降水量1mm未満の日が日本で一番多く、災害も非常に少ないことから、映画やドラマの撮影スポットとして注目されている岡山県。市街地からクルマで30分圏内に、海、山、古い街並みなどがあり、田舎の風景や島、高原など豊富なロケーションがそろっています。
「晴れの国岡山は、日本のハリウッドだね!」
そんな声が高まって、誰が呼んだか「HALLE WOOD(ハレウッド)!」。
「HALLEWOOD」の立役者であり、全国の映像制作会社が頼りにするというすご腕コーディネイターの妹尾真由子さんが、知られざるロケの裏側やさまざまなエピソードを通じて、岡山の魅力を紹介していく連載です。
《連載第57回》岡山の妖怪伝承「すねこすり」がモチーフの全編岡山ロケ作品 映画『脛擦りの森』が公開
みなさんこんにちは。
岡山県フィルムコミッション協議会の妹尾です。
春が近づいてきて、桜の開花を楽しみにされていたり、花粉症に悩まされていたり、4月からの新生活の準備などで忙しくされていたりするかと思います。
2月のコラムで、交通規制をかけての大規模ロケの実施について、ご協力のお願いをさせていただきましたが、その撮影は無事に終えることができました。
ご協力いただいた地元住民の皆さま、企業の皆さま、本当にありがとうございました。お願いの際は、作品名を出さずにご案内をしておりましたが、その作品は、今秋放送予定の日本テレビ連続ドラマ『俺たちの箱根駅伝』です。プロモーションできる時期になりましたら、しっかりPRに努めますので、多くの皆様にご覧いただければ嬉しく思います。ぜひ、ご期待ください。
さて、今月のコラムでは、4月10日(金)から全国公開される映画『脛擦りの森』についてご紹介します。

映画『脛擦りの森』は、2025年2月17日~21日までの5日間、新見市と高梁市で撮影を行いました。この作品は、岡山の妖怪伝承「すねこすり」をモチーフに、人里離れた森で起こる、神秘的で美しくも残酷な愛の物語となっています。
岡山が舞台となり、全編岡山でロケを行った本作品は、撮影1年前に企画が届き、ロケ地をご案内したところから動き出しましたが、実はその数年前、渡辺一貴監督とプロデューサーのお2人が、考えられていたまったく別の企画のロケ地候補としてご案内した場所が今回の作品のロケ地に決まったのです。
『岸辺露伴は動かない』シリーズを大ヒットに導いた高橋一生さん×渡辺一貴監督タッグで贈る新たなオリジナル作品で、本作が映画出演2作目となる新星・蒼戸虹子さんと第78回カンヌ国際映画祭監督週間に出品された「見晴らし世代」で主演を務め注目の若手俳優・黒崎煌代さんが出演しています。
5日間の撮影は、森から始まり森で終わりました。この期間は全国的にも大寒波に見舞われて、ロケ地でも積雪がありました。
初日は新見市の「宇山洞」。何度か撮影させていただいた場所ではあります。駐車場から現場まで徒歩2~3分ほどですが、人が一人歩ける程度の細道を少し歩いただけで、深い森に迷い込んだかのような感覚になる場所です。

蒼戸虹子さんは、初日は出番がなかったのですが、洞窟から聞こえる歌を合成ではなく、実際にその場で生歌唱。透き通った声が森に響きました。ぜひ、そのあたりも作品の中で楽しんでいただきたいと思います。
翌日から3日間、高梁市での撮影がスタート!
広兼邸の囲炉裏の間、吹屋ふるさと村の郷土館2階、穴門山神社での撮影が続きました。
穴門山神社は、平安時代前期に編纂された『延喜式神名帳』にも記載されている由緒ある神社です。鳥居をくぐってから車で約5分ほど細く急な坂道を下るにつれて、日差しが届かなくなり、電波状況も悪くなり、不安に襲われます。
それでも進み続けると、その先で出会える神秘的なロケーションは格別です。
本殿や御神窟、山門から本殿まで続く九十九折りの参道など、老人が妻と暮らす場所として登場します。拝殿で碁を打つ姿はとても印象的です。

また、広兼邸や郷土館での撮影では、たくさんの美術装飾が施された穴門山神社と合わせてひとつの家として描かれています。ぜひ、その装飾にも注目してご覧いただきたいと思います。
最終日は新見市土橋地区の森の中から。
早朝、真っ暗な時間帯から準備を開始し、夜明けとともに撮影を開始しました。スタッフ、キャスト一丸となって完成した映画『脛擦りの森』は、穏やかな時の流れを感じながら、自然の壮大さを体感できる作品です。
本作品の音楽は、岡山出身のバイオリニスト・福田廉之介さんが手掛けており、作品全体に岡山がぎっしり詰まった作品となりました。
ぜひ、劇場でご覧いただき、岡山の魅力を再発見していただきたいと思います。
2026年4月10日(金)から全国公開されることに先立ち、4月4日(土)には、映画『脛擦りの森』ジャパンプレミアin岡山の開催が決定しており、主演の高橋一生さんと渡辺一貴監督が舞台挨拶を行う予定です。
その凱旋に伴い、岡山県フィルムコミッション協議会主催で映画『脛擦りの森』スペシャルイベントも開催します!
高橋一生さんと渡辺一貴監督のスペシャルトークショーを目玉とし、ロケ地・高梁市&新見市の特産品や観光PRを実施します。100名様限定招待のイベントとなり、3月29日(日)が申し込み締め切りとなっていますので、ぜひご応募ください。
イベント以降は、ロケ地マップの配布や岡山県公式観光サイト・岡山観光WEBで特集ページの公開なども行います。
ぜひ、岡山の魅力が詰まった映画『脛擦りの森』をお楽しみください。
【Profile】

岡山県フィルムコミッション協議会
妹尾真由子
矢掛町出身。2013年に矢掛町入庁。産業観光課での勤務時代には、ご当地キャラ・やかっぴーとともに町の観光PRを担当。2016年より岡山県観光連盟に出向。2018年より岡山県フィルムコミッション協議会の専任スタッフに
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