降水量1mm未満の日が日本で一番多く、災害も非常に少ないことから、映画やドラマの撮影スポットとして注目されている岡山県。市街地からクルマで30分圏内に、海、山、古い街並みなどがあり、田舎の風景や島、高原など豊富なロケーションがそろっています。

「晴れの国岡山は、日本のハリウッドだね！」

そんな声が高まって、誰が呼んだか「HALLE WOOD（ハレウッド）！」。

「HALLEWOOD」の立役者であり、全国の映像制作会社が頼りにするというすご腕コーディネイターの妹尾真由子さんが、知られざるロケの裏側やさまざまなエピソードを通じて、岡山の魅力を紹介していく連載です。

《連載第45回》ドラマ「おとなりコンプレックス」編

みなさん、こんにちは。岡山県フィルムコミッション協議会の妹尾真由子です。

新年が始まり１カ月が過ぎましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。年末年始は９連休ということで、おうちでゆっくり過ごした方もいれば、アクティブに国内、海外へと旅行に出かけられた方も多かったのではないでしょうか。

私は、例年のごとく年末はお墓掃除や畑の木々の片付け、餅つき、蕎麦打ち、年明けは、墓参りと近所のお宮参り、最上稲荷に初詣など、比較的まったりだらだら過ごしました。

さて、2025年最初のコラムは、1月23日に情報解禁されたばかりのドラマ「おとなりコンプレックス」についてです。

本作は、お隣同士で家族のように育ってきた「カワイイ男の子」真琴と「カッコイイ女の子」あきらによる、「親友以上・恋愛未満」な２人の甘酸っぱい純愛物語です。

男女逆転ルックという斬新な設定で、「ルックスコンプレックス×恋」という誰もが共感するテーマを優しいタッチで描き、「ありのままでいい」と応援してくれているような、とても心が温まる作品です。

この作品は、クロフネコミックスでの連載スタート時に「pixivコミック」年間ランキング2位に輝き、単行本の累計発行部数70万部超えを記録。

さらに2024年には英語版に翻訳され海外への広がりも見せている野々村朔の大ヒット漫画「おとなりコンプレックス」が原作で、この度、待望の実写ドラマ化となりました！

主演は「あなたの番です」「First Love 初恋」など、次々と話題作に出演し、「少年のアビス」では連続ドラマ初主演を務め、唯一無二の存在感を放つラブコメ初挑戦の荒木飛羽さん！

ヒロインには「ミスマガジン2022」でグランプリを受賞し、モデルやグラビア、ドラマ、映画出演など活躍の場を広げている今注目の若手女優・瑚々さん。

そんな注目の２人が織りなすピュアラブコメは、今から待ち遠しくてたまりません。

この作品を推しまくっている理由は、なんと！！

実はこのドラマは、2024年9月～10月にかけてオール岡山ロケを行った作品なのです。おそらく、連続ドラマでオール岡山ロケというのは初めてではないでしょうか。

このお話を頂いたのは、2024年5月。映画「リゾートバイト」のプロデューサーからご相談があったのが始まりで、「今作は『お隣同士の幼馴染のラブストリー』だから、隣同士並んで使える家が重要！」ということで、まずはメインロケ地となる家や２人が住んでいる街の雰囲気を探すところからのスタートとなりました。

不動産屋を当たったり、知り合いにご紹介いただいたり、無人住宅展示場などに突撃したり…。さまざまな手段で家探しを始めました。

きっと東京都内ならハウススタジオなどがたくさんあるので、そこと組み合わせていくなどやり方は色々あるとは思うのですが、出来ればオール岡山ロケ作品にしたいという思いもあり、当たって砕けろ精神でHPや街中を回りながら探しては、片っ端から連絡を入れていきました。

そこで快くお話を受けてくださったのが、地元岡山の『イシンホーム』さんでした。

建売住宅展示場の中に、原作にも近いようなとてもよい感じの家が隣同士で立っているということで、ご案内をいただきました。

撮影時も、エリア内に４棟が建っていたのですが、メイン２棟とそのほか２棟についても別設定やシーンに合わせて使わせていただきました。とても協力的な企業さんで撮影隊の皆さんも喜んでいました。

家具などは既にコーディネートして設置されていたので、それを生かしながら美術装飾を加えていきました。表には、芝を敷いたり、ガーデニングのような感じでお花やテラス席のようなものを設置したり…。それによって益々ロケーションの魅力が増していきました。

そのほかにも、真琴とあきらが通うキャンパスには岡山理科大学、その他さまざまな日常を描く多数のカフェやカラオケ店、遊園地など、岡山の魅力あるお店やスポット、ロケーションが盛りだくさん登場します。

できる限り過去の撮影で使用されていないロケーションを提案したいと思い、イメージに合うロケーションに片っ端から連絡を入れて、撮影協力頂けるかどうかと相談をさせていただきました。

多くの店舗や施設の皆さんが前向きに対応してくれました。OKと言ってくださったにもかかわらず、残念ながらスケジュールなどの関係から今回撮影に使われなかったロケーションも多数ありますので、ぜひ今後の作品でご協力をお願いしたいと思います。

そんな風に地元のみなさんが協力的だったこともあり、現場は和やかな空気感の中、撮影が進んでいたと思います。

スタッフさんの中には、「岡山はとても住みやすい街だな…。移住しようかな」と仰ってくださる方もいて、「ぜひぜひ！その際は『イシンホーム』さんで♪」と冗談交じりで答えましたが、それほどまで岡山を気に入っていただけたことを非常にうれしく感じました。

キラキラした作品の世界観を岡山のロケーションが華やかに彩るドラマ「おとなりコンプレックス」をぜひ多くの方に見ていただきたいと思います。

2025年2月20日（木）深夜より、フジテレビにて放送＆FODにて独占見放題配信がスタートし、放送終了後は、TVerにて1週間見逃し配信もあります！。

岡山の今の風景が盛りだくさん詰まった本作は、地元の方々も改めて岡山の魅力を再発見する機会になること間違いなし！

寒さも吹き飛ぶキラキラ感溢れるキュンキュンラブコメ「おとなりコンプレックス」をぜひご覧ください！

【STAFF】
原作：野々村朔「おとなりコンプレックス」（クロフネCOMICS／リブレ刊）
監督：副島宏司
脚本：ニシオカ・ト・ニール（1話～4話・8話） 村田こけし（5話～7話）
音楽：西村大介/DUNK
制作プロダクション：キャンター
製作：NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン

【CAST】
荒木飛羽／瑚々

【Profile】

岡山県フィルムコミッション協議会
妹尾真由子
矢掛町出身。2013年に矢掛町入庁。産業観光課での勤務時代には、ご当地キャラ・やかっぴーとともに町の観光PRを担当。2016年より岡山県観光連盟に出向。2018年より岡山県フィルムコミッション協議会の専任スタッフに

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