地域の拠点校『倉敷鷲羽高校』の魅力
魅力あるネタや旬の情報を求めて、岡山県内を東奔西走している『日刊Webタウン情報おかやま』の編集部。そこへ倉敷市児島にある『倉敷鷲羽高校』で、弊誌『タウン情報おかやま』を授業の教材として取り上げてくださるというありがたい情報が!
「これは気になるでしょ!」というか、その模様をしっかりと目に焼き付けたいということで、その内容を探るべく、高校へおじゃまさせていただきました。
『倉敷鷲羽高校』は児島地域唯一の県立高校で、瀬戸大橋と瀬戸内海を望む高台にあります。2020年4月からは、地元企業がデザインして校内や地域の中学生からの投票で選ばれた制服に生まれ変わったり、これまでの未来創造科をより進化させた2学科(普通科・ビジネス科)に改編したりと、生徒一人ひとりの「やりたい!」を実現するための、新たな取組みで注目を集めています。
「KOJIMAPプロジェクト」とは?
高校の玄関口で私たちを出迎えてくれたのは、2年次主任の横山先生。「実は私、『月刊タウン情報おかやま』をかれこれ17年ほど買い続けていて。愛読者なんです!」と、とても嬉しそうに話してくださいました。あ、ありがとうございます!
『倉敷鷲羽高校』では、14期生の未来創造科2年・全クラスを対象に、総合的な学習の時間において、「地域を知ろう」をテーマにした研究活動「KOJIMAP(コジマップ)プロジェクト」をスタートしました。
これは、各クラスでグループごとに作成したリーフを使って、取材したスポットの情報や魅力を発表したのち、全クラスのリーフを1冊にまとめて児島エリアの情報誌「KOJIMAP」の完成を目指すというもの!
つまりは「児島のタウン情報」を作ろうというプロジェクトなんですね。
「KOJIMAPプロジェクト」の企画立案から関わってきた横山先生は「生徒と地域をどうやって関わらせようかと考えたときに、地域の魅力を発掘し、広く伝えるというすばらしいロールモデルが、『タウン情報おかやま』という形であるなと」。
「それをトレースさせることで、生徒たちに地域の魅力と関わる方法を身につけさせ、地域に目を向けるきっかけになると思ったのです」と、今回の取組みで『タウン情報おかやま』を参考にした経緯を教えてくれました。
また、倉敷市外から高校に通う生徒のためにも、児島にはいい資源があることを知ってもらえるよう、児島エリアにある「商店」「観光地」「企業」にネタを絞って取り上げることにしたそうです。
その中で生徒自らがスポットを選定し、その魅力を探りあて、クラスの友だちに紹介したいと思う内容を決定。冬休み期間中には、文献や現地の調査、お店のスタッフにインタビューをするなどし、リーフに必要な「生の情報」の収集や写真撮影も行ったそうですよ。
「前向きに楽しく取り組んでくれたグループが多くて安心しました」と、横山先生も嬉しそうに微笑みます。
リーフ作りで特に力を入れたのが、誌面のデザインだとか。
「この活動を行う前に、人気ブロガーのやぶなおさんに、情報の伝え方や見せ方について講演をしていただきました。『タウン情報おかやま』を拝見して気づいたのは、お店紹介の内容だけでなく、ページ自体の魅力もすばらしいということなんです」。
「デザインによって、読み手に与える効果が変わることを意識し、いかにおしゃれに伝えるかにこだわって作るように伝えました」。
「郷土愛を深めたい」という思い
今回の取り組みについて、寺岡校長にお話をお伺いしました。
「児島エリアはジーンズや学生服、瀬戸大橋など、全国的に知られる産業や観光資源が豊富な地域です。しかしながら、人口が減少傾向にあるのも事実。この取組みを通じて、地域の魅力に目を向け、郷土への愛や関心が深まってくれたら嬉しいですね」と、真剣な眼差しで話してくださいました。
2年1組によるグループ発表会
2年1組の研究活動の発表会が行われたのは、2月5日(水)の6時間目のこと。2~4人ずつ、10のグループに分かれての発表会が行われました。
グループごとに創意工夫を凝らしたリーフと発表原稿を用意し、プロジェクターを通じてスポットの魅力を紹介していきます。
「児島ジーンズストリート」を取り上げた女子グループでは、写真やマスキングテープを用いてカラフルに誌面を仕上げていました。女子っぽいぞ!
また、祖父母が営むお弁当店を紹介した男子グループは、祖父母やお弁当の写真を並べ、「大好きな祖父母のお店を、ほかの人にもっと知ってもらいたい」という思いをアピール。家族愛を感じますね。
さらに、たい焼き・大判焼のお店を紹介した女子グループは、「生地がモチモチ」などのキラーワードを駆使しながら、お店の混雑時間の情報も盛り込むなど、つい行きたくなるような誌面づくりをしていました。読者目線を意識していますねー。
発表終了後に、ほっとした表情の生徒たちに感想を聞いてみました。
「写真の撮り方を工夫」「インパクトのある誌面に仕上げた」など、誌面のデザインを意識した生徒が多かったです。事前の講演が生かされていますね!
なかには実際にお店へ足を運んだ際に感じた味わいを、こと細かくわかりやすく伝えるよう工夫していた生徒も。シズル感を意識したのでしょうね。
どの発表も、生徒たちの一生懸命に伝えようとする気持ちや地元への愛情がしっかり感じられる仕上がりになっていて、発表を聞いていて、どのスポットにも行きたくなりました。
今後の取組みの方向性としては、「高校を通じて地域の人と密に関わるイベントに参加していきたい」とのこと。これからの活動についても注目していきたいですね。