前にスマホでチェックすることも可能。電話での注文も受け付けています。

店頭にはサラダや煮物、おひたしに揚げ物と、『田町店』のスタメンがそろい踏み。お店で食べてきたあの味、この味がお持ち帰りメニューとなって再登場です。

みなさんご存じの「とり酢」250円。茹で鶏と春雨、ネギをポン酢で和えたもので、コリコリした鶏肉の歯ごたえとさっぱりした風味がおいしい一品です。今もその人気ぶりは変わらず、この日も予約分の「とり酢」が冷蔵庫に並んでいました。もちろん、もうひとつの看板料理「湯どうふ」もありますよ。

煮つけや和え物など、毎日食べても飽きのこないおかずもそろいます。酒の肴としてはもちろん、夕飯の一品にも大活躍しそうですね。

こちらはおかずがぎっしり詰まった「総菜プレート」400円。もしかして新商品ですか?

「そう、ランチ向けにひとまず作ってみたんよ。あえてライスが付いてないのがウリかな(笑)」

そう答えてくれたのは、店主の山田三八夫さん。20代の時に当時あった『天神町店』で5年修業し、この店を開業してから半世紀近くも暖簾を守り続けてきました。

「ごはんをあえて入れなかったのは、その分楽しみが広がるから。うちには別売りの白飯(100円)やごはん物もあるし、おかずだけ必要なお客さんも買いやすいかな、と。ご飯といっても白飯やおにぎりとかパンとか好みがあるから、自由に組み合わせられるほうがいいと思ったんです」

お弁当を意識しつつも、様々な食事のシーンを想定して作られた「総菜プレート」。狙い通り、お昼ご飯を求めて訪れるお客さんに評判だそうです。

不定期で登場する「たこめし(350円)」も新作メニューです。タコのプリプリとした食感としっかり味のしみ込んだご飯が評判となり、今や3本の指に入る人気メニューとなりました。

営業最終日の2日後にオープン。驚きの早さで再出発した、その理由とは?

現在店を切り盛りするのは、店主の三八夫さんと奥様のさなみさん、そして息子の修一さん。親子三人にアルバイトスタッフも加わり、日替わりで出来立ての味を提供しています。

「『居酒屋をやめる』といったら、昔からの常連さん達が連絡をくれて。再開後もみんな来てくれるし、本当にありがたいよねえ」

調理の手をしばし止めて、優しい笑顔を向けてくれたさなみさん。「得意料理はなんですか?」と聞くと、悩みながらも「天ぷらとか、揚げ物かなあ?」と答えてくれました。

こちらは本日おすすめの揚げ物、「オコゼの唐揚げ」と「とりの唐揚げ」。見た目からして衣のサクッ、ホロッとした食感が伝わります。

『田町店』は地物の魚介を生かしたメニューがウリで、「オコゼの唐揚げ」も瀬戸内産のオコゼを使っているそうです。

「テイクアウトでオコゼの唐揚げなんて、聞いたことがないでしょ?」(修一さん)

料理は三八夫さんとさなみさん、仕入れや接客は修一さんが担当。親子二代で店を回す様子は、居酒屋時代と変わらない安定感がありますね。とはいえ居酒屋閉業からの再出発は、さぞかし大変だったと思います。

「3月の集客状況を見て、今までの営業スタイルでは難しいなと感じたんです。テイクアウトに切り替える決断をしたのは4月の後半くらいですね」(修一さん)

なぜ、閉めてから2日後という急な再開だったのですか?

「テイクアウト専門店にする話を周りに伝えたら、地元の新聞社が記事で紹介してくれたんです。その反響が大きすぎて、お客さんはワッと増えるわ、今後の事も聞かれるわで、次に進まざるをえなくなって。まあ、休んでいるばかりでもしょうがないから早く始めようかと」(修一さん)

三八夫さんも、「本当は、もう少しのんびり再開しようかなと思ってたんだけどね」と続けます。

「初めての経験だから、手探りの事も多くて大変でした。容器も決まってなくて、慌てて店に買いに行ったら売り切れてたり」(三八夫さん)

続けないと答えは出ない。親子三人で守る、たいせつな味。

意外なことに、コロナ禍の前から居酒屋でやっていく難しさを感じていたという修一さん。多くのお客さんをもてなす上で、人手不足や店舗の規模が課題になっていました。

「うちは地元食材の料理に力を入れていたので、観光や出張で訪れる県外のお客さんが多かったんです。3月頃からはコロナ禍の影響でお客さんが減りましたが、その時に強く感じたのが、今の状態では『密』を避けるのは難しいということ。これを機に今までのスタイルを変えようと思ったんです」

今はテイクアウト専門店の形がやっと見えつつある段階。夜の居酒屋時代とは違うお客さんも定着してきました。

玉子のまろやかさにカラシがピリッと利いた「ポテトサラダ」250円。酒のアテはもちろん、再開後は夕食のおかずとしても役立つ一品に。全世代の「ポテサラ」ファンを虜にしています。

忙しい時にサクッと買って、『成田家』の味をご家庭で…なんて、お取り寄せグルメのキャッチフレーズ風ですが、好きな居酒屋メニューで家飲みできれば楽しいですよね!

顔なじみの常連客に交じって、街中のサラリーマンや買い物帰りの主婦、飲みにいけないご年配の方や子どもの姿も。新たな客層を獲得しています。

三八夫さんが、「今はメニューがあるから必要ないけど、数枚だけ残しとる」と、居酒屋時代のお品書きを見せてくれました。手書きの黄色い短冊、懐かしい!

再出発から3カ月、山田さん親子は前を向き続けます。

「今後のことも聞かれますが、これが軌道に乗るかどうかは1年経ってみないと分からないと思います。春夏秋冬を経験して、季節に合う料理や提供の仕方を模索してみて、やっと形ができてくるはず。お客さんに喜ばれる味を届けられるように、これからもがんばります」

「元気だった?」「また来るね!」
料理を挟んだお客さんとの会話も、昔と変わらぬ温かいムードに満ちています。いいお店って、形は違ってもよさは変わらないものですね。みんなの大切な味を守り続ける『田町店』。今後に期待し、心からエールを送りたいと思います!

Information

Information
成田家 田町店
住所
岡山市北区田町1-7-21[MAP]
電話番号
086-233-8554
営業時間
月~金曜11:30~19:00、土曜16:00~19:00
定休日
木曜、日曜
HP
https://r.goope.jp/naritaya-tamachi

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